アイヌ文化とリンクする?アウトドアのあれこれ
燃えやすい樹木「チキサニ(ハルニレ)」
まずはキャンプに欠かせない「火」について話を聞いてみました。暖を取ったり灯りを得たりと、多くのキャンパーが活用している焚き火。アイヌの文化ではどのような役割があるのでしょうか?
ウポポイの一角には、かやぶきのチセ(家屋)があり、体験プログラム「コタンの樹木案内」では、チキサニ(ハルニレ)などの樹木について、特徴や利用法を学ぶことができます。
チキサニ(ハルニレ)はアイヌに伝わる物語の中で姫として登場します。
チキサニ姫は雷のカムイの子どもを生みます。チキサニの枝先は風当たりが強く子育てが難しいため、子どもに自分の皮で作った着物と、抜くと燃える剣をあげて、カムイの世界で子どもを育ててもらいます。
やがて大きくなったその子は地上に降りてきてアイヌに生活の仕方を教えてくれました。
この物語では、チキサニの皮の繊維で着物を作ることや、燃えること、また植物としての特徴である枝先が細いことも描かれています。
さて、本題のチキサニ(ハルニレ)をくべてもらいましょう。
炭の上に乗せると、すぐにパチパチと音が鳴って燃え始めました。その発火スピードはまるで着火剤。今回は多少乾燥させた状態ではありましたが、数秒で発火し「さすがはアイヌの知恵!」と唸るものがありました。
火のカムイは人のそばにいてあかりを灯し、料理の手助けや、カムイたちへ人間の言葉を伝える役割を果たすもっとも身近なカムイなのだそう。
「チキサニ(ハルニレ)は暮らしに欠かせない火を生み出してくれるカムイである」これは覚えておきたいですね。
自然素材のテント?「クチャ」とは?
次にテントの話を聞いてみましょう。アイヌ文化では、狩猟の際にテントのような狩小屋を建てて、数日間滞在することがあったそうです。
「作り方を知りたい!」と熱望するロッシのため、特別に実際に建てる様子を見せてもらえることに。今回はフィールドチームのお二人でクチャ(狩小屋)作りスタート!
次項の作り方詳細がわかれば、本当にブッシュクラフトでクチャ(狩小屋)が作れそうです。材料さえ手に入れば意外と簡単にできちゃうかも?