別注・新作アイテム入荷中!!CAMP HACK STORE

災害時にもアウトドアにも安心!「持ち運べる浄水器」タイプ別3種レビュー【防災】v

まさかの災害時やアウトドアで「飲み水があとわずか!」そんなピンチに備えておくと安心なのが、アウトドアブランド発の携帯できる浄水器。

サイズも機構も異なる3機種を選んで雨水を浄水し、お味見を敢行。どんなときにどの浄水器が適当か、がっつりレビューします。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

考えておきたい「飲み水の確保」の仕方

出典:PIXTA

傾斜が急で険しい山々、雨の多い気候、台風や地震や火山の影響など、地勢的な影響もあって、日本は比較的災害に見舞われやすいお国柄。複数の震災を経験し、まさかのときの備えをされているご家庭も多いことと思います。

食糧やライト、ラジオ、電池、衛生用品など、備蓄品目はいろいろありますが、生命と健康の維持には、なんといっても飲み水の確保が重要ではないでしょうか。

浄水器3種

人は水さえあれば約1ヶ月程度生き延びられると言われています。水なしだと2〜3日で命を繋ぐのは難しくなるという事実……。そこまで行かずとも、水分摂取が不足すると、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞、災害避難時のエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)などを招く恐れも。

災害時だけでなくスポーツやアウトドアでも使える、ポータブル浄水器

浄水器から水を飲む女性

出典:Amazon

飲み水確保のため、簡単で効果的な方法はないものか? そこで目をつけたのが、アウトドアブランド発の携帯できる浄水器です。

災害時だけでなく、アウトドアで十分な飲み水を携帯できないときや、飲料水が不足したときの安全策としても有用です。

それでは、災害時やアウトドアアクティビティ時に必要な水を確保する、3種の携帯用浄水器について、使い勝手や最適シーンをレビューしていきましょう。

3種のポータブル浄水器をテストしてみる

携帯型浄水器3種

出典:PIXTA

成人の身体の約55〜60%は水分です。活動レベルが比較的静かな場合、必要な水分量は1日2.3L、活動レベルが高いと、3.3〜3.5Lと推定されています。

備蓄水や配給された飲料水が足りなくなったとき、そして、アウトドアで飲料水が不足したときに。浄水器の備えがあれば、それだけで安心感が増しますね。

選んだのはこの3種、全て電源不要!

浄水器3種、商品名

避難行動をとるときや、アウトドアアクティビティの最中なら、重たくて大きな浄水器を持ち運ぶのは無理。電源も取れないことがほとんどでしょう。手で持ち運べる携帯性のいいサイズ、電池も電源も不要なものが選定の基準となります。

今回は、ボトル型の「ジオプレス ピュリファイヤーボトル」、小型でストローとパウチの両方が使える「ソーヤー ミニ」、手動ポンプにホースが付いた「トレイルショット マイクロフィルター」の3種をピックアップ。いずれも高性能フィルターを搭載し、高い浄水能力を持つ浄水器です。

【検証方法】雨水を浄水してみた

バケツに雨水を集める
雨水をバケツに溜める

試料の原水には、雨に見舞われたキャンプで、タープから落ちる雨水をバケツに溜めたものを使いました。

バケツの雨水

うーん、一応澄んでいるように見える水ですが、このまま飲むのは遠慮したいです……。この雨水がどこまでキレイになるでしょうか?

1. ジオプレス・ピュリファイヤーボトル(グレイル/モンベル)

ジオプレス・ピュリファイヤーボトル

トップバッターは、「ジオプレス ピュリファイヤー ボトル」軽量なポリプロピレン製のボトル型です。

ジオプレス・ピュリファイヤーボトル

インナープレス(左)と、アウターボトル(右)に分かれ、オレンジ色の部分が浄水カートリッジ。

浄水フィルターのろ材は、銀処理済ゼオライト、超粉末活性炭、電気吸着体の3層で、ウイルス・バクテリア・原虫の除去率はいずれも99.9%以上。直接口をつけて飲みやすいキャップが付いています。

カートリッジの交換目安は浄水回数およそ350回(約250L)。

いざ浄水開始!

ジオプレスに水を汲む

まずは、アウターボトルに雨水を汲みます。

アウターボトルの水位

ろ過容量は上の線のレベル、約710mlですが、半分ほどの水量でやってみましょう。

インナープレスを挿入

浄水するときの圧を逃すため、インナープレスの飲み口キャップを少し緩めておきます。アウターボトルにインナープレスを静かに差し込んで……

上からプレスして浄水中

インナープレスをゆっくり押し下げます。結構力が要りますね。

インナープレスを抜く

約8秒で浄水が終了。インナープレスの中に浄化された水が貯まりました。

浄水完了

透明なペットボトルに移してみましょう。

浄水とミネラルウォーター比較

右側のミネラルウォーターと並べてみると、全く区別がつきません。曇りも不純物もない、透明度の高い水が抽出されているのがわかりますね。

ジオプレス、匂いを確認

元の雨水は、やや生臭く、青臭い匂いがしたのですが、浄水後の水は匂いもまったく残っていません。試しにほんの少し口に含んでみたところ、きめの細かい柔らかな味。ミネラルウォーターと遜色のない風味でした。これならお茶を淹れても大丈夫でしょう。

単独行の水筒代わりに適している

ジオプレスピュリファイヤー、トレッキング

出典:モンベル

ボトルそのものが水筒の役割を果たすので、川辺や湧水が望めるトレッキングに携行するのに適しています。容量が710mlあるので、1〜2人での使用も可能

出典:PIXTA

上水道の設備のない、いわゆる野営ソロキャンプに。徒歩ソロの場合、何リットルもの水を携行するのは難しいですが、ジオプレス ピュリファイヤーひとつで、目の前を流れる川の水などを飲料水にできます。710mlあれば、ラーメンとコーヒー程度は作れますね。

    グレイル ジオプレス ピュリファイヤー

    サイズ26.5×8.6cm
    重量450g
    素材ボトル・インナープレス/ポリプロピレン、キャップ・カートリッジ/ABS樹脂
    ろ過流量710mL/ 8秒(5L/ 分) ●フィルター交換目安:350回(250L)
    有害物質除去率ウィルス99.99%、バクテリア99.9999%、原虫99.9%

    2. ソーヤー ミニ(ソーヤープロダクツ)

    ソーヤーミニ、フルセット

    2番手は、超小型で軽量な「ソーヤー ミニ」。

    中空糸膜フィルターを装備し、水を0.1ミクロンの孔でろ過する仕組み。バクテリアや微生物の除去率は99.9%以上。容量0.5Lのパウチとストロー、洗浄用の注射器が付属します。

    使用ごとにきちんと洗浄すれば、約38万Lもの大量浄水能力を誇ります。

    ストローとパウチ、どちらでも浄水可能

    ソーヤー、ストロー吸水

    浄水しながらストローで直接飲むことができ、とても簡便。

    ソーヤー、フロー方向矢印

    フィルター本体には、浄水方向を間違えないよう、わかりやすい矢印が印字されています。

    ソーヤー、パウチ接続

    パウチに原水を汲んで、フィルターを取り付けてろ過することもできます。

    雨水をパウチに入れてろ過してみた

    ソーヤー、パウチに注水

    シェラカップで雨水を汲み、パウチの中へ。

    ソーヤー、パウチで浄水

    パウチにフィルターを取り付け、ゆっくり逆さにすると、浄水された水がタラタラと落ちてきました。

    ソーヤー、匂いチェック

    匂いはゼロ。お味の方は、ややミネラル分を感じる硬めな飲み口でした。

    フィルター本体は長さ約14cmと小型で、ストローと共にパウチでくるくる丸めればとてもコンパクトになります。ストローとパウチのほか、ペットボトルの口にねじ込んでセットしたり、ハイドレーションシステムのホースにセットして飲むことも可能。使い勝手の広い、機動性に富んだモデルといえるでしょう。

    軽量コンパクトだから、ひとり用の装備として

    出典:PIXTA

    吐水にやや時間がかかるため、個人使用に適しています。連泊も考えられるスケジュールの登山装備として。小さくまとめてバックパックのポケットに納められますし、背面のハイドレーションチューブにセットして、行動中の水分補給にも。

    出典:PIXTA

    ひとり暮らしの非常用持ち出し袋のアイテムとして。とりあえず自分ひとり分の飲み水確保用に◎。

      ソーヤー ソーヤー ミニ

      サイズミニフィルター/全長13.5cm 、0.5Lパウチ/約22.5×12.5cm
      重量ミニフィルター/約41g、0.5Lパウチ/約19g
      素材ホローファイバー
      フィルター孔サイズ0.1ミクロン
      ろ過能力38万リットル
      使用適正温度約5℃〜40℃

      「ソーヤーミニ」について詳しくはこちら

      3. トレイルショット・マイクロフィルター(エムエスアール)

      トレイルショット・マイクロフィルター

      最後にテストしたのは、「トレイルショット マイクロフィルター」。

      ポンプ付きの浄水フィルターに取水用のホースが接続されています。ホース先端には大きめの不純物を除くプレフィルターが付属。ポンプ部分は柔らかい素材で、手で握って動かす仕組み。

      画像右上の付属のバンドを使って……

      トレイルショット、バンドでまとめる

      このように小さくまとめることができます。今回3種のうち中くらいの収納サイズですね。

      中空糸膜フィルターの浄水能力は1分間に約1L、フィルターカートリッジ寿命は約2,000Lとなっています。フィルターの孔の大きさは0.2ミクロン。細菌まではろ過しますが、ウイルスに対しての効力はなく、指定の殺菌剤の併用が勧められています。

      バケツに取水ホースを入れて、ポンプアップ

      トレイルショット、吸水

      プレフィルターを水中に沈め、ポンプをゆっくり握って水を揚げ、浄水されるのを待ちます。

      トレイルショット、浄水を注水

      内部のフィルターを通った浄水が溜まってきたら、再びポンプを静かに握って吐水。とても簡単です。

      トレイルショット、匂いチェック

      さて、お味はいかに? 匂いはなく、まろやかで優しい風味でした。透明度も高く、ミネラルウォーターと変わりません

      操作が簡単・吐水能力が高いので、ファミリーユースに◎

      トレイルショット、ボトルに注水

      出典:楽天

      水源にサッと浸してシュコシュコ握るだけと、極めて使いやすく、吐水量も多め。ボトルに注ぐのも簡単です。

      出典:PIXTA

      使用方法が簡単で、短時間でたくさんの浄水が必要なときに向いている機種です。家族分の災害備蓄用品として用意しておくのにいいでしょう。

      出典:PIXTA

      ファミリーキャンプでの調理に。お子さんと一緒に使っておけば、いざというときの予行演習にもなりますね。

        MSR(エムエスアール) エムエスアール トレイルショット マイクロフィルター

        サイズ14×6.3cm
        重量145.8g
        素材中空糸膜
        ろ過能力原生動物・バクテリア・微粒子◯、ウィルス・化学薬品×
        フィルター孔サイズ0.2ミクロン
        フィルター寿命2,000L

        浄水器の使用にあたって覚えておきたいこと

        ・できるだけキレイで安全な水源を選ぶ
        ・堆積物の混じった原水は、布やコーヒーフィルターなどで濾してから浄水器に通す
        ・海水・油分を含む水には使えない
        ・鉱山の近くや、化学物質、農薬の影響の恐れのある水源の水は使用しない
        ・50℃を超えるような高温の水は通水しない
        ・適切な時期にフィルターを交換する
        ・各機器に付属の取扱説明書をよく読み、使用方法を守る

        もしものときに、人数や状況に適した浄水器を備えておこう

        パスタを茹でる

        キャンプ中、3機種を試してできた浄水を集めて、パスタを茹でるのに使いました。いずれも高い浄水能力のあるモデルですが、念のため煮沸してから飲用することも念頭においてください。

        ご家庭の様子やアクティビティの種類によって、最適な浄水器を選んで備えておけば、清浄な水が不足したときの安全策となります時々キャンプやトレッキングに持ち出して、迷わず使えるようになっておくといいでしょう。

        ✔災害時に備えて読んでおきたい