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編集部員5人に聞いた「2024年のベストギア」
キャンプの知識や楽しみをより多くの人に伝えたい思いで日々奔走し、今年も取材にプライベートにキャンプを重ねてきたCAMP HACK編集部員たち。
もはや公私の別なく新作は気になり、話題のギアはすぐさま試したい……。読者のみなさんと同じく、どっぷりキャンプ沼にハマっています!
そんな彼らが選ぶ、ベストギアをご紹介するこの連載企画。キャンプスタイルや楽しみ方は違えど、購入に到る経緯や魅力の語り口はリアルで、参考になるものばかり。
今回は5名の編集部員たちに、「2024年のマイベストギア総決算」を発表してもらいましょう!
キャンプでも布団の寝心地を求めるならコレ一択!
CAMP HACK Channel はせべ
CAMP HACKのYouTubeチャンネルのカメラの後ろにいる人。撮影機材、キャンプギア、ガジェット沼に肩まで浸かっていて、溺れそう
コールマン
「マルチレイヤースリーピングバッグ」
出典:Coleman
動画制作のみならず、ギアチョイスにも独特のこだわりとセンスが光る、編集部員はせべ。今回、彼が2024ベストギアに掲げてきたのは、コールマン「マルチレイヤースリーピングバッグ」。
ロングセラーなこのアイテムも、きっと、ちょっと斜め上な視点から?その魅力を語ってくれることでしょう!
はせべ:NANGAのシュラフを使いたけれど、マミー型だとどうしても窮屈で、開放的に寝たい! と封筒型のシュラフを探していました。
ですが、熱が逃げやすい封筒型で保温性も高いとなると、かなり高価なのに悩み……。
そんなとき、値段も15,000円(税込)とお手頃なのに、-5度まで対応のこちらを見つけて即購入。
キャンプで寝てみたところ、思惑通り、自宅の布団感覚でゆったり就寝できて、すっかりお気に入りです。今のところ、暖かさもバッチリ!
ファミリーキャンプでお座敷スタイルのときには、2枚を連結して使えるのも便利です。
「マルチレイヤー」の名の通り3層に分かれていて、かなり細やかに温度調節ができるのも魅力です。それぞれ単体でも使え、これ1つでオールシーズンOKです。
ダウンでなくて化繊製なので、洗濯機で丸洗い(レイヤーごとに単体で洗濯)できるなど、メンテナンスが楽なのもポイント。
唯一デメリットなのは、収納サイズが約52×29×38cmと大きめな点。便利なショルダータイプの収納バッグも付属していますが、こちらもまあまあタイト。
自分はシュラフを畳んで収納するのがかなり苦手なので、収納袋に入れずにざっくり丸めて、THORの75 Lサイズコンテナにピローと一緒に収納しています
布団レベルの開放的な寝心地・保温力・手頃な価格というニッチなこだわりに、とことんマッチしたワケですね!
収納サイズが大きめ&畳んで収納するのが苦手な点も、オートキャンプならOKと割り切って、自分なりの最適解を見つけ出しているのが流石です。
コールマン マルチレイヤースリーピングバッグ
使用サイズ | 約90×200cm |
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収納サイズ | 約52×29×38cm |
重量 | 4.9kg |
材質 | 表地/ポリエステル 裏地/ポリエステル 中綿/ポリエステル |
快適温度 | アウトレイヤー+ミッドレイヤー+フリース:-5℃ アウトレイヤー+フリース:5℃ ミッドレイヤー+フリース:12℃ |
付属品 | 収納ケース |
3個大人買い!これでもう小物ギアを散らかさない
CAMP HACK編集部タグチ
Youtubeで「たぐっちゃんです〜」と言うのが恥ずかしくなって最近は裏方がメインに。キャンプスタイルはハイエースでの「気ままでズボラな車中泊」。車中泊DIYの情報収集をするのが日課だが、自身のクルマは妄想止まりでいつまでも進展がない
JEJアステージ「グランコンボ
折りたたみトート ハーフ」
ノーブランドやアウトドア用途外のアイテムから、実用的なギアを発掘するのを得意とし、車中泊カスタムのDIYにもますます磨きがかかる、タグチ。
彼が今年のベストギアに選出したのは、JEJアステージ「グランコンボ 折りたたみトート ハーフ」。一見、よくあるギアトートのようですが、きっとそうじゃないハズ……?
タグチ:小物ギアや撮影機器の収納にWhatnot(ワットノット)の「ワンタッチバケット」を使ってきたのですが、少し大ききすぎて持て余していました。
しかも余剰スペースがある分、つい色んなものを放り込んでぐちゃぐちゃになりがち。
耐久性や手頃な価格、ペタンコにたためる機能などはそのままに、小さいサイズがあれば……。と思っていたらこちらを発見!
幅36×奥行25×高さ32cmの「ワンタッチバケット」に対し、こちらは幅29.5×奥行14.7×29.5cmと、容量的にはちょうど約半分くらいです。
けれど、開口部にはしっかり鉄製のワイヤー枠入り。生地は厚手の600Dポリエステル、底面はPVC素材で水に強い点など、アウトドアでラフに使える耐久性はほぼ同等。
もちろんワイヤー枠を外せばペタンコになるし、内側にはベルクロ脱着式の仕切りまで付属。
入れるモノに合わせて幅も変えられるので、整理整頓しやすいのがGood。
カテゴリ別の小分け収納にピッタリなのと同時に、これまで「ワンタッチバケット」が置けなかった車内のちょっとした隙間に置けるのも便利です。
ハンドルの根本にはDカンも備え、S字フックなどで吊るすのもアリ。あまりに使い勝手の良いサイズ感で、今では計3個購入して日々活用中です
大は小を兼ねると言うけれど、こと、小物ギアの整理整頓に関しては、当てはまらないこともあるという好例ですね! ハーフサイズが欲しかったという人にはイチオシのアイテム。
グランコンボ 折りたたみトート ハーフ
サイズ | 外寸:(約)幅29.5×奥行14.7×高さ29.5cm 内寸:(約)幅27.7×奥行12.9×高さ28.6cm |
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重量 | (約)580g |
最大収納重量 | (約)6kg |
材質 | 本体・内張:ポリエステル600D 底面:PVC 仕切:ポリエステル、発泡ポリスチレン 可動枠・縁芯材:鉄 ハンドル:ポリプロピレン |
子供とのお出かけにマストな相棒!
CAMP HACKのよろず屋 きむ23
動画制作・オンラインショップ店長・司会・DIYなど、頼まれたらなんでもやる「Mr.ワンオペ」。仕事・家事・育児・遊びと、フル稼働の毎日を送っている
SPRINGHILL「キャリーワゴン」
出典:Amazon
CAMP HACK ChannelのカオでありCAMP HACKストア店長、イベント出店ではトークショーMCから什器のDIYまでこなし、2024年もマルチにひた走ったきむ23。
そんなきむ23のチョイスは、「今さらだけど……」と取り出した、SPRINGHILL「キャリーワゴン」。一体どんな魅力が隠されているのでしょうか?
きむ23:実は私、ずっとアウトドアワゴン否定派でした。リュックを背負って、あとは手で運べばいいじゃん、て。
ところが、子供が成長してベビーカーに乗らなくなり、抱っこする機会が爆増。リュックだけで荷物を運ぶのに限界を感じ、遂にアウトドアワゴンの必要性を痛感。
でも、一般的なサイズだと大きすぎて使い勝手が悪いので、コンパクトなタイプを探していたところ、見つけたのがこちらです。
従来の10〜12kgくらいのアウトドアワゴンに対し、最近は6kg程度のミニワゴンのラインナップが充実しています。
そのなかで、購入の決め手となったのは、サイドのフレームがない点でした。その分、約5.9kgと片手で持ち上がるほど軽く、多少膨らむ余地があって想像以上の積載力が。
耐荷重も100kgあり、子どもが乗ってもたれても、背中が痛くないのも◎
*多くのアウトドアワゴンは、人や動物の運搬を推奨していません。人や動物を載せるときは、あくまで自己責任の上でお願いします
幅81×奥行き41×高さ55cmと、展開時にコンパクトなのはもちろん、幅32×奥行き20×高さ45cmと収納時も断然コンパクト。
さらに、上からかぶせる収納カバーは付属しませんが、3つ折りの中敷きがベルト付きで、ぐるりと巻いてカバーと兼用できる仕様も効率的で気に入っています。
後ろ側にはメッシュポケット、両サイドにはウェビングベルトと面ファスナーも装備。子ども用にウェットティッシュを入れたポーチを装着したり重宝しています。
4本のポールトップのネジキャップを外せば、本体生地も外せてお手入れもラク。
このネジが互換性の高いタイプで、実は、ここに連結できるテーブルもDIY中です。屋根を作るのもいいし、拡張性の高さもポイントです。
少し気になるのは、ハンドル周りのフレームが妙に柔らかめ?なところと、普段のレジャーでもハードに使っているせいか、タイヤゴムの摩耗がやや早い印象です。
Amazonのセールでは安くなることが多い製品なので、ぜひ直近のセールを待って購入されることを強くオススメします!
家族が増えて運搬するキャンプギアも増え、アウトドアワゴンは欲しいけど、車載スペースや自宅の収納スペースに悩む……。そんな人にぜひ使って欲しいアイテムですね。
SPRINGHILL キャリーワゴン
使用サイズ | 幅81×奥行き41×高さ55cm |
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収納サイズ | 幅32×奥行き20×高さ45cm |
重量 | 5.9kg |
材質 | 本体生地:600Dオックスフォード フレーム:アルミ合金 |
初ソロ幕にして大成功!高コスパならこのテント
CAMP HACK Channel ディレクター 鳴海
TVCM制作会社を経て、2022年春からCAMP HACK動画チームにジョイン。3歳の長女、1歳の次女を持つ二児のパパ。長女の生後5ヶ月目からファミキャンをスタートさせ、今ではキャンプと合わせて牧場や果実狩り、アクティビティなど子供の体験重視のファミリーキャンプを重ねている。当の本人は今年からダイエット目的でトレイルランニングに挑戦中
ポモリー「デューンソロ」
出典:POMOLY
CAMP HACK Channelの業務に勤しむ一方、2児のパパとして育児に奔走しつつ、トレイルランニングの大会にも精力的に参加するパワフルな男、鳴海。
そんな鳴海の2024マイベストギアは、A4サイズに折りたためる超軽量チタン薪ストーブや薪ストーブに特化した高コスパテントが話題の中国のブランド、POMOLYの「デューンソロ」。
鳴海:普段はファミリーキャンプがメインで、ソロテントを持っていませんでしたが、撮影キャンプ時の宿泊用として必要に。
とはいえ、そこまで使用頻度は高くなく、撮影キャンプでは大きな宴開幕で過ごす時間が長いため、テントでは実質ほぼ寝るだけ。
なので、設営&撤収が簡単、かつ、お小遣いの範囲で無理なく買える価格で見た目もカッコいいという条件で探していたら、30,799円(税込)のこちらを発見!
シャープなフォルムやシンプルなカラーなど、まずデザインがカッコいい!
そして設営&撤収がめちゃくちゃラク。フライシートにスリーブがないアウトフレーム構造なので、4隅にポールを差し込んだら、あとはフックで留めて吊るすだけ。
付属のインナーテントも吊り下げ式だから、5分もあれば設営完了。インナーテントは装着したまま撤収できるので、2回目からはさらに設営工程が減ります。
30,799円(税込)の破格さとなると気になる品質ですが、縫製やシーム処理もしっかりしています。
フライ・インナー生地共に、20Dリップストップ・シルナイロンにPUコーティングが施され、ポールも山岳テントなどに使用される高強度な7001アルミ合金を採用されています。
自立式なので、設営後もサクッと移動できる点も便利。
インナーテント内は、身長約180cmの自分が寝ても十分なゆとりと、脇に荷物を置けるスペースも。ちょうど六角形の半分が前室なので、こちらもゆったり。
ただし、メッシュはインナーテントのフロントパネル上半分と天面だけ。フライシートと連動して開閉するサイドパネルにはメッシュがなく、夏の通気性は低めです。
もちろん、POMOLYならではの薪ストーブ煙突用のストーブジャックも装備。ポールを追加すればフロントパネルも跳ね上げられ、複数パターンで拡張できます。
総じて「高コスパだったな〜!」と実感していますが、来年は薪ストーブインストールやキャノピー拡張パターンにもトライして、使い倒したいと思います
このサイズのドームテントで薪ストーブ対応なのもかなり珍しいですが、何より3万円台とは思えないクオリティに驚きです。設営・撤収も簡単で、ソロ幕デビューにもピッタリのテントです。
ジェットボイルの熱効率を最大活用するギアを発見
CAMP HACK編集長 マツダ
ガチ登山や輪行キャンプなどアウトドア全般を楽しんでいたが、ここ数年で二児のパパに。そこからは、しっぽり車中泊スタイルに完全シフト。ハイエースを基地にしてクルマ主体のキャンプを楽しみつつ、家族が快適にキャンプを楽しめるように少しずつギアの足し引きをして試行錯誤中
ノーブランド「せいろ」
大トリを務めますのは、我らがCAMP HACK編集長のマツダ。ガジェットからファッションに至るまで、守備範囲が広いマツダの今年度ベストバイは……?
なんと、ノーブランドの「せいろ」。湯を沸かした鍋にのせて蒸し料理に使うアレ、ですね。ど、どこら辺がキャンプにベストだったのか、しかと語っていただきましょう!
マツダ:熱効率が非常に高く、すぐにお湯が沸く「ジェットボイル ミニモ」を、昔から愛用していました。
でも、湯沸かしで出る蒸気や熱が上に逃げていくのが、常々もったいないと感じており……。
そこで、「せいろ」をのせて同時調理すれば、蒸気も熱もムダなく活用できると考え、クッカーの直径に合うサイズを、せっせとAmazonで調べて購入したのがこちらです。
特にアウトドア仕様でもなく、「せいろ」自体は至ってフツウの2段で蓋付きタイプです。
木製の「せいろ」が直接鍋に触れて焦げるのを防ぐ、金属製の穴あき受け皿は付属しておらず、別途購入。
実際にキャンプでこのセットを使ってみたら、サイコーでした!
下段のクッカーでパスタやレトルト食材を湯煎しつつ、その湯気で蒸し野菜とか肉まんなど、一気に3品4品と同時調理できてしまいます。
熱効率を最大活用できるので、ガス缶の消費も節約できます。
耐熱容器があれば液体状の食材も調理OKに。茶碗蒸しやプリン、卵とベーコン蒸しなども作れてしまいます。
パンも蒸して温めるとモッチモチの食感になるし、冷えたご飯の温め直しにも◎。セブンイレブンの小さな冷凍おつまみシリーズなんかもサイズ的に合いそうです。
実は最初、底の縁が金属製で受け皿が要らず、クッカーとほぼ同サイズの「せいろ」も試したのですが、ちょっとズレると落下しそうで、現行セットに変更。
けれど正直、この穴あき受け皿はやや大きく、ひと回り小さいサイズが欲しいところ。
「せいろ」を3段4段と追加してもいけそうなので、ゆくゆくは同時調理最大数の限界も検証したいし、よりスマートなセットを組むべく、さらなる野望が広がります……
【追記】その後、キャプテンスタッグから直径13cmのアウトドア用せいろ「SHIKA-SEIRO」が発売されていました。
Amazonで購入したせいろ(直径15cm)よりも2cm小さく「ジェットボイルミニモ」の直径にもジャストサイズ。かつプレート&収納メッシュ袋付きなので、せいろの導入を考えている方は、ぜひこちらも参考にしてください
「ジェットボイルミニモ」の熱効率を「せいろ」によって最大化するアイディア、お見事!
シングルバーナー1つで複数同時調理できるから、熱効率だけでなく時間効率もアップ。ぜひ真似してみたい方法ですね。
キャプテンスタッグ SHIKA-SEIRO
サイズ | 13 x 13 x 14 cm |
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重さ | 0.4キロ |
ベストギアのさらなる活用に、はてなき夢は膨らむ…。
ロングセラーなシュラフからノーブランドの「せいろ」まで、2024年のベストギアたちも、実にバリエーションに富んでいましたね。
そして、お気づきでしょうか? ベストギアと紹介しつつも、ほぼ全員がさらなる活用&工夫の余地を見出しているのを……。
目先のお悩みが解決したらそこで完結ではなく、自分なりのアイディアで新たな活用法を考案するもまた醍醐味。あなたも、はてなきギア夢想を楽しんでみませんか?