バーベキューって何だ?
SAM:バーベキューの語源として、スペイン語でバルバッコア(barbacoa)というのがありましたね。
語源は、西インド諸島の先住民であるタイノ族の肉の丸焼き用の木枠を指す言葉が、「丸焼き」を意味するスペイン語のbarbacoaに転化した(出典:wikipedia)
SAM:つまり、語源からすると私たちが元々やっていたのはバーベキューではなく「焼肉」なんですよね。焼肉が悪いわけじゃないけど、バーベキューの本来のスタイルを知るとこれまた面白い。
oki:本来のスタイル?
SAM:つまりは、焼く人がいて、その人が切り分ける「ピットマスター」がいること。
oki:鍋奉行みたいな人ね(笑)
SAM:私が日本BBQでグリルにイメージするのはモロに「鍋」ですね。鍋を箸でつつくのと同じように、グリルを箸でつつく。それはそれでいいものですが。
oki:西欧では、分厚い肉、もしくはブロック肉をピットマスターがおいしく焼き上げて、平等に切り分けてくれるんですよね。ただし好きな子にはおいしいところをあげたり。
SAM:そう。おもてなし側がいて、ゲストがいて。
oki:だからグリルの周りにみんながたむろしていない。僕はオーストラリアでその体験をしました。
SAM:私も、ヨーロッパではそうでしたよ。むしろ、「そこで待ってろ」と言われました(笑)
oki:たむろしたら、おもてなし側とゲストって関係が崩れますね。本来、かどうかわからないけれど、欧米スタイルではそうですよね。
SAM:西欧に「箸」はないわけだし。バーベキューの語源がそうであるように、丸焼きが大元だとすると、そりゃ箸伸ばせませんよね(笑)。パーティ文化とすれ違った(置き去りになった)ことで、日本のバーベキュースタイルが出来上がってきたのかもしれません。
oki:日本のバーベキュースタイルは「焼き肉の野外版」ということなんでしょうね。
SAM:ただ、日本でも明らかに欧米式のスタイルも浸透してきつつありますよね。
oki:ですね! まず材料、肉のブロックなどが手に入れやすくなった。SAMさんは蓋付きのグリル、使いますか?