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ハイエースの車内から見える富士山

【キャンプは、しない】自由気ままな車旅を楽しむ“完全インドア派”の中古バンDIYレポ

車中泊というと、やはりキャンプを目的とする方が多いですよね。しかし、夫婦揃って完全インドア派な筆者だからこそおすすめしたいのが、ゆる~く楽しめる“引きこもり”なアウトドア

今回は、言ってみればインドアなアウトドアスタイルが楽しめる空間作りとして、中古バンを車中泊仕様にDIYした体験談をご紹介。費用や車検など気になる点についても解説していますので、「のんびり車旅がしたい!」そんな方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

アイキャッチ・記事中画像撮影:筆者

車に引きこもりながら、アウトドアがしたい

車中泊仕様のハイエースの車内

テント泊のキャンプではなく、車中泊スタイルやキャンピングカーそのものに興味があるという方も結構いるのでは?

じつは筆者もそのひとり。そもそもインドア派なのでキャンプには行かないのですが、旅は好きなのでのんびり車で遠出をするスタイルが理想でした。

でも、キャンピングカーは買わない。「バンコンDIY」で費用を削減!

とはいえ高額なキャンピングカーは、気軽には買えないもの。そこでおすすめなのが、ハイエースなどのバンをキャンピングカー仕様にDIYすること!

この記事では、キャンピングカーを日常的に使っているインドア夫婦の、バン購入からDIYまでをレポートします。

きっかけは、たまたま参加したイベントで見かけたキャンピングカー

設備が整ったキャンピングカー

筆者たち夫婦が最初にキャンピングカーと出会ったのは、6年前。たまたま参加した地元のイベントに、ハイエースベースのキャブコンが展示されていました。

当時はアウトドアはもちろんキャンピングカーにすら興味がなかったのですが、出展者同士のご挨拶で伺った際に車内を案内してもらったとき……

車中泊仕様のハイエースの車内

当時から在宅でライターをしていた妻がひとこと。


この車で景色が良いところに出かけて、車内で仕事もできたら最高!

インドア派夫婦が、キャンピングカーや車中泊旅の魅力に取り憑かれた瞬間でした。

費用を抑えるため、DIYにチャレンジ!

車中泊仕様のハイエースの車内

そこからキャンピングカーについて色々と調べたのですが、中古車でもかなりの高額。「いつかは買いたいね」と将来の目標のようになりかけていた頃、次の転機が訪れました。

ある日、妻が見せてきた雑誌の1ページ。そこにはバンの車内にベッドなどをDIYして、車中泊旅を楽しむ1組の夫婦が紹介されていたんです。

車中泊仕様のハイエースの車内

木をふんだんに使って、おしゃれに飾りつけられた車内。キャンピングカーの購入に比べると、格段に抑えられる費用

「こんなことできるんだ!」と驚きながら記事を読んでいると、妻がひとこと。

こういうの、作れない?

……かくして完全インドア派のDIY初心者が、キャンピングカーのDIYに挑戦することになりました。

DIYキャンピングカーが出来るまで…その① 費用は?

まずはベース車を45万円で購入

ボンゴブローニイ
ベース車のボンゴブローニイ

こうしてスタートした我が家のキャンピングカー作り、捻出できた予算はベースとなる中古バンの購入費用を含めて120万円。ネットで色々と情報を集めながら、どんな車内にするか夫婦で話し合いを繰り返しました。

ベースとなる車両は、当時はハイエースよりもかなり値段が安かった「ボンゴブローニイバン」に決定。知り合いに紹介してもらった業者を通して諸費用込み45万円で購入することができたのですが、これを「かなり安い!」と感じる方も多いのではないでしょうか?

6年前と今とでは、DIYにかかる費用は大きく変わっている

ボンゴブローニイ

筆者が中古のボンゴブローニイを購入してDIYしたのは、6年前。当時と今とではベース車の相場やDIYの材料となる木材の価格などが大きく変わってしまい、現在同じ予算感でDIYをするのは難しくなっています。

特に大きいのが、車両本体の価格。6年前は走行距離14万kmのボンゴブローニイが諸費用込みで45万円で購入できたのですが、現在では100万円近くの値段がついているケースも。DIYのベース車両として人気が高くなっているのと、そもそも中古車市場に出回っておらず価値が上がっているようです。

ボンゴブローニイに取り付けられたソーラーパネル

コロナ禍などの影響によるウッドショックにより、木材の価格も高騰。こちらも6年前の2倍以上の価格となっています。逆に6年前より安価で手に入るのが、当時25万円かけたポータブル電源やソーラーパネルといった電源周りの装備。こちらは年々進化を続けており、高性能化と低価格化が進んでいます。

DIYにどれくらいの予算を割けるかはこういった時流の事情にも拠るので、車両の価格相場はもちろん材料費などもしっかりチェックした上で、理想の装備をどこまで付けられるかを検討すると良いでしょう。

「この車で、何をしたいか?」を一番に考えてDIYの道筋を立てる

ボンゴブローニイの車内

筆者の場合、当時の車両価格を引いた残りは75万円。この範囲内でDIYする上で、まず最初に考えたのは「この車で、どんなことをしたいか。どんな空間にしたいか。」ということ。

そして導き出された答えは、旅先でパソコン作業ができ、疲れたらいつでも横になれる空間。もう、完全なるインドアな発想ですよね(笑)。そのために「必要なもの」と「必要ではないもの」を分けることで、理想の車内の形が見えてきました。

  • 長時間パソコン作業するための電源
  • パソコン作業をするためのスペース
  • いつでも横になれる常設のベッド

できるだけシンプルにすることで費用が抑えられるのはもちろん、DIY初心者の筆者でも理想の車内を作り上げることができました。

DIYキャンピングカーが出来るまで…その② ナンバー取得と車検は?

DIYでの8ナンバー取得は、かなり大変。4ナンバーのままでもメリットはある!

8ナンバーのナンバープレート

キャンピングカー(正式にはキャンピング車)は通常8ナンバーの区分になりますが、8ナンバーとして登録するには細かな決まり事がたくさんあり、素人のDIYですべての条件をクリアするのはなかなか大変

筆者のボンゴブローニイは、DIYを終えて車中泊旅を楽しんでいる現在でも4ナンバーの小型貨物車両としての登録のままです。

4ナンバーのナンバープレート

しかし、4ナンバーのままであれば、ベッドやキッチンなどの設備も「荷物として車に載せているだけ」という扱いになるため、8ナンバーのように細かな決まりを気にする必要は無し。

何より車内レイアウトの自由度が大幅にアップするというのは捨てがたい快適さでもあるので、「8ナンバーのキャンピングカー」にこだわりが無いのであれば、4ナンバーのままというのもおすすめですよ。

DIYでもルールさえ守れば車検に合格できるが、車検場で相談するのが◎

車中泊仕様のハイエースの車内

キャンピングカーのDIYに興味はあっても、車検がちゃんと通るのかが心配で踏み出せない方も多いのではないでしょうか。車検は車種ごとに定められたルールがきちんと遵守されているかが検査されますが、このルールさえ守っていれば素人のDIYでも車検を通すことができます。

また、車検においても8ナンバーの方がハードルが上がるので、4ナンバーのままであれば意外とスムーズ。筆者がDIYしたボンゴブローニイは、すでに4回車検に合格しています。

DIYの工具

とは言え不安が残るという方は、車検場(運輸支局)の検査員さんに確認しながら作るのがおすすめ。DIYしたキャンピングカーを確実に車検に通すには、プロに相談するのが1番です。

ポイントは、相談の内容を明確にしておくこと。簡単なものでいいので設計図を書いたり、DIY途中の車両を実際に見てもらいながら相談することで、的確なアドバイスがもらえます。

検査業務で忙しい時間帯を避けるためにも、事前に電話で相談して、日時を決めてから伺うようにしましょう。

インドア派ならではのキャンピングカーの使い方

思い立ったら、フラリと観光地へ

車内から見える富士山

こうしてできあがった理想の車で、車中泊を始めて5年。最初に思い描いた通り、インドアな車中泊を満喫しています。

筆者の自宅は箱根にあり、車で1時間ほど走れば富士五湖や相模湖といった自然あふれる山中や、湘南に伊豆半島といった海にも行くことができます。“キャンピングカー”を手に入れたことで、様々なスポットにアクセスしやすい好立地の恩恵をより満喫できるようになりました。

日帰りのつもりが、気分で車中泊に切り替えることも

海辺のボンゴブローニイ

休みのたびにその日の気分で景色の良い場所に出かけ、パソコン作業をし、疲れたらベッドで横になり……。暗くなったら家に帰るか、近くの車中泊スポットで1泊するかを考えたりしています。

その日・そのときの気分で予定を立てられるのが、車中泊の最大のメリット。パソコン作業をする予定で出発し、目的地に向かう途中でネットで見つけた情報が気になり、そのまま車中泊旅に予定変更という気ままなパターンもよくあることです。

バンコンなら、日常の足としても大活躍

休憩も仕事も、すこぶる快適!

車中泊仕様のハイエースでパソコン作業

それまで乗っていた車は手放したため、普段使いでもボンゴブローニイが大活躍中。静かな車内でパソコン作業をしたり、しっかりとしたベッドで1〜2時間の仮眠をとったりと、自由かつ快適に過ごすことができています。

また、筆者はライター業の傍ら繁忙期を中心に箱根の観光施設でアルバイトをしているのですが、観光業で多いのが中抜け休憩。朝食から夕食の間など3時間以上の休憩を挟むときも、車中泊仕様のマイカーならのんびりとリラックスできます。

食品の買い物も大助かり

車中泊仕様のハイエースに積んである冷蔵庫

キャンピングカーにはポータブル電源と車載冷蔵庫が積んであるので、冷凍食品やアイスなどを買っても急いで帰る必要がありません。これも、日常の足としてキャンピングカーを使うことの大きなメリットです。

インドア派にこそ、キャンピングカーがおすすめ!

車中泊仕様のハイエースの車内

キャンピングカーはその名前からアウトドアユースと思われがちですが、実はとてもインドア向きの車だと筆者は感じています。毎週のようにあちこちに出掛けていて一見アクティブなように思われますが、実は常に「車の中に引きこもっている」状態。

まさに“動くプライベート空間”が手に入るキャンピングカーライフ、インドア派にこそおすすめですよ!

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