お酒のプロに、キャンプで話題になるカクテルの作り方を聞いてみた。
キャンプの楽しみといえば、キャンプ飯だけにあらず。気を許せる仲間と、お酒片手に語り合うのもキャンプの醍醐味。
そこで今回は、話のネタになる新感覚ドリンク「駄菓子を使ったカクテル」を紹介! 簡単に作れるので、気軽に試してみてくださいね!
レシピを教えてくれるのは、バーテンダーのTRANさん
藤沢市のコーヒーバー「Ants.Meals & Coffee Bar」のオーナー、TRANさん(@trants10)。
「キャンプ沼に片足を突っ込んだ」という昨年から、ガレージブランドのアウトドアグッズを大量購入。バーでは常連のお客さんとキャンプ談義に花を咲かせることも。
【スッパイマン×ブランデー】食事にも合う、オトナな一杯
ピリ辛がクセになる
「ライジング・バック・パンチ」
まず教えてもらうのは、「スッパイマン」を使ったカクテルから。
ブランデーをジンジャーエールで割った“ルージュバック”をベースにした一杯で、干し梅による旨みと深煎りコーヒーのコクが合わさり、オトナな味に。生姜のピリっとした辛さがクセになります。
カクテルの材料
- ・スッパイマン 甘梅一番(たねなし)……3粒
- ・ブランデー……20ml
- ・オレンジ……1/10個
- ・アイスコーヒー……10ml
- ・ジンジャーエール(辛口)……110ml
- ・氷……適量
使用するアイスコーヒーは缶タイプでもOKですが、時間に余裕があれば、その場で豆から挽いたもの(濃いめにドリップし、粗熱をとったもの)を使うと◎。香り高く、より美味しい一杯に仕上がります。
では、気になる作り方を見ていきましょう!
カクテルの作り方
- 工程1:スッパイマンを細かくちぎり、カップの中に
- 工程2:ブランデーを入れる
- 工程3:小さくカットしたオレンジを投入
- 工程4:カップの中の材料をマッシュし、味を馴染ませる
- 工程5:アイスコーヒーを入れ、氷を追加
- 工程6:ジンジャーエールを優しく注ぎ、最後にステア(軽く混ぜる)して完成
「辛口のジンジャーエールを用意できない」という方もきっと多いはずです。
その際は「一般的なジンジャーエールに加え、生姜のすりおろしを少量投入するとピリッとした辛味を再現できます」とTRANさん。
TRANさん
キャンプ場で「もっとサクッと作りたい」という方は、工程1〜3の材料を予めジップロックに入れて持参すると良いでしょう。
前日から漬け込んでおけばマッシュせずとも味が染み込み、当日の作業がラクになるので一石二鳥です
【さくら大根&梅ジャム×芋焼酎】SNS映えする、ハイカラな一杯
甘酸っぱくて、なつかしい!
「哀愁ノスタルジア」
次は「梅ジャム」を使った一杯。他に梅酒とレモンジュースを入れるのでかなり酸っぱそうですが、芋焼酎の落ち着いた甘みが味の調整役に。
ピンクの「さくら大根」を添えた可愛らしい見た目ながら、口に含むとノスタルジーを感じる不思議なカクテルです。
カクテルの材料
- ・梅ジャム ……2袋
- ・さくら大根……1/2〜1枚
- ・芋焼酎……10ml
- ・梅酒……20ml
- ・レモンジュース……20ml
- ・水……90ml
- ・氷……適量
カクテルの作り方
- 工程1:梅ジャムをカップの中に
- 工程2:芋焼酎を入れる
- 工程3:梅酒を入れる
- 工程4:レモンジュースを注ぐ
- 工程5:しっかりと混ぜ、氷を追加する
- 工程6:氷の隙間から水を注ぎ、なじませるように軽くステア
- ※さくら大根を添えるのも忘れずに!
今回はアルコール度数40度の芋焼酎「The SG Shochu IMO」を10ml使用しました。
度数20〜25度の一般的な焼酎を使う場合は、味をみながら、好みで15mlに量を増やしても良いでしょう。
TRANさん
「お酒を飲んでるはずなのに、子供のころを思い出して何だか切ない……」がコンセプトのカクテル。
ファミリーキャンプの際は、ぜひお子さんと一緒に作ってみてください。思わず涙腺がゆるんでしまう……かも?
【マシュマロ×マッコリ】冬の冷えた身体を温める、ホットな一杯。
キャンプには定番の、あの駄菓子!
「ホットマコマロ」
冬キャンプの醍醐味といえば、野外で暖をとること! ということで、焚き火のそばでホッと一息つけるカクテルも紹介します。
レシピは鍋で材料を温めるだけ。マッコリ由来の酸味が口に広がると、追いかけるように後からマシュマロの甘さがやってきます。
カクテルの材料
- ・マッコリ……190ml
- ・おろし生姜(チューブ)……2cm
- ・ハチミツ……小さじ1
- ・マシュマロ(2cm×3cm角)……2個
カクテルの作り方
- 工程1:鍋にマッコリを投入
- 工程2:ハチミツを入れる
- 工程3:チューブから生姜を入れる
- 工程4:マシュマロを入れ、鍋に火をかける
- 工程5:マシュマロの形状がなくなったら、マグカップに注ぐ
- 工程6:最後にマシュマロをトッピング。ガストーチで表面を炙ったら完成
浮かべたマシュマロが溶け、形がなくなったら鍋を火から離しましょう。目安はマシュマロがマッコリの上に点々と残る程度。
適度に存在感を残したマシュマロが口の中でアクセントになり、マグカップに注いだときの見栄えも良くなります。
TRANさん
最後に乗せるマシュマロは、焚き火で炙ってもOK。せっかくキャンプするなら作る過程を楽しみましょう!
今回はよりアウトドア感を出すため、切り株デザインのマグカップを用意してみました
実はTRANさんのお店では、コーヒーを使ったカクテルが人気!
出典:Instagram by @ants.meals.and.coffeebar
JR東海道線 辻堂駅から徒歩約2分のダイニングバー「Ants.Meals & Coffee Bar」。オーナーのTRANさんが売りにするのは、実はコーヒーカクテルなんです。
ということで、最後においしいコーヒーを使ったカクテルを紹介してもらいます。
INFORMATION
- 店舗名:Ants. Meals&Coffee Bar(アンツ ミールズ&コーヒー バー)
- 所在地:神奈川県藤沢市辻堂1-4-29 ハイペリオン湘南 A-4
- 営業時間:18:00〜26:00
- 定休日:毎週火曜日(不定休有り ※詳しくはInstagramをチェック)
深煎りコーヒーに深いワケが。
「カフェハイボール」
バーボンウイスキーを深煎りのアイスコーヒーで割ったカクテル。キリッとした淡麗な口当たりですが、最後にふわっとコーヒー豆の香りが。
材料の種類が少ないためシンプルですが、それだけにテイストが出やすく、キャンプのように奥が深い飲み物でもあります。
カクテルの材料
- ・バーボンウイスキー……30ml
- ・濃いめのアイスコーヒー……20〜25ml
- ・ソーダ……70〜90ml
- ・氷……適量
味の決め手となるコーヒー。どんな種類が理想なの?
TRANさんのお店で使用しているコーヒー豆は、俳優の坂口憲二さんが焙煎を手がけるブランド「The Rising Sun Coffee」。しっかりとした風味をもつ深煎りコーヒーは、香りの強いお酒と相性抜群です。
「The Rising Sun Coffee」の詳細はこちら
カクテルの作り方
- 工程1:氷を入れたグラスにウイスキーを入れる
- 工程2:コーヒーを追加
- 工程3:氷を混ぜてグラスとウイスキーをキンキンに冷やす
- 工程4:炭酸水を優しく注ぐ
- 工程5:仕上げにコーヒーの粉を振りかければ完成
「ウイスキーの煙っぽい香りが気になる……」そんなときはバーボンウイスキーを選びましょう。
トウモロコシを主原料にして作られるバーボンは、スコッチのようなクセがなく、味もまろやか。他のお酒や副材料と混ぜてもジャマになりません。
TRANさん
おいしく作るポイントは、ソーダを注ぐ前にグラスの中の氷をくるくる回すようステアし、グラスとウイスキーの温度を下げること。
容器が暖かいうちにソーダを入れてしまうと炭酸が抜けやすくなり、本来の味わいが落ちてしまいます
駄菓子がカクテルの材料?!アイデア次第で楽しめる
今回ご紹介したカクテルの材料は、駄菓子屋やスーパー、コンビニで安価に買えるものばかり。野外で簡単に作れるので、気軽にチャレンジしてみてくださいね。
アイデア次第で、キャンプの楽しみ方は無限大。今すぐ駄菓子屋に走って、一味ちがったアウトドアライフを見つけましょう!
TEXT/佐藤稜馬 EDIT&PHOTO/伊藤千尋(GGGC)