縄文人のことを考えるのが好きです。 #OUTDOOR 井浦新による、自然との共生
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俳優やブランドディレクターとして活躍する井浦新氏。次なる挑戦は、自然環境に配慮した石けんシャンプー「Kruhi」でした。井浦新氏の自然に対する姿勢とは? なぜこのタイミングでシャンプーを? インタビューから、井浦新氏の新たな一面が見えてきました。

CONTENTS1 髪の悩みに重なった、自然環境への想い

独特な自然観を持つ、「アウトドアな人」井浦 新

- 東京出身ながら幼い頃から自然への想いが強かった?

ぼくは西東京のいわゆる多摩丘陵と呼ばれるところで生まれ育ちました。ですので東京出身といってもビルが立ち並ぶ都会ではなく、山や川に囲まれたかなりスローな時間が流れる場所でしたね。なので子どもの頃から自然の中で遊び、学んできました。そういうところがいまのアウトドアが好きというところに大きく影響していて、自らの自然観の形成に繋がっていると思います。

- 井浦 新さんの自然観とは?

キーワードとして“縄文”という言葉があります。縄文人たちが何を考えどのような行動をとっていたのか。そのことに思いを馳せるのが好きで、フィールドに入っていくひとつの理由となっています。でもぼくは決して行き過ぎた懐古主義ってワケではなくて(笑)、やはり基本的に都市生活が軸にあります。

- 今回発売されたシャンプーも都市生活には欠かせないものですね

その通りです。発端は、家の中から発見された“悩み”からでした。お風呂場に家族それぞれが使うシャンプーボトルが溢れかえっていて。性別や年齢、体質によってその人に合うものが違うのは仕方ないことですが、あまりにも……な状態だった。そこから興味が湧き出し、調べれば調べるほど自分達が納得するものがなく、それなら作ってしまおうかと。

- シャンプーを作ろうという意志が、どうして環境保全のアプローチに?

環境に負荷がなく、みんなに合ったシャンプーを作るというのがそもそものスタートラインで、“環境への配慮”と“シャンプーを作る”という、いわば二本軸でした。シャンプーは基本的には毎日使うものです。人間は存在するだけで自然環境へ負荷を掛けており、文明の発展した現代ではその一人ひとりが掛ける負荷は、相当高いものになっています。そういう想いが常々あって、作るなら環境への負担にはならないものが絶対条件だったのです。

自然の中で生まれ育ち、街の生活での新鮮な体験に魅せられ、中立的にその両面を見てきました。そんな自分にだからできることを最大限に活かした結果がKruhiに繋がったと思うのですよね。

CONTENTS2 Kruhiという“石けん”シャンプーの必然性

石けんシャンプーを選んだ理由

- 一般に石けんシャンプーは避けられるイメージがあります

仰る通りです。その最大の理由は、洗った時のキシミです。指通りのいいサラサラヘアが良しとされる中、このキシミはまるで逆行。なのでKruhiは、できる限りキシミを抑えました。そもそも一般的なシャンプーが髪のテクスチャーをよくしてくれるのは、成分に石油由来のものが含まれているからです。ただ石油由来の成分は環境に流れ出ると負荷が高く、本来必要のないものだとぼくは考えています。

また石けんシャンプーは、洗浄力が穏やかで、継続的に使うことで髪質や頭皮環境の改善も望めます。地球に優しいモノが人に優しくないワケがない。そういう信念を持って石けんシャンプーを作りました。

- 環境負荷を減らす目標としてSDGsが浸透してきていますが、製造の過程で意識しましたか?

それは正直なかったです。というのもSDGsの17項目を具体的な目標にせずとも、同じベクトルでモノづくりをすれば、結果として付いてくると分かっていたからです。現にKruhiが出来上がってから、答え合わせ的に付き合わせてみると、多くの項目に当てハマっていました。

- Kruhiが独自にうたう“10のフリー処方”とは?

先ほど述べた石油由来成分の除去も10のフリー処方に含まれています。Kruhiを生み出す過程で意識的に省いたものを明記したら10項目ありました。そうすることで生まれた100%自然由来のシャンプーは自然環境に流れでたとしても1週間で98.9%が自然のバクテリアなどによって分解されるものとなります。

- それはアウトドアシーンとの相性もよさそうですね

そこは特にうたっていないのですが、正直“気づいてほしいな”って思っているところです(笑)。現にKruhiが出店したイベントでお話しさせてもらった山小屋のオーナーさんが、買っていってくれたことはすごく嬉しかった。自然に還るKruhiが認められた!って思った瞬間でしたね。

- 最後に、自然と都市のあり方を環境保全という観点からみてきた井浦 新さんがKruhiを作ってみて一番印象的だったことはありますか?

Kruhiを作って後から知ったことなのですが、日本の石けんの発祥は縄文時代で、ムクロジの実から水に溶け出した成分を泡立てて、汚れ落としに使ったのが始まりと言われています。これを聞いた時に、“繋がった!と感動を覚えましたね。自分が自然に入った時に見つめてきたものと、自分が作りたいもの。その二つの繋がりに気付いたとき、Kruhiを作るのは必然だったのかもしれない、そう思いましたね。

今後の展開は?ってよく聞かれるのですが、じゃあ次はボディーソープを作ろうか、などというアプローチは考えていなくて。純粋に自分が探しても世の中に見当たらないものが出てきたら作ろう、という気持ちでいます。次回の製品はいつになるかわかりませんが、まずはこのシャンプーを手に取ってもらって、環境へのこととかに注目してもらえたらいいですね。

  • Kruhiボタニカル石けんシャンプー¥4,650
  • Kruhiボタニカルトリートメント¥5,320
  • ポンプディフューザー¥150
  • Kruhiボタニカル石けんシャンプー&トリートメント スターターセット
    (ポンプ2本付き)
    ¥9,970

無駄を削ぎ落としインダストリアルな雰囲気を見せる、リサイクルアルミニウムボトルがアイコニックなKruhi。自然由来100%のシャンプーとトリートメントは、九州の最南端鹿児島県南大隅町の工場で作られ、香りには農業廃棄物として廃棄処分される規格外フルーツであるパッションフルーツやタンカンがアップサイクルされている。石けんシャンプーで洗髪すると、髪質が弱アルカリ性に傾きキシミが発生。それをケアし、髪質を中性~弱酸性に戻す働きを備えた石けんシャンプー専用トリートメントも開発。こちらは必ずしも洗い流す必要がなく、アウトバスでも使用可。

https://kruhi.jp

INTERVIEWE PROFILE

井浦 新さん

1974年9月15日 東京都生まれ。

映画「ワンダフルライフ」(98/是枝裕和監督)に初主演。以降、映画を中⼼にドラマ、ナレーションなど幅広く活動。アパレルブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」のディレクターを務めている。近年は、「MINI THEATER PARK」の活動や、映画館のない地域へ映画を届ける『井浦新 自選映画上映会』などを主催。
環境にも人にも優しい自然由来のヘアケアブランド〈Kruhi〉を今秋ローンチ。