食料危機から救うプロジェクトです! #OUTDOOR KEENって、SDGs先進企業なこと知ってました?
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アウトドア・フットウェアカテゴリーを牽引してきたKEEN。斬新な物作りはもちろんのこと、フジロックなど音楽イベントへも積極的に協賛しているアウトドアブランドですが、じつは創業時より今でもなお続けている軸があるんです。それは「環境保全」。多角的に環境保全に取り組んできたKEENですが、今回は環境に配慮した技術を独自に研究してきたウラの顔、いや、ある意味オモテの顔の一部をお届けします。

CONTENTS1 「KEEN」って何者?CONTENTS1 「KEEN」って何者?

CREATIVE EXPERIENCEEXPERIENCE SUBSTAINABLE

多様な顔を持つKEEN

2003年にいまなおアイコンとして鎮座する「ニューポート」を発表するとすぐに大ヒットを記録し、KEENは一躍アウトドアのトップブランドへと成長しました。オレゴン州ポートランドに本拠を構え、エポックメイキングなシューズを変わることなくリリースする一方、フェスに協賛したり、イベントを企画したりと、外遊び全般を通して自社のスタンスやスタイルを発信。そのなかで気がつくのは、社会貢献や環境保全といったサステナブルなコンテンツが非常に充実しているということであり、これはKEENというブランドを深く理解する上で欠かすことのできない要素となっています。

CONTENTS2 サステナブルな取り組み「PFASフリー」CONTENTS2 サステナブルな取り組み「PFASフリー」

PFASへの依存問題

KEENが取り組む環境保全活動の中でも一際目立っているのが“PFASフリー”という項目です。PFAS(ピーファス)とはフッ素化合物のことで、アウトドアウェアに欠かすことのできない耐久性撥水(DWR)を担保してくれる人工化学物質のこと。こと撥水性、撥油性に対するパフォーマンスが優れており、DWR製品は長年PFASによる加工に依存せざるを得ない状況が続いていました。

有毒性もあるPFAS

PFASは非常に有能な化学物質であり、DWR製品作りに欠かせないものですが、現在、多くのアウトドアブランドがそこからの脱却を計っています。というのもPFAS(=フッ素化合物)は一度自然環境に漏出すると分解には数千から数万年かかるとされ、それはすなわち生分解されることのない成分であり環境汚染として蓄積され続けるからです。さらには昨今、人体への蓄積による有毒性も指摘されています。しかしながら、いまなおPFASフリーに代替する満点の技術は確立されていないのが実情であり、そのためアウトドアブランドは機能性と環境保全の綱引きという苦悩の中で、日夜、製品開発を行っているというワケです。

PFASフリーとKEEN

そんな中、PFASフリーを業界内でもかなり早い段階から打ち出し、推進してきたブランドこそ、他でもなくKEENでした。その取り組みは2014年、サプライチェーンからPFASの積極除去から始まり、2018年には「PFASフリー」と宣言できるまでに。特徴としては、PFASフリーを製品や製品箱などに表記していないこと。そもそも世界的な基準がいまだにない“PFASフリー”。当然、共通ラベルなども存在しません。しかしそういった表示をすることによるポーズ自体が、KEENには無用なことなのです。

PFASフリーの製造技術公開のワケ

KEENはPFASフリーの技術を公開しています。前述の通りPFASフリーの代替技術は確立されていません。ですので、もしメーカーがその代替技術を開発、運用したとなれば、それは通常であればブランドの大きな強みとなりうることです。しかしKEENはその代替技術として、Rudolfと3Mという2つの大手化学メーカーからフッ素系化学物質を含まない安全で効果的なDWR(耐久性撥水)処理剤を「グリーン・オルタナティブ」として調達し、そしてその製品化技術をすべて公開しています。それは偏に環境に対する公益性を阻害したくないという創業者の想いであり、地球環境に有意義な情報を“地球の仲間たち”と共有することは当たり前のことだと考えているからです。

CONTENTS3 産業廃棄物の削減「HARVESTコレクション」CONTENTS3 産業廃棄物の削減「HARVESTコレクション」

ベールを脱いだHARVESTコレクションとは?

PFASフリー以外にも環境保全に向けた取り組みとして、KEENは新たな動きを見せています。それが「HARVESTコレクション」。コルクやコーヒーを淹れた後のかす、車のレザーシート生産時に発生する端材など、産業廃棄物として処理されるかもしれなかったものをアップサイクルし、シューズやサンダルの素材として採用した製品が今年の春にローンチされました。このHARVESTコレクションは、石油化学製品やヴァージンマテリアルの使用の削減と、廃棄物自体の削減といった二重の削減効果による、温室効果ガスの抑制を期するシリーズとなっているのです。

CONTENTS4 フットウェアのおすすめモデル2種CONTENTS4 フットウェアのおすすめモデル2種

PFAS FREE
[TARGHEE II WP]

防水ヌバックレザーとメッシュ素材のコンビネーションアッパーの多目的ハイキングシューズ。アッパーには環境認証団体LWG(レザーワーキンググループ)の認証を受けた皮革を採用。LWGの厳しい基準は、化学物質や廃棄物の管理やエネルギー消費、二酸化炭素排出と多岐に渡り、汚水は工場内で処理し再利用されています。メッシュにはリサイクルPET素材を採用し、フットベッドにはプロバイオティックスを採用したケミカルフリーの防臭加工を施しています。

HARVEST COLLECTION
[ELDON HARVEST SLIP-ON LEATHER]

スリップオンシューズもよりエシカルに進化。LWG認証の工場で製造される車のレザーシート生産時に発生する端材をアッパーにアップサイクル。フットベッドにはコーヒーを淹れる際に発生するコーヒーかす、ソールユニットには農業廃棄物の殻・葉・茎を配合した植物由来成分を配合。アップサイクルには、石油化学製品やヴァージン素材の使用を削減するだけでなく、二酸化炭素の28〜36倍の温室効果を引き起こすというメタン発生の削減にもつながっている。

CONTENTS5 今後注目したい「TPR素材」CONTENTS5 今後注目したい「TPR素材」

ここまで具体的な製品を交えて、KEENの環境に対する取り組みを紹介して参りましたが、最後に次の一手を占う新素材についてもチラッとご紹介。それが2023年の春夏シーズンから本格運用が予定されているTPR素材です。このTPRとは「サーモプラスチックラバー」のことで、現在使用するゴム素材と同等かそれ以上の機能性をもちながら、熱に溶ける素材であるため非常に再利用しやすいという利点があります。PFASフリー同様に、KEENの靴はいずれ環境への負荷がより少ないこのTPR素材への置換が進むことでしょう。

INTERVIEWE PROFILE

井上泰子さん

KEEN EFFECT Lead Specialist

KEENの社会貢献・環境保護活動であるKEEN EFFECT担当として、災害支援、自然保護活動、子どもの支援、気候危機、社会正義への取り組みなどを行うNPOとの連動やプロジェクト企画を担う。KEENが最も大切とするのは、「自分たちが正しいと思ったこと」を皆さんと一緒にアクションし、実現していくこと。KEEN公式YouTubeやポットキャストで配信中のソーシャルグッドを発信する番組「Feel Good TV」ではNPOの活動を発信し、団体の応援やボランティア活動などの参加を促している。KEEN EFFECT活動を通じて各地域の自然に触れ合う時が、なによりも心癒されるひととき。