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寝袋は自宅でも洗濯可能!
キャンプでの就寝に欠かせない寝袋ですが、お手入れ方法が分からず使用後はそのままという方も多いのではないでしょうか。実は寝袋は、自宅で洗濯可能です。
人は寝ている間に汗をかいており、寝袋の内側には汗や皮脂が付着します。そのままにしていると不衛生なだけでなく、機能性も損なわれてしまうのです。
寝袋は肌に触れるものなので、適度なお手入れで清潔を保ち、キャンプで気持ちよく使いましょう。また、寝袋の寿命を最大限に生かすためにも、適切なお手入れが大切です。
まずは「洗濯表示」をチェック
まずは寝袋の洗濯表示を確認し、自宅での洗濯が可能かチェックしましょう。「洗濯機マーク」や「手洗いマーク」があるものなら自宅で洗うことができます。
「水洗い不可」や「ドライマーク」がある寝袋は、残念ながら自宅での洗濯はできません。これらの洗濯表示がある場合は、クリーニング店に依頼を検討しましょう。
※洗濯表示についてはこちらのページをご参照ください。
洗剤は中性洗剤もしくは専用洗剤を!
自宅での洗濯が可能なら、次に使用する洗剤を決めましょう。寝袋は「ダウンクリーナー」などの専用洗剤や、おしゃれ着用の洗剤、中性洗剤を使うことをオススメします。
柔軟剤や漂白剤は使用できないことが多いので、使わないようにしましょう。
30~50泊、もしくは1年に1回洗濯しよう
お手入れが可能とは言っても、毎回洗う必要はありません。頻繁な洗濯は寝袋にダメージを与え、寿命を縮めてしまう可能性もあるので、必要最低限でOK。
目安として、30~50泊に一度くらいのペースでお手入れをしましょう。回数では洗い時が分かりにくいときは、1年に1回と決めても構いません。
【洗濯機編】寝袋の洗い方
まず、洗濯機に対応している寝袋の洗い方を解説します。タグなどに詳しい洗い方が記されていない場合は、以下の手順を参考にしてみてください。
1.すべてのジッパーを閉め、裏返し、洗濯ネットに入れる
寝袋の内側には汗や皮膚が付着しているので、裏側をメインに洗いましょう。洗う前に寝袋を裏返し、生地の傷みを防止するためにジッパーを閉めておきます。
さらに、洗濯槽を保護するために大きめの洗濯ネットに入れましょう。
2.「手洗いモード」もしくは同等のコースで洗う
洗濯機の「手洗いモード」や「おしゃれ着モード」など、デリケートな衣類を洗うモードを選択します。おしゃれ着用の洗剤やダウンクリーナーなどの専用の洗剤を使いましょう。
通常の洗濯モードで洗うと寝袋を傷めてしまう可能性があるので、適切なモードが無い場合は洗濯槽に水を溜めて手で押し洗いしましょう。手洗い方法については、後ほど詳しく解説します。
洗濯機に水が溜まったら、寝袋内の空気を押し出しながら水の中に沈めるのを忘れずに行いましょう。
3.洗濯機もしくは手で脱水をする
洗濯が終わったら、最短時間に設定してそのまま洗濯機で脱水しましょう。洗濯機での脱水ができない場合は、洗濯槽の水を抜いてから手で押すようにして脱水します。その後、バスタオルなどでおおまかな水分を拭き取りましょう。
防水性のある寝袋を洗濯機で脱水すると、洗濯機の故障の原因になることがあります。手で押し洗いをし、バスタオルで水分を吸い取りましょう。
4.風通しの良い日陰で乾燥させる
ある程度水気が拭き取れたら風通しの良い日陰に吊るして干しましょう。日光に当たった方が早く乾くイメージがありますが、紫外線による劣化を防ぐために陰干しがオススメです。
その際、閉めていたジッパーを開けてから干すようにしましょう。内部までしっかり乾かして雑菌の繁殖を抑制できます。乾かすのに乾燥機を使っても問題ありません。その場合、低温に設定し、途中で乾き具合を確認しながら、乾燥させましょう。
乾いたら、寝袋を平置きして全体的に手で叩き、中綿をほぐします。完全に乾いた後は、撥水スプレーを吹きかけておくと、寝袋の撥水性を維持できます。
【手洗い編】寝袋の洗い方
洗濯機で洗えない寝袋は、手洗いしましょう。洗濯機で洗える表記があっても、寝袋へのダメージが心配であれば手洗いするのも良いかもしれません。
1.すべてのジッパーを閉め、裏返す
まずは、洗濯機で洗う手順と同様に、汚れがたまっている裏側を出してから全てのジッパーを閉めます。寝袋に収納ポケットがある場合は、何も入っていないことを確認しましょう。
2.浴槽などに30〜40度のぬるま湯を張り、洗剤を溶かす
次に、浴槽や大きな洗い桶などに30~40度のぬるま湯を、寝袋が浸かるくらいの高さに張ります。
その中に、中性洗剤やおしゃれ着用洗剤、ダウンクリーナーなどを溶かしましょう。溶かす量については、洗剤ボトルの表示を参考にしてください。
3.優しく押し洗いをする
寝袋を軽くたたみ、静かに沈めて全体的に水を浸透させます。手で押し洗いするか、足で踏み洗いして汚れを浮かせましょう。押すだけでもだんだんと汚れが出てきて、水が濁ってきます。
4.泡が出なくなるまですすぎをする
まんべんなく洗い終わったら、浴槽の栓を抜いて排水します。寝袋を巻いて浸みこんでいる水を押し出しましょう。
再び栓をして新しい水を溜め、手で押したり足で踏んだりしてすすぎを行います。汚れや泡が出なくなるまで何度も繰り返しましょう。
5.タオルで水分を吸い取る
すすぎが終わったら最後に寝袋を折りたたんで上から押し、残った水を出します。絞ると寝袋にダメージが加わってしまうため、おおまかな脱水が終わったら大きめのタオルで挟んで水分を吸い取りましょう。
ファスナーも開けて、内部までしっかりと拭き取ると後からの乾きが早くなります。
6.風通しの良い日陰で乾燥させる
全体的に水分を拭き取ったら、風通しの良い日陰に干しましょう。日なたに干すと劣化や色あせの原因になるので注意してください。
乾燥させる際、ファスナーは開けて中までしっかり乾くようにします。乾いたら、全体をはたいて中綿の偏りをなおしましょう。撥水スプレーをふっておくと次に使うときに撥水性を上げられます。
寝袋の洗濯に関するよくある質問
自分でお手入れする機会が少ない寝袋なので、気になる点も多いですよね。正しいお手入れと保管方法を知り、寝袋を少しでも長く使い続けられるようにしましょう。
乾燥機は使える?
寝袋を早く乾かしたい人やふかふかの状態に仕上げたい人は、乾燥機の使用を思い浮かべるでしょう。ダウン素材の寝袋は乾燥機が使えるものが多いので、コインランドリーなどの乾燥機を使うのもオススメです。
乾燥機を使用する際は、生地を痛めないように低温に設定しましょう。また、乾燥途中で乾き具合を確認し、乾燥機にかけすぎないようにしてくださいね。
化学繊維の場合は、中綿が劣化する恐れがあるので乾燥機の使用は避けてください。風通しの良いところで陰干しして自然乾燥させましょう。
▼ダウン素材の寝袋を洗濯してみた記事はこちら
おすすめの保管方法は?
シーズンオフの間など、寝袋をしばらく使用しないとき、専用の収納袋に圧縮して入れると中綿の質が低下してしまいます。次の使用まで間が空くときには、通気性が良い大きめの袋に入れ替えましょう。保管場所は湿度が低く直射日光が当たらない場所がオススメです。
クリーニングに出すメリット・デメリットは?
寝袋の洗濯は自宅でも可能なのですが、初めてだと難しく感じてしまうこともあるでしょう。そのようなときには、洗濯のプロに任せてみるのも良いかもしれません。
スノーピーク、ナンガ、イスカなどの一部のメーカーでは、寝袋のクリーニングを依頼できるので、製品に合った正しい方法でお手入れしてもらえます。また、街のクリーニング店でも寝袋の洗濯を受けているところがあるため、確認してみてください。
クリーニングに出すとプロの手で安全にかつきれいにお手入れしてもらえますが、寝袋は大物で洗濯や乾燥に手間がかかるため、それなりの料金がかかります。
寝袋をきれいに洗濯して、気持ちよく使い続けよう!
寝袋はキャンプでの寝心地を左右する大切な寝具です。お手入れが大変そうだからと放置していると、気付けば汚れが蓄積していることも。
種類にもよりますが、寝袋は自宅でも洗濯可能なので、定期的にお手入れして清潔に使い続けましょう。難しい場合はプロの力を借りるのもオススメです。
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