人気ガレージブランドをクローズアップ
大手メーカーによる大量生産品とは違い、職人技術やハンドメイドにこだわった高品質なアイテムが人気を博すガレージブランド。少量生産ながらもここ数年で人気がうなぎ登りのアイテムも少なくありません。
そこでこの企画では人気のガレージブランドにスポットを当てて、そのヒストリーと魅力に迫ります!
第1回目は「ネルデザインワークス」
独特な形状の木製グリップを使ったオノやナタ、ファイアーブラスターといったプロダクツがコアなキャンパーに人気の「ネルデザインワークス(neru design works)」。誕生は2014年と古く、ガレージブランドの先駆け的存在でもあります。
製品のラインナップは焚き火周りのギアからレザークラフト、最近では真空管アンプ(写真上)を発表するなど、枠にとらわれない幅広い展開が魅力。さまざまなブランドとのコラボレーションも得意で、ハンドメイドinジャパンにこだわる物作りは多くのファンから支持を集めています。
今回は企画・デザインに携わるneruさんに、ブランドヒストリーや人気アイテムについて伺いました!
neruさんにインタビュー!ネルデザインワークスの過去・現在・未来
ブランド立ち上げのきっかけは?
もともとモノ作りが好きで、好きなことにはとことんこだわるというneruさん。これまでさまざまなアイテムを手掛けていますが、ブランド立ち上げはどういった経緯があったのでしょうか?
子供の頃からキャンプが大好きだったのですが、ハマっていくにつれて自分の欲しいと思う製品が売っていなかったので、自作しはじめたのがきっかけです。
neruの由来は「寝る」!?
あまり知られていませんが、一番最初に手掛けたのはハンモック。ブランド名はそこからきているんですよ(笑)。
写真は、エピソードにあるハンモック。ネルデザインワークスのneruは「寝る」からとった、というのは衝撃の事実ですね!
ブランドの知名度を上げるきっかけとなったのは・・・
2014年に始めたインスタグラムでレザーを縫い合わせて作ったガス缶のカバーを投稿したところ反響があり、「売って欲しい」という声をいただけるようになりました。SNSを通じて、ユーザーとダイレクトにやりとりしていくことに可能性を感じたので、正式にブランドとしての活動をスタートしました。
その後は二股のガス缶をOEMで製作し、ブランドは一躍有名に。このタイミングでアイコニックな「0/0」というロゴデザインも完成させたそうですが、そこに込めた想いとは……?
0÷0は答えがない、そういうブランドでありたい
ロゴに使った0/0は“ゼロ分のゼロ”という意味です。4を2で割れば答えはひとつですが、0は0で割ることはできないから答えがない。ネルデザインワークスも「決められた答えに縛られたくない。やることに制限をかけたくない。」そんな思いでつけました。
商品のラインナップやカテゴリー、活動内容とにかくやりたいことをやる。モノ作りに関して言えば、自分の欲しい物を作るというのが根底にあります。
その想いを具現化して作られたのが「MAKIBASAMI」。その後、シリーズ化して大ヒット商品になります。
「日本の職人技術を守りたい」という思いが詰まったハンドメイドinジャパン
ネルデザインワークスを象徴するアイテムとして人気なのが、アシモクラフツ(@asimocrafts)とコラボして作られたこちらのシリーズ。現在でも品薄が続いていて、予約しても半年以上は納品まで時間がかかるというヒット商品です。
お待たせしているのは申し訳ないのですが、すべて職人さんによる手作業なので、どうしても数が作れず時間がかかってしまいます。
例えば刃物は新潟県燕三条の職人さんが何十工程にも及ぶ作業で強靭な刃を作っているので、海外製と比べると切れ味は歴然。包丁としても使えるほど良く切れるんです。
じつはオーク材のグリップ部分も職人がひとつひとつ手作業で削り出していて、よく見ると商品によって違いがあるのだそう。
デザインと品質に徹底的にこだわるネルデザインワークス、続いてはブランドを代表する人気商品をひとつずつひも解いていきます。
半年待ってでも欲しい!ネルデザインワークスの代表作
日本の鍛冶職人が手掛ける「Ono Kezuru」
ネルデザインワークスの中でも一番の人気商品が「Ono Kezuru」(19,000円)。メイドインジャパンの魅力的なオノを作りたいという想いから生まれた一品です。オーク材の柄を削り出したグリップは握りやすく、使い込むほどに変色して経年変化も楽しめます。
抜群の切れ味なので、焚き火の焚付を作るには最高ですよ。レザーのカバーは今でも僕がハンドメイドしています。
火かき棒にもリフターにもなる「MAKIBASAMI」
ネルデザインワークス同様ガレージブランドのパイオニアであるアシモクラフツとのコラボレーションのきっかけとなった「MAKIBASAMI」(12,000円)。
これをデザインしていた当初から、グリップにはアシモさんのアシグリップしかないと思っていたので、お声がけしてコラボレーションが始まりました。それ以来、たくさんの作品をコラボレーションで生み出しています。
シンプルな形状ながら先端部分は火かき棒としても使え、またダッチオーブンなどを持ち上げるためのリフターとしても使える一台三役の優れものです。
無駄を削ぎ落とした「Nume 500」
ブランドの第一号商品であり、ガス缶カバーの先駆け的な作品。いまでもneruさん自身がハンドメイドで製作しているというOD缶(500)用のレザーカバーが「Nume 500」(14,000円)。
高級革の栃木サドルレザーを贅沢に使用しています。最大の魅力はなんといってもエイジング。デザイン的な無駄を削ぎ落として、経年変化を楽しむことに特化した作品です。汚れを気にせず、ガンガン使ってほしいですね。
ガス缶のサイズに合わせて3種類展開していて、ほかにブラックもラインナップされています。
ポータブル電源をお洒落に持ち運ぶ「EB Cover」
ラチタのエナーボックス用のカバー。こちらの単色ブラック(10,800円)とネイタルデザインとコラボしたカモ柄(12,500円)は新作で、すでに完売してしまったのだとか。
小物収納に便利なポーチ(4,800円)や、ゴールゼロのLEDランタンがすっぽり収まるホルダー(3,800円)など、オプション品もラインナップに加わりました。細かいものをなくしてしまいがちな人には重宝するはずです。
LACITA エナーボックス
LACITA BALLISTICS × neru design works エナーボックス専用カバー
センスが溢れ質実剛健なこれらのネルデザインワークスのアイテム、ぜひとも手に入れたいと思っている人も多いことでしょう。では、どこに行けば買えるのでしょうか?
ネルデザインワークスのアイテムを入手する購入方法ガイド
ガレージブランドを扱っているアウトドアセレクトショップでも販売頂いてますが、生産が追いついていないのが実情で、かなり少ない数しか納品できていません。
よって、取り扱い店のオンラインにはほぼ出ておらず、ほとんどが店頭販売になっていいます。ここに行けば必ず買えます、というのはちょっとむずかしいですね……。
となると、残すはネルデザインワークスのオンラインサイト。でも、サイトを見てもSOLD OUTが目立ちます……。
基本は予約販売と在庫販売の2種類ですが「SOLD OUT」のときは予約も受け付けていません。「在庫あり」のときのみ予約を受け付けていますが、お届けできる時期はまちまち。
最近はメルマガで予約受付の告知をしていますので、そこをチェックしていただくのが一番確実な方法ですね。
2020年末には、なんとテントも登場予定!
枠に収まらない物作りを続けるネルデザインワークスでは、目下テントを開発中。写真はプロトタイプなのでここから修正をかけていくそうですが、家族でもソロでも使えるドームテントを計画しているのだとか。
5年前から考えていたのですが、ようやく形になってきました。3mの小型ドームテントで、素材はコットン生地を予定しています。ドームテントって大型はいろいろあるのですが、いわゆる中型サイズってないんですよ。
1年中使える幕として、なんとか今年中に作れればと思っています。
ほかにも、ホットサンドメーカーなど新製品の開発も平行して進行中というneruさん。これからの活動にも期待が高まります!
まだまだ道半ば、ネルデザインワークスから目が離せない
自分が欲しい物を作るという意思のもと、ブランドを立ち上げて早6年。いまの状況は「100点満点中30点」というneruさんには、まだまだやりたいことが頭の中に溢れているそう。キャンプ用品はもちろん、車やインテリアまで、とことんこだわり抜くネルデザインワークス。これからの活動からも目が離せません!