材料は実にシンプル!
今回は、スーパーで手軽に手に入る材料を使います。旬の食材を使っていたオハウにならって、季節に合わせて食材をチェンジするのもいいですね。
チェㇷ゚オハウは、鮭を燻製にしたものを使うことも多かったようです。今回はキャンプ用に簡単にアレンジしたため、切り身の鮭を使用します。
まずは、家での下ごしらえから紹介します。
① 野菜を切って、火を通しておく
大根は皮をむき、縦に十字に刃を入れて4等分し、長いいちょう切りにします。じゃがいもは皮をむき、大根と同じサイズに。切った材料を鍋に入れ、かぶるくらいの水を注ぎ火にかけ、沸騰したら3分加熱しザルに上げて冷まします。
② 昆布出汁を取っておく
昆布を約500mlの水に浸けて、保冷。キャンプ前日に水筒などに入れて、出汁を取っておきます。より手軽に作るなら顆粒出汁でもOK。
次に、作り方を紹介していきます。
① 具材を切る
しめじは石づきを取り、ねぎは食べやすい大きさにします。鮭は3〜4等分にカット。② 具材を鍋に入れる
鍋に大根、人参、じゃがいも、しめじと、昆布出汁を昆布ごと入れ、かぶるぐらいの水を加えて火にかけます。
③ チェㇷ゚(魚)を加える
沸騰したら鮭を加え、野菜が柔らかくなるまでコトコト煮ます。
オハウは魚だけでなく、シカやクマの肉などバラエティ豊かな食材を使ってつくられます。また、燻製保存した魚や肉を使うことも多かったようです。
④ 塩と油で味を調える
塩と油で味を整え、ねぎを加え柔らかくなれば完成。
味変は「ギョウジャニンニク」でスパイシーさをプラス
味変したくなったら、アイヌ民族の重要な食糧だった「ギョウジャニンニク」を加えてみましょう。
ギョウジャニンニクはネギ属の多年草で、ニラとニンニクを合わせたような強い香りが特徴。アイヌ民族は、ギョウジャニンニクを天日干しして乾燥させ、保存していたそうです。
他にもある!キャンプで手軽に楽しめるおつまみレシピ
長くて厳しい北海道の冬を乗り越えるために、アイヌの人々は肉や魚、山菜、栽培作物などの食料を保存する方法(知恵)を伝えてきました。せっかくなので、保存食材を使ったアレンジレシピも教えてもらいました!
キャンプでお馴染みの「燻製」はアイヌ文化でも大切なものだった
アイヌの人々は乾燥させて囲炉裏の煙でいぶした、いわゆる「燻製」も保存食としてよくつくっていたそうです。さまざまな食べ物を燻製にして保存しましたが、特に有名なのが「サッチェㇷ゚」(干し鮭)。「鮭とば」と似ていますが、作り方も味も違います。
「サッチェㇷ゚」は、秋から冬にかけて産卵のために川を遡上してきた鮭を採り、開いて内臓を抜いて寒干しします。その後、「チセ(かやぶきの家)」の天井につるし、いろりの煙で2カ月ほどいぶして、うま味を引き出します。こうして奥深い味が作られるのです。
古くは塩は貴重な交易品だったことから、塩をふんだんに使うような保存法をせず、開いて内臓をとったサケを寒干しして保存食ともしていました。
何気なく食べている燻製について、理解が深まりましたか? サッチェㇷ゚は手に入れることが難しいので、今回はスーパーなどで手に入れやすい鮭とばを代用して、簡単おつまみレシピを紹介します!
いつもの鮭とばが早変わり!簡単おつまみレシピ
鮭とばを柔らかく戻して、ラー油を使って貝割れ大根と和えた、簡単おつまみ「鮭とばと貝割れ大根のラー油和え」を紹介します。
① 鮭とばを柔らかくする
シェラカップに鮭とば、水、酢を入れて火にかけます。沸騰したら2分ほど弱火で加熱し、火を止めて15分ほど置いて、柔らかく戻します。
② 鮭とばを和える
水を切った鮭とば、食べやすい大きさに切った貝割れ大根と、Aの調味料で和えれば完成です。