オーナーの満足感を満たしてくれる新型フォレスターのインテリア
インテリアもまた、オーナーの満足感を満たしてくれる仕上がりになっています。インパネの基本デザインはレヴォーグに通じるデザインプロトコルを採用していますが、よりアクティブでSUVらしい力強さを感じる配色、硬質感です。
X-BREAKではエクステリア同様に、レッドオレンジの差し色が入ったステアリングホイール、セレクターレバーノブ、そしてトリム&シートのステッチを採用。前述の通り、アウトドア派に人気のレッドオレンジは、ウェアやアイテムなどと同じヘビーデューティ感を感じることができます。
さらに、シートには撥水性の生地が使われており、スポーティな見た目でテンションを上げてくれるだけでなく、機能的にも道具感十分です。雨や雪、泥などが付いた身体で座ってもシートをサッと拭くことができるのは、まさにアクティブ志向のクルマと言ったところ。
遠いキャンプ場だって気軽に行ける
座ったときのフィーリングも上々です。セミバケット形状のシートは適度に身体をホールドしてくれるので、荒れた林道を駆け抜けたときでも身体が必要以上に動くことはありませんでした。クッションも適度な硬さなので、長距離ドライブでも快適に移動することができるのではないでしょうか。
悪路で走破性の高さを実感……新世代のスバル車を象徴する「e-BOXER」
新型フォレスターには、2リッター水平対向エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e-BOXER」と、1.8リッター水平対向直噴ターボエンジンがラインナップされています。
1.8リッター水平対向直噴ターボエンジンは、走る愉しさはもちろんのこと、リーン燃焼によって環境にも配慮できるパワーユニットです。低回転域から高トルクを発生させるため、気持ちが高揚したときはドライバーの気持ちに忠実に答えてくれます。
悪路で実感できる、優れた走破性
そして今回試乗したe-BOXERは、新世代のスバル車を象徴するこのパワーユニットです。アクセル踏んだ瞬間からトルクがマックスで発生するモーターの特性が活かされており、曲がりくねった上りの山道でもエンジンとモーターの二頭立てで引っ張ってくれるため、エンジンの回転数を意識することなくドライブできました。そして悪路では、e-BOXERの良さをさらに感じられます。
林道など路面状況が悪い道では、中低速のトルクをいかにキープするかが重要になります。1.8リッターエンジンも最大トルクの発生回転域が広く、多様な走行シーンで扱いやすいフラットトルクタイプにセッティングされていますが、優れた環境性能・燃費性能、オンロードでのシャープな走り、そしてオフロードでの親和性の3拍子が揃っているのはe-BOXERだと感じました。
1.8リッター水平対向直噴ターボエンジンはトルクフルでレスポンスが良く、ドライバーの気持ちに応えるパワーユニット。e-BOXERは電動技術の環境性能と、素早く立ち上がるモーターの特性を組み合わせ、オンロードでの爽快な走り、そしてオフロードでも力強く走る、新感覚な走りを実現……と、それぞれの違った魅力を持っています。
走破性向上と心の切り替え効果も……スバルの伝家の宝刀「X-MODE」
悪路走破性という点で言えば、スバルの伝家の宝刀である「X-MODE」を忘れられません。X-MODEは、フォレスターの四輪駆動システムにおいて悪路走破性を高めるための電子デバイスです。「スノー/ダート」と「ディープスノー/マッド」の2モードを備え、センターコンソールにあるダイヤルを回すことで、路面状況に適したエンジン出力や駆動トルクを自動で制御してくれます。
オンロードではノーマルモードにしておき、路面が雪道やダートになったらダイヤルを左に、深雪や泥濘路になったら右に回せばOK。もしスタックをしてしまった場合でも、トラクションコントロールやe-BOXERのモーターなどと連係してイージーな脱出をサポートしてくれます。
X-MODEは簡単かつ直感的に操作できることが身上ですが、滑りやすい下りの急坂でも安全にドライブできる支援システム「ヒルディセントコントロール」を内包していることも特徴です。坂に入る前にスイッチをONにしなくても、2モードのいずれかに入っていれば、自動的に車速、駆動トルクの制御を行ってくれます。つまりスイッチの操作忘れをなくしてくれるわけです。
常時全輪駆動であるシンメトリカルAWDを搭載したフォレスターはノーマルモードでも優れた悪路走破性を持っていますが、X-MODEに入れることで「これからオフロードを走るぞ!」という気持ちを昂らせてくれますし、X-MODEのように特別なモードを備えたクルマを所有しているという満足感も満たしてくれるのではないでしょうか。
狭い日本の林道でも活躍するフォレスターの素性の良さ
ダートやマッディな林道を走っていると感じられるのは、やはりフォレスターの素性の良さです。日本の林道は狭くて荒れた道が多いのですが、ミドルサイズながら大きさを感じずに楽にドライブできるのは、車両感覚が把握しやすいボディ形状や大きめの前輪舵角、そして十分なロードクリアランスゆえでしょう。
エンジン、駆動系がシンメトリーに配置され、かつ低重心に設計されていることにより、スリッピーな路面でも運転しやすく、リカバリーが容易です。滑りやすい路面のヒルクライムでも前輪の駆動力が希薄になってしまって失速するということがなかったのは、前後輪50:50という荷重バランスによるものだと思います。
また、これもよくあることですが、日本の林道では転回も非常にやっかいです。道幅が狭いゆえに、前後に立ち木や岩、崖が待ち受けるからです。
今回試乗したフォレスターにはカメラとダッシュボードのモニターにより、前後・左サイド下の様子を可視化するシステムが付いていたので、この装備があれば一人で林道に入った場合でも安心だと思いました。さらに、前方はアイサイトのステレオカメラ、後方はセンサーによってによって障害物への接近を知らせてくれ、近づき過ぎると自動でブレーキを利かせてくれるのには感動しました。
今回は残念ながら十分に体験できませんでしたが、フォレスターには様々なシーンでの安全をサポートしてくれる「新世代アイサイト」が標準装備されており、レジャーに行くときには心強い存在です。
「新世代アイサイト」は従来の物よりもステレオカメラの視野角が広がり、交差点での巻き込み事故を防ぐなど、実際のドライブシーンでよく起こりがちな事象を防ぐ実用的な機能がさらに進化しています。
そして、多様な機能の中でも特にオーナーにとって嬉しいのは「全車速追従機能付きクルーズコントロール」ではないでしょうか。心地よく疲れたキャンプ帰りの身体でも、愛車に運転のサポートをしてもらいながら安全・快適に自動車専用道路を走行できるからです。ヒヤリハットや事故の際のダメージを低減してくれるのも、安心材料のひとつではないでしょうか。
フォレスターはライフスタイルの相棒として長く付き合いたいクルマ
今回、1泊2日のソロキャンプに新型フォレスターを使いましたが、短い付き合いにも関わらず“頼もしさ”や“愛おしさ”を感じてしまいました。よくできたSUVは国内外に色々ありますが、相棒として長く付き合いたいなと思わせるクルマは、正直稀です。
こうした気持ちになれるのは、やはりスバルというこだわりのあるメーカーが造ったからなのかもしれません。
スバルは初代「レオーネ」以来、常に四輪駆動システムによる悪路走破性と実用性を追求してきました。その技術は洗練され、そして進化することでX-MODEへと昇華しましたが、DNAとして受け継がれた“プロフェッショナルのための道具”という部分はしっかりと受け継がれている気がします。
秀逸なアウトドアアイテムがプロユースを意識しているのと同じで、フォレスターもまた本物の道具感が魅力の根底にあるのではないでしょうか。
北米では、SUVの屋根にルーフテントを載せて当てもなくさまよい、好きな場所で寝泊まりする「オーバーランド」という旅のスタイルがトレンドとなっています。そのライフスタイルを支えるクルマは「オーバーランダー」と呼ばれ、そのベース車両としてもフォレスターが人気となっています。
日本でも形こそ異なれど、より自由でアクティブなアウトドアスタイルが広がっています。乗ったときから世界が広がる新型フォレスターで、ぜひあなたのライフスタイルを変えてみてほしいと思います。
Text:山﨑友貴
Photo:土屋勇人
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