新型フォレスターのエクステリアはボリューミーかつソリッドなフォルムに進化
さて、新しいフォレスターが目の前に運ばれてきたときに感じたのは、写真で見るよりもボリューミーでソリッドなフォルムだということでした。
CMなどで使われているフォレスターのイメージカラーはクリスタルホワイト・パールですが、今回試乗した車両がマグネタイトグレー・メタリックだったことも影響しているかもしれません。しかし、2次元で見るよりもフロント回りの造形に迫力があります。
より“アメリカ顔”になったデザイン
新型フォレスターには、「レヴォーグ」から導入されたデザインコンセプト「BOLDER」が取り入れられました。ヘキサゴングリルはより大型化させたことに対し、ヘッドライトは小型化を実施。それと同時に、複数のLEDを照射するアレイ式アダプティブドライビングビームに変更されています。
現在SUV市場で人気のデザイン、いわゆる“アメリカ顔”になった印象です。デイライトを点灯させると実に凜々しい表情になります。よりアクティブ、よりアグレッシブな印象を纏ったことで、アウトドアを嗜好するユーザーにはさらに魅力的に映るのではないでしょうか。
アウトドア派の冒険心をくすぐるグレード「X-BREAK」
今回試乗したのは、「X-BREAK」というアウトドア派を意識したグレード。エクステリアには随所にレッドオレンジのアクセントカラーを取り入れており、併せてカーボンルックのパーツが各所に装着されています。
こうした視覚的な演出は、道具好きのアウトドア派の心をくすぐることは間違いありません。昨今、アウトドア用ウェアや時計などのアイテムに、野外で目立つレスキューカラーのオレンジが使われていることが多いからです。
「X-BREAK」専用デザインのスポークタイプアルミホイールには、17インチのオールシーズンタイヤが組み合わされているのも魅力のひとつです。フォレスターのAWD(4WD)との組み合わせで、多様な路面状況でも安心して走ることができるのは、ユーザーのアクティブなライフスタイルを十二分にサポートしてくれるでしょう。
特に突然の雪でも臆せずに前に進めることはオールシーズンタイヤの大きなメリットでもあり、SUVを所有した満足感を増幅してくれるはずです。
道具としても優秀!大容量のラゲッジスペースに撥水カーゴフロア
道具としてフォレスターを見ても、実に優秀です。アウトドアレジャーを楽しむ場合、やはり重要になるのが積載能力です。
まず今回試乗したフォレスターのリアゲートは電動式(メーカーオプション)なので、ボタンをひと押しするだけで開け閉めでき、手に荷物を持っているような状況でもイージーな操作が可能です。そしてリアゲートを開けると目に飛び込んでくるのは、スクエアで広いラゲッジスペース。
500リットル超えの大容量ラゲッジスペース
リアシートを使った状態でも509リットル(VDA法計測)もの容量を確保しており、しかもタイヤハウスなどのデッドスペースがありません。これなら、四角いモノが多いキャンプ用品もきれいにパッケージングして、たくさん載せることができます。
今回、僕のソロキャンプ用の装備を載せてみましたが、ラゲッジスペースの半分も使いませんでした。その様子は下記動画で御覧ください。
スイッチ操作ひとつでリアシート
そして、リアシートをフラットにすればさらに大容量のラゲッジスペースを確保できます。ちなみにリアシートを倒すためには、ラゲッジスペースにあるスイッチ操作ひとつでOK。わざわざセカンドシートのドアを開けてシートを倒す……という面倒さがありません。
さらにX-BREAKのラゲッジスペースには、同グレードならではの特徴があります。それが「撥水カーゴフロアボード」です。他のグレードではラゲッジルーム床面とリアシートバックにトリムが張られていますが、X-BREAKは樹脂製のボードが採用されています。
アウトドア派に嬉しい、洗える撥水カーゴフロアボード
アウトドアで使うアイテムは汚れたり濡れたりすることが多いのですが、このボードなら汚れた荷物でも気兼ねがなくそのまま積むことができます。使用後には水で洗ったり、水拭きもできるので、掃除もラク。
また、特に気に入ったのは撥水カーゴフロアボードの表面処理です。撥水性のあるこの手の樹脂ボードの上に荷物を積んでいくと、山道などでは滑って物が右往左往してしまうことがあります。
しかし、フォレスターX-BREAKの撥水カーゴフロアボードにはディンプル加工が施されているので、コンテナボックスや金属でできたモノでもしっかりとグリップしてくれます。ですから、ワインディングロードでも荷物が動いて気になるというシーンが、ほぼありませんでした。
昨今、山中でソロキャンプをする場合は獣害を避けるために就寝は車内で……というユーザーが増えています。広々としたラゲッジスペースが確保されているフォレスターなら、車中泊も快適。リアシートを倒したとき、床面は車両前方向がわずかに上がる程度で、ほぼ平ら。キャンプマットを敷いて、前方に頭を向けて寝たら、大人2人でも十分快適に寝られると思います。