ガダバウトチェア
平さんがおもむろに広げたのは懐かしい柄のチェア。
「今ではもう作られていない、ガダバウトチェアのオリジナルです。80年代のを中心にいくつか置いていますが、それぞれ作られた時期によってタグが違っていてマニア心をくすぐります。復刻モノも出回っていますが、やっぱりオリジナルが欲しいというお客さまは多いですね」
そう解説してくれた菊地さん。ディセンバーではどこか昔っぽいイメージだったり、懐かしさを感じるようなアイテムが多い気がします、という平さんの言葉に深くうなずきます。
「ガダバウトチェアみたいなリアルヴィンテージはもちろん、オリジナルアイテムもそういう雰囲気のものが多いです。理由は僕が好きだから(笑)。たとえば生地でいうなら、いかにも昔のテント生地っぽい分厚いタイプが好き。うちのは経年変化を楽しめるパラフィン加工を施してあり、いい感じのアタリが出てくるよう仕上げてあります」
ヴィンテージを現代的に楽しむ
ハンモックとクッション
「確かに、この厚手生地のハンモックも最高ですね。丈夫なチューブラーテープを使っているから強度もバッチリ。ダイスの迷彩クッションをマクラにすれば完璧です」
クッションはすでに普段から愛用しているという平さん。「一見ハイテクに見えても中身がクラシックだったり、逆に見た目がレトロでも今っぽい工夫がなされていたり、そういう遊びゴコロもこのお店ならではですね」。
それなら、まさにちょうどいいのがありますよ、と菊地さんが教えてくれたのはピカピカのツーバーナー。
アルコールのバーナー
「こちらはディセンバーでデザインして、テンマクデザインとコラボした“サイレントツーバーナー”です。ステンレスのシャープなルックスは現代的ですが、熱源はアルコールという仕掛け。どこかおもちゃ感覚ですけど、こういうのって楽しいじゃないですか」
と笑う菊地さん。せっかくなら、と中身のアルコールバーナーを収納するためのオリジナルケースも作ってしまうほどのこだわりぶりです。
友人が使っていたフライフィッシングのリールケースがアイデアソースになっているそう。何気なく日常に転がっているヒントを取り入れるセンスはさすがの一言です。
折りたためるローテーブル
僕はコレがツボですね、と平さんがピックアップしたのはコンパクトなテーブル。
「これは画期的。クラシックなウッドのローテーブルに見えますが、マグネット仕掛けで簡単に折りたためるようになっている。こういうのって分解、組み立てに骨が折れるタイプも多いけれど、これはすごく簡単なのがいいですね」
人気が高まる”デコラウエア”のホーローマグや、クッカーなどを乗せるテーブルとしてもかなり重宝しそうです。クッカーといえばやはりトランギアのメスティン。大定番アイテムもここディセンバーではただでは終わりません。さすがのアプローチを見せてくれました。
独自カラーのメスティン
「メスティンのフタをレッドとダークオリーブにペイントしました。もともとはトランギアのケトルで実際にあった色みをメスティンで再現してみたんです。いい色に仕上がったと思いますね」
レトロなセレクトはさらに加速。お次は水筒。ぽっこりしたシルエットがかわいいフランスの「グランテトラ」は探している人も多い。
ヴィンテージの水筒
「これか、ドイツ製のマルキルがヴィンテージ水筒の双璧です。少し前までは山道具屋さんで普通に売っていたんですけどね……。ドイツといえばやっぱり昔から質実剛健。ドイツ製の長いペグもうちで扱っていますよ」