食料危機から救うプロジェクトです!食料危機から救うプロジェクトです! vol3 #FOOD パタゴニアの“食への挑戦”。コットン革命を、食の世界でも
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国連食糧農業機関(FAO)が発表した世界の食に関する資料によると、60年後に世界は食糧危機に陥ることがほぼ確実であることが発表されています。その事実を重く受け止め、解決にいち早く乗り出したのが、アウトドア企業のパタゴニア。なぜあのパタゴニアが食の領域に乗り出しているのか? パタゴニアが目指す目標とは? パタゴニアの食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」の大野氏に話を伺いました。

プロビジョンズ製品
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CONTENTS1 服は5年に一度、食は1日に三度

PROFILE

パタゴニア プロビジョンズの美味しさや環境ストーリーを広めるために日々奮闘中。自宅のある神奈川県湯河原町にて年間30種の野菜を栽培している。

不耕起栽培を楽しんでいます♪ provisions

60年後の食糧危機を防ぐために

プロビジョンズは、現在の工業的農水産業(生産効率がいい反面、土壌が劣化しやすく、海の生物多様性に影響を与える側面がある)の仕組みを変え、地球を枯渇させることなく長期的な未来を描ける食ビジネスを展開することを使命としています。

例えば、現在数種類のビールをラインナップしていますが、これには“多年生”のカーンザという穀物を使用しています。通常の農業では収穫しては新たな苗を植える一年生穀物が主流で、この方法だと毎年耕す必要があり、本来の土が劣化してしまうのです。カーンザは長い根と多年生によりこの問題を解消してくれます。また、この後に調理で出てくるサバは、釣り針と糸のみを使用するため、大量に捕獲されたり、意図しない魚類を捕獲することも避けられます。こうすることで、乱獲をなくし生態系を維持することができるのです。

衣服と同じく、食でも意識の変革が必要

衣服と同じく、食でも意識の変革が必要

オーガニックコットンという言葉が日常的になってきた昨今ですが、パタゴニアでは1996年よりこの事業をスタートさせています。アウトドア用のジャケットを5年か10年に一度しか買わない人も、食事は多くの方が1日に三度摂取します。ですから食に関する改革は、地球に与えるダメージを軽減するのに早急に行わなくてはなりません。パタゴニアがオーガニックコットン事業をスタートさせ周囲が共感してくれたように、食についても我々が先駆者となって業界に変革をもたらす必要があると感じています。そのためには、少しずつ一人ひとりの意識を変える必要があるのです。これはどうやって収穫された野菜だろう?どのような方法で捕獲された魚なのだろう?というように。工業的農業に頼ることのない、将来を見据えたビジネスを農家も他の事業者も行うようになれば、60年が経っても安定した食糧は摂れるはずです。

それでは、パタゴニア鎌倉店スタッフの尾野村よりプロビジョンズ製品を使用したレシピを2つご紹介いたします。プロビジョンズ製品と鎌倉の地元野菜などで調理しておりますので、ぜひご参考になさってください。

CONTENTS2 さらに美味しくするアイデア

  • レシピは鎌倉店スタッフの尾野村が担当します! 尾野村さん
  • サバのカマンベールチーズ煮込み

    缶には保存料の代わりとなるオリーブオイルが含まれていて、それも丸ごと使えるようになっています。また、下味もしっかりしているため、追加でかける味付けも必要ないぐらいです。缶のオイルを余すことなく使うのがおいしさの秘訣です。

サバのカマンベールチーズ煮込み
  • 材料(2人前)

    ・サントーニャ・サバ・オリーブオイル漬 ローストガーリック……1缶
    ・カマンベールチーズ……ホール1個
    ・ブラックペッパー……適宜
    ・バケット……適宜
    ・オリーブ……適宜

  • ポイントはチーズを焦がさないこと! 尾野村さん

調理方法

1. 4等分に切り込みを入れたホールのカマンベールチーズをシェラカップに入れ、さらにそこへ缶のオイルを加えて、バーナーで温める
2. カマンベールチーズが溶けてきたら、サバをのせてさら煮込む
3. ブラックペッパーをかけ、全体をかき混ぜる

サントーニャ・サバ・オリーブオイル漬 ローストガーリック豆知識

こちらの缶詰めは、食物連鎖の下層に位置するサバを使うことで、大型魚に蓄積される水銀やその他の有害物質の摂取を避けることもできるのが特徴。また、乱獲をほぼせずに必要なだけ捕獲する昔ながらの漁法を用いているのもこだわりです。さらに、サバのオリーブオイル漬にニンニクの旨味を加えており、単体でも美味しく作られています。

  • 夏野菜とアンチョビのパスタ

    塩コショウがなくても、缶の中のオリーブオイルだけで十分旨味があり美味しく食べられます。野菜はプロビジョンズで使う食材に合わせて、ぜひ有機野菜など、環境に配慮されたものを使ってみてください。

夏野菜とアンチョビのパスタ
  • 材料(2人前)

    ・スパニッシュ・ホワイト・アンチョビ レモンオリーブ……1缶
    ・夏野菜(トマト、パプリカ、キャベツなど)……適宜
    ・パスタ麺……150g

  • これは個人的に優勝レシピです! 尾野村さん

調理方法

1. 深型のクッカーにバーナーで沸騰させた水にパスタを加えて茹でる
2. パスタを茹でている間に野菜をひと口サイズにカットする
3. カットした野菜を炒める。油は缶に入っているオリーブオイルを使う
4. すべての野菜がしんなりしたら、アンチョビを加えて温める
5.火を止めて、具材にパスタを加えて、全体を和えたら完成

スパニッシュ・ホワイト・アンチョビ レモンオリーブ豆知識

イワシもサバと同じく食物連鎖の下層にいる魚です。一般的なアンチョビは生のまま塩漬けしますが、パタゴニア プロビジョンズのホワイト・アンチョビは味付けしてから加熱調理しているので塩分が少なく、レモンの酸味をほんのり加えることで食べやすく作られています。

CONTENTS3 パタゴニアのネクストアクションと自分たちにできること

2018年にミッションステートメントを「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」へ変更したパタゴニア。つまりは、他のブランドとは異なり、アウトドア領域に限った目標ではなく、“地球が自己再生できる環境”にまで戻す方法を考え、実行する企業であるのです。まさに自然環境と人間の共存共栄を図る理想郷の創造。

1996年にオーガニックコットン事業を、そして2012年にプロビジョンズ事業をスタート。そして、2030年までにパタゴニアのビジネス全体においてさまざまな炭素排出源を3段階に分けたネットゼロの達成を目指しています。気候危機は、もはや予測ではありません。今日から、日々自分たちにできることを、一歩ずつ、確実に歩んでいくことが重要なのだと思います。

パタゴニアのネクストアクションと自分たちにできること

PROFILE

大野 由紀恵さん

大野 由紀恵さん

パタゴニア プロビジョンズ マーケティング担当

近所の幕山散策や伊豆のキャンプを楽しみながら、毎週末、朝はヨガ、午後は畑にいそしんでいる。約10年前から、湯河原で友人と農薬も肥料も使わずに野菜を育てていて、毎年耕していたが、パタゴニアの影響を受けて、3年前に不耕起栽培に転換。年々ミミズやテントウムシ、クモが増え、土がよくなるのを実感している。友人と年間約30種の野菜を栽培し、去年は、パプリカを初収獲。