キャンプのキッチン環境をより快適にしたい
キャンプの醍醐味といえば、自然のなかで仲間と囲む食卓。キャンプ料理を作る楽しみはもちろんですが、キャンプ料理を楽しくするキッチンギアの厳選もキャンプを盛り上げる一つの要素です。
今回はアウトドアドア料理歴約20年、キャンプに関する広告などでフードスタイリングをおこなっている筆者が、この1年で出会い感動した珠玉のアイテムを忖度なしで紹介します。
どれもパッと見ると地味ですが、実用性、デザインともに優れた質実剛健のアイテムです!
①耐荷重30kgの風防付きゴトク!
ハイマウント「グリルwithガード」
大きな鍋を安定して置ける
まず紹介したいアイテムがハイマウントの風防付きゴトク「グリルwithガード」です。
ガス式のシングルバーナーをキャンプのメイン火器に据えているキャンパーさんも多いですが、私もその一人。折り畳み式のシングルバーナーは、コンパクトに収納・携帯できる利点がありますが、ゴトクが小さいものが多いので、ダッチオーブンなどの大きな鍋をいかに安定して置くかという問題に直面しがちです。
私もそんなゴトク問題を解決するため、さまざまなゴトクを使ってきましたが、しっくりくるものがありませんでした。そんなゴトク探しの旅に終止符を打ったのが、こちらのアイテムです。
シンプルでタフな作り
「グリルwithガード」はコの字型の風防の上にゴトクを乗せて使うシンプルな構造。本体はステンレス製なので錆びにくく丈夫です。ゴトクの寸法は22×21cmで大きな鍋も安定して置けます。
シンプルながらも耐荷重は30kg。12インチサイズの大型鉄製ダッチオーブンに水を満杯まで注いだ重さが約18kgなので、ラーメン屋の巨大な寸胴鍋でもない限り不足を感じることはありません。
ありそうでなかった風防付き
シングルバーナーを使ううえで、もうひとつの課題となるのが風対策。
さまざまなゴトクがありますが風防付きのものは意外と少ないので、風防を別途用意する必要があります。その点「グリルwithガード」は、風防付きなのでこれひとつで複数の問題を解決できます。
パッと開いて使えて、コンパクトに収納可能
「グリルwithガード」は、シンプルな構造ゆえ組み立ての煩わしさもない点も魅力。設営撤収時にイラッとすることもありません。
畳むとフラットな状態になり、専用ケースも付属するので、収納場所に困ることはないでしょう。
定番バーナー、SOTO「フュージョン ST-330」と相性抜群
こちらは高さ約11cmまでのさまざまなバーナーに対応しますが、SOTOの定番のシングルバーナー「フュージョン ST-330」との相性は特に抜群。ゴトクから熱源までの高さもちょうど良く、ベストな組み合わせといえます。
同じく愛用者の多いSOTO「レギュレーターストーブ ST-310」も高さはぴったりですが、こちらの相性は微妙なところ。
「グリルwithガード」にセットすると、ガス調節つまみと着火ボタンが操作できなくなってしまいます。高さのクリアランスはあるので、この組み合わせの場合は、あらかじめ点火してからゴトクの下に滑り込ませることは可能です。
OD缶を使用した高さのあるバーナーなど、約11cmを超えるバーナーには使用できませんが、高さを3段階に変えられる、ラージモデルも用意されています。その場合こちらを選択しましょう。
ハイマウント グリルwithガード
サイズ | 約220×210×120mm |
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収納時サイズ | 235×130×14mm |
重量 | 約790g |
耐荷重 | 30kg |
材質 | ステンレススチール |
ハイマウント グリルwithガードラージ
サイズ | 約220×210×195 ( 約120/150/195 ) mm |
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収納時サイズ | 約245×210×20mm |
重量 | 約1250g |
耐荷重 | 30kg |
材質 | グリル、ガード/ステンレススチール |
「グリルwithガード」の詳細はこちら
「グリルwithガードラージ」の詳細はこちら
②おしゃれな滑止めマット!
プエブコ 「シリコンプレイスマット」
滑り止めと防汚に便利なシリコン製シート
「グリルwithガード」と合わせておすすめしたいアイテムが、アンティーク調なテイストの雑貨が人気のインテリアブランド・プエブコの「シリコンプレイスマット」。
こちらは、クッキーなどを焼く際にオーブンに敷いて使う用途がメインのシリコン素材でできた耐熱マットです。
こちらは本来の用途から外れますが、まずシリコン製なので上に乗せたもののグリップを高めてくれて「滑止め」として使えます。キャンプのフィールドは平らであるとは限らないので、ちょっとした傾きでバーナーが滑ってしまい料理をこぼし火傷してしまうなどのリスクもありますよね。こういったリスクを防ぐためにも滑止めシートがあると意外と便利なんです。
さらには、鍋からの吹きこぼれや油はねによる汚れからテーブルを守れるので、「滑止め」、「防汚」の一石ニ鳥。薄手なのでクルッと丸めれば、ちょっとした隙間に収納できるのも◎。ちなみ、カラーはグレー、ホワイトイエローの3色展開です。
遮熱目的での使用は自己責任で……
ただしこのシート、バーナーの輻射熱の軽減を保証するものではありません。耐熱性は250℃もあるので数値的には安心ですが、本来の使い方ではないのでこちらは自己責任でお願いします。
筆者はウォルナットもしくはオーク製のウッドテーブルの上に敷きその上にSOTOの「ST-330」や「ST-310」を外気温27〜-7℃の環境で、火力MAXにて使用してきましたが、今のところテーブルの焦げは起きていません。
プエブコ シリコンプレイスマット
サイズ | W400×D300(mm) |
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素材 | シリコン、グラスファイバー |
耐熱温度 | 250℃ |
「シリコンプレイスマット」の詳細はこちら
③開くとトレイになる便利なポーチ!
イーグルクリーク「ギアクイックトリップ」
調理器具ケースに最適なトラベルポーチ
カトラリーや調理器具の収納ケースとして個人的におすすめしたいアイテムが、カリフォルニア発のトラベル用品ブランド・イーグルクリークのポーチ「ギアクイックトリップ」です。こちらはイーグルクリークのトラベル収納シリーズ「パックイット」にラインナップされているアイテム。
本来は洗面アイテムの収納を想定した商品ですが、使ってみると、キャンプの調理器具ケースに最適でした。その理由は他のポーチにはない独自のギミックにあります。
中身が取り出しやすい便利なギミック
一見どこにでもあるトラベルポーチですが、ジッパーを開くと……ガバッと開いて、トレイ型になります。なかに入れたものが一目瞭然になるので、必要なものをストレスなく取り出し可能。
単なる収納ボックスとしてだけでなく、調理器具の置き場として機能するので、キャンプのキッチン周りをスマートに整理できます。
便利なポケットと防水機能
またジッパー付きのポケットが2箇所に設けられているので、細かいものも散乱させずに収納可能。ポケットはメッシュ素材で中身を確認しやすいです。
本体は防水素材でジッパーも止水タイプが採用されています。トラベル用品ながらアウトドアシーンでもタフに使える作り。濡れによるカビが心配なウッド製のカトラリーや鉄製のナイフなどの錆びを防げます。
カラーは、写真のブラックの他、サハライエロー、モッシーグリーンの3色展開。
イーグルクリーク ギアクイックトリップ
サイズ | 25×11×11cm |
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容量 | 4L |
重量 | 190g |
素材 | TPU Coated 100% Recycled 900D Poly Twill |
「ギアクイックトリップ」の詳細はこちら
④高級銘木を使ったキャンプに映える高コスパ箸!
藤芸「俺の箸 鬼に金棒」
名栗加工が映えるアウトドア顔の太箸
初めて訪れたとあるアウトドアショップで見つけたアイテムがこちらの高級感あふれるウッド製の箸、藤芸の「俺の箸 鬼に金棒」。藤芸は、ウッド製のカップやカトラリーを展開する食器メーカーです。
こちらの箸は名栗加工と呼ばれる日本伝統のパターンで削り加工が施されており、キャンプの食卓に違和感なくなじむデザインです。またこの名栗加工は見た目だけでなく、箸の握りやすさにも貢献しています。
シェラカップにのせても落ちにくい
さらにシェラカップなどに置いたときに、名栗加工の凹凸がカップの縁に引っかかるので、箸が転がって落ちにくいメリットも。
超硬度の銘木アイアンウッドを使用。なのにリーズナブル
素材には、アイアンウッドと呼ばれる銘木を使用しています。
アイアンウッドはその名のとおり高い硬度を持ち、その硬さは木材のなかでは最高クラス。耐久性、耐候性に優れるため、ウッドデッキや野外用のベンチなどに使用されてきたアウトドアスペックの素材です。にもかかわらず、約1,000円前後で購入可能なのでコスパが高いのがうれしいところ。長さも約24.5cmと長めなので、菜箸として使うのもおすすめです。
藤芸 俺の箸 鬼に金棒
サイズ | 245×13mm |
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「俺の箸 鬼に金棒」の詳細はこちら
⑤ディッシュケースの傑作誕生!
オレゴニアンキャンパー×プラットチャンプ「ディッシュケース」
ホーロー食器メーカーのこだわり詰まったディッシュケース
キャンプの食器にこだわりがあり、お気に入りのホーロー皿や陶器の皿を使っている方におすすめのアイテムがこちらのディッシュケース。
こちらは、高品質なホーロー皿が絶大な人気を誇るブランド・プラットチャンプと、痒いところに手が届くさまざまな収納ケースを展開するブランド・オレゴニアンキャンパーのコラボアイテムです。
ホーローや陶器の皿をフィールドに持ち出す際は、傷や割れが心配です。それを防ぐためにはケースに入れるが一番ですが、選択肢はあまりありませんでした。
こちらのケースは、アウトドアキッチンウエアを作り続けるプラットチャンプならではのこだわりが詰まっており、キャンプ用ディッシュケースの決定版ともいえる完成度。
皿同士が傷つかない独自の作り
まず感心したのが皿同士が傷つかないように、本のページのようにメッシュ素材のクッションが設けられている点。円形のクッション材は3枚あるので、計4枚の皿を傷つけることなく収納できます。
厚さは約8.5cmと余裕のある作りなので、別途緩衝材を用意すればさらに多くの皿を収納可能です。対応する皿のサイズは直径30cmまでなので、カレーやパスタ用の中皿に最適なサイズ感になっています。
皿がガチャつかないコンプレッションベルト付き
さらに持ち運び中にケースのなかで、皿がガチャガチャと音を立てぬよう、各所にコンプレッションベルトが設けられており、皿をしっかり固定する作りです。
サイドは通気性の良いメッシュ仕様
ケースのサイド部分はメッシュ素材になっているので少し水滴が付いた状態でケースにしまっても水分が抜けやすくなっている点もこだわりを感じるポイントです。雨の日や湿度の高い日の撤収に便利。
カラーは、写真のブラックのほか、アウトドアシーンに馴染むウルフブラウンとオリーブの3色展開です。
オレゴニアンキャンパー×プラットチャンプ ディッシュケース
サイズ | 直径31×厚さ2.5~8.5cm |
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素材 | Liquid Rock™ 56% polyamide, 38% recycled polyamide, 6% elastane |
重量 | 約500g |
「ディッシュケース」の詳細はこちら
地味に便利なアイテムで、アウトドアキッチンがより快適に……
無くてもなんとかなりますが、あると地味に便利で手放せないアイテムの数々、いかがだったでしょうか?
キャンプで使えるキッチンアイテムは、いたるところに存在しています。アウトドアブランドの枠にとらわれず探し続ければ思わぬ便利な品に出会えます! ギアを突きつめて、アウトドア料理が楽しくなる、あなたなりのキッチン環境を築きましょう。