絶妙に役立つ簡単な小技3選
こちらは筆者が、少なめの荷物でタープ泊をしたときの様子です。設営が終わって一息つき、ある願望を胸中に抱えています。
それはいったい何かというと……。
この画像の通り、垂直ポールの途中にランタンを吊るしたいのがまず1つめ。そして斜めに走ったガイロープの途中に、カラビナを固定したいのが2つめです。まあカラビナを固定したいのも、ランタンを吊るすためです。
タープ泊なのでテントのようにちょうどいい位置にランタン用ループがなく、また荷物を少なくしたため、ランタンスタンドがないんです。
そして背面にまわると、2本のガイロープが。これはタープの室内スペースを広くするための措置です。ただ自在ロープって、一晩経つとけっこう緩んでいることが多いんですよね。
緩まないでほしい、これが3つめの願望。結露に濡れたタープ生地が顔に迫ってくるのを避けたいので、緩まっては困ります。
というわけで今回ご紹介する小技は、次の3つ。
- 1:垂直ポールに何かを吊り下げる小技
2:ガイロープにカラビナを固定する小技
3:自在ロープが緩みにくくなる小技
それでは1つずつ順に見ていきましょう。実際にやってみた様子をお伝えして、どんな小技なのか、どのように役立つかをレポートします。
1|垂直ポールに何かを吊り下げる小技
垂直に立てられたツルツルとしたポールの、節でもない部分にランタンを取り付けたい。この場合、「ランタンハンガー」を別途用意しポールに取り付けるのが一般的な対応かもしれません。しかし、小技を知っていれば不要です。
このときはランタンを吊るしたかっただけなんですが、重い荷物も吊るせる小技です。
必要なものはパラコードだけ
必要になるのは、パラコード1本。画像のように細長い輪っかにして、端っこ同士を止め結びにしておきます。
このときは長さ約120cmのものを使いましたが、適した長さはポールの太さによります。とはいえ「一度やってみてから考える」くらいの気楽さでどうぞ。
くるくる巻きつけて……
はい、ということで手順はかなりシンプルです。ポールにくるくると巻きつけて、最後に片方のループをくぐらせるだけ。
動画の要点は、この画像1枚で事足りてしまいますね。特に注意点もなく、巻きつける回数にも別に制限はありません。まあ3回以上なら安心でしょうか。
というわけで見事、ランタンを吊り下げることができました。巻き付けた部分を握れば上下に動かすことができるので、ランタンの高さの微調整も可能です。かといってランタンがフックしているループをいくら引っぱっても、動きゃしないのがこの小技のすごいところ。
どのくらい「動きゃしない」のか試してみましょう。
驚きの耐荷重
吊りスケールを逆さまにして、下方向に引っぱってみました。表示は3kgちょっとですね。これくらい耐えてくれれば十分な気もしますが、まだまだイケます。
両手で思いっきり引っぱっています。表示は14.53kg。タイマー撮影のタイミングを逃しましたが、15kg超えの瞬間もありました。2Lのペットボトルを8本ほど吊り下げておくことが、その必要はなくとも可能です。
バックパックやシェルフを吊り下げたいときにも便利な小技ですね。
2|ガイロープにカラビナを固定する小技
では次に、斜めのガイロープにカラビナを固定する小技をやってみましょう。普通にカラビナを通すだけでは、つるーっと滑り落ちていくことは火を見るより明らか。
しかしほんの一捻りの小技で、任意の位置にピタッと留めておくことができるんです。
カラビナの背中にロープをひっかけるイメージ
ご覧の通り、コツも何も必要ありません。カラビナの開かない方、背中の方にガイロープをひっかけるイメージです。
ポイントはここですね。前述したように背中の方にガイロープをひっかけ、下側のロープをパクッと食わせてあげます。すると巻き付いた状態が解除されなくなり、その場に固定されるというわけです。
はい、この通り見事にカラビナが固定されました。ガイロープのテンションにもよりますが、ある程度のトルクを加えて動かせば、位置は微調整が可能です。
一般的なLEDランタンなら、なんら問題のない固定っぷり。ガイロープが思いっきりゆるくない限り、頻繁にずれ落ちるようなことはないと思います。
複数のカラビナを固定できるのも、この小技のいいところですね。
場合によってはS字型のカラビナで
ただしパツパツに張られた高テンションのガイロープだと、上記の小技は使いにくいです。その場合はS字型のカラビナを使ってみましょう。上の画像のようにガイロープを通すことで、そこそこしっかり固定されます。
3|自在ロープが緩みにくくなる小技
それでは最後の小技、自在ロープの強化をやってみます。「強化」とか言いつつ、今回の小技のなかでも特に簡単なのがコレ。「知っているだけで使える」という小技です。
何も必要ない簡単すぎる小技
はい、拍子抜けした方もいらっしゃるのではないでしょうか。「覚えるぞ」といった気概も必要ない簡単さです。
ポイントというか、おさらいするとこの通り。自在の裏側のロープを表側に持っていって、結び目にひっかけるだけです。
こちらが完成状態。ロープと自在との接触部分が多くなることで、引っぱられてもズレにくくなるというわけです。目からウロコって感じですよね。
一晩経って緩み具合は……?
こちらは設営直後に撮影した画像。テンションは2本とも同じくらいですが、片方だけに今回の小技を適用しました。
このまま一晩経ったらどうなるのか、翌朝に確認してみましょう。
朝が来ました。寝間着で失礼します。
2本のテンションの違いは、「ああ、なるほど……確かに多少は……」と実感できるものでした。風がなかったので小技を適用しない方もそこそこテンションが残っていたんですが、若干の違いは体感できました。
風が強かったらもっと差が表れたかもしれません。
明日から使える小技でドヤッと快適キャンプを
というわけで今回は、テクニックもコツも必要のない、3つの小技をご紹介しました。特別何かを用意する必要もないし、サクッと実践できる小技ばかりです。
次のキャンプの機会に、ぜひ試してみてください。ドヤ顔がこみ上げてきますよ。