outdoor guild
「muraco」が起こした
デザイン革命のウラ側

父親から受け継いだ社長業。
あるのは金属の切削加工ができる工場と従業員。
始めたのは、アウトドアブランドmuracoだった。
悪戦苦闘を続けながらも出来上がった
ポールやテント、焚き火台は、
今までにないデザインとセンセーショナルな
イメージを世に植え付けてきた。
今では工場内は最新鋭の工作機械が
日夜稼働し、新作ギアを次々と生み出している。
工場取材から新作ギア、
そして村上社長へのインタビューを敢行した。

1974年創業の株式会社シンワが母体となっているmuraco。狭山市に自社工場を構え、日夜製品を作り続けている

muracoの商品だけでなく一部
他社商品も陳列されたショップも
併設されている

得意の金属切削加工。
最新鋭の設備により
効率的な生産を可能にした

プログラミングされた機器で全自動での
生産が可能となり、
焚き火台のパーツは
1日の生産量が倍増した

スマッシュヒットを記録した
SATELLITE FIRE BASEは
ここ狭山で製造されている。
組み立ては、パーツ製造と
打って変わって
一つ一つ丁寧に手作業だ。

NEW焚き火台
『STAR TORCH FIFTY』
デザイン秘話

プロユーザーや法人向けに受注生産という形で
販売している
火床高さ120cmもある大型焚き火台
STAR TORCH(スタートーチ)。
これを一般キャンパー向けに作ったのが、
この度新発売されるSTAR TORCH FIFTYだ。
火床の高さが50cmになっていることで芝を焦げにくく
させている(焚き火シートを敷くことを推奨)。
もともと焚き火マイスターの猪野氏に星型
の焚き火台の制作を依頼されたことに始まる。

自社の強みである金属の切削加工により
斜めに固定できるリングが誕生

ポールの製造技術、
そしてSATELLITE FIRE BASEの
火床をひっかける機能を組み合わせて
STAR TORCHは出来上がった

設備投資で、
デザインの幅が
広がった

近年積極的に行っている設備投資により
切削加工で出来る幅が広くなったことで誕生
したのがSTAR TORCHシリーズ。
今までは垂直にしか切削できなかったが、
今年導入した新たな機器によりあらゆる
角度から切削できる様になったことでデザ
インの幅が広がったのだ。
お次に、社長である村上氏に話を伺い、ブラ
ンドのコンセプトから異端と言えるデザイン
の秘密について伺っていこう。

PROFILE

株式会社シンワ代表取締役社長・村上卓也

金属加工会社の二代目として父親から受け継ぎ、
2018年にアウトドアブランド「muraco」を創業。
自身もデザイナーとしてmuracoの新製品開発に携わる。

協力会社あっての
muraco

ー アウトドア企業には、自然体験をサポートするよう
なブランドコンセプトを掲げる企業が多い中、「クラ
フトマンシップ」としているのが印象的でした。
このワケは?

自然体験の文脈はもちろんアウトドア製品を作ってい
るので意識はしていますが、どちらかというと新参者の
自分たちがそれを第一に謳うのっておこがましいなと
思っちゃって。一方、我々は創業以来、現在も、金属切削
加工しか出来ません。
それでもアウトドア総合ブランドを目指す上で、様々
な技術やノウハウを持った協力工場との連携が欠かせません。
それら多くの協力工場との連携自体がmuracoを運営
していると捉えているため、「outdoor guild」を掲げ
ています。

ノトーンの配色は、
然だった!?

ー モノトーンの配色が印象的です。
このデザインの方向性に至った経緯は?

製作を始めたのはじつは2015年頃からなんですが、
テントの
サンプルにはカラフルなイエローやレッドで
トライしていました。
しかしどれもあまりパッとした
印象を持てず悩んでいる時に、地
元狭山には、入間基
地があるという背景から、ミリタリーを感じ
る配色
やデザインをしようと思いついたんです。
そして出来上がったサンプルの写真を送ってもらいそ
れを開くと、
本当はディープオリーブなはずだったの
ですが真っ黒に見えたんで
すよね。
その時初めて「かっこいい!」と感じたというのがモノ
トーン
の配色の始まりです。デザインについては、
1900年初頭にあった総
合芸術教育機関である「バウ
ハウス」が好きで、その影響は受けてい
ると思います。
手仕事だけの時代から工業の機械化が進んだ時代。
バウハウスのデザイン、そしてその時代背景も合わせ
て好きなんです。

モノトーンの配色は、
偶然だった!?

ー モノトーンの配色が印象的です。
このデザインの方向性に至った経緯は?

製作を始めたのはじつは2015年頃からなんですが、
テントのサンプルにはカラフルなイエローやレッドで
トライしていました。しかしどれもあまりパッとした
印象を持てず悩んでいる時に、地元狭山には、入間基
地があるという背景から、ミリタリーを感じる配色
やデザインをしようと思いついたんです。
そして出来上がったサンプルの写真を送ってもらいそ
れを開くと、本当はディープオリーブなはずだったの
ですが真っ黒に見えたんですよね。
その時初めて「かっこいい!」と感じたというのがモノ
トーンの配色の始まりです。デザインについては、
1900年初頭にあった総合芸術教育機関である「バウ
ハウス」が好きで、その影響は受けていると思います。
手仕事だけの時代から工業の機械化が進んだ時代。
バウハウスのデザイン、そしてその時代背景も合わせ
て好きなんです。

私たちは、キャンプの総合ブランドに
なると予てから発信していたのですが、
ようやく準備が整ってきました。
2022年の夏から3年間は、
ファニーチャーからクッカー、シュラフまで
今までできていなかったカテゴリーの
新製品をリリースしていく予定です。
ぜひこれからのmuracoに、
より注目してください。

取材先
株式会社シンワ
埼玉県狭山市根岸649-7
問い合わせ先:0120-351-665

EDIT&WRITER:
NORIMICHI HAMAMATSU(CAMP HACK)
PHOTOGRAPHER:KENICHI KUROSAKI

CAMP HACK