レザーマンの新たな頂点「ARC」が登場
マルチツールで高名なLEATHERMAN(レザーマン)が、最新モデル「ARC(アーク)」を世界同時に発売しました。
レザーマンが創立40年を迎えることから、記念樹的なフラッグシップモデルとして開発されたそうです。
価格は49,500円(税込)となかなかのものですが、それも納得の高機能・高品質であるとのこと。さっそく全貌を見ていきましょう。
ツール数は驚きの20!
こちらは全ツールを収納した状態。全長は約108mmと手のひらサイズです。
この状態からナイフ等のツールを自在に取り出すことができ、また広げるとプライヤーが出現……って、見た方が早いですね。
こちらが分かりやすくツールを出した状態です。
搭載されたツールは全部で20にも及び、ワイヤーカッター付きのプライヤーをはじめ、ナイフやノコギリのカット系やドライバー大小2種といった工具系など、大充実のツール軍団となっています。
付属品はドライバーのビット(形状違いの先っちょ)11個と、ナイロンケース。ナイロンケースは背面にウェビングが設置されていて、ベルトに通して持ち運ぶことができます。
特に注目すべきはナイフブレード
ツールのなかでも特に注目したいのが、ナイフです。素材には2021年にアメリカで開発された「MagnaCut(マグナカット)」という鋼材を採用。
これはナイフ好きの冶金学者が開発した鋼材で、とても硬いのに割れにくい、そして錆びにくいのが特長です。
マグナカットは、お高いハイエンドナイフくらいにしか採用されない高級鋼材……なんですが、本製品はさらにDLCコーティングによって耐腐食性と耐摩耗性を向上させ、ナイフブレードにしてしまいました。ちなみにマグナカットを使っているマルチツールは史上初とのことです。
……と、ものすごいブレードを搭載していることがわかったところで、他のツールもいくつかピックアップして紹介していきましょう。
アウトドアで活躍するツールたち
プライヤーは想像以上に使える!
レザーマン製マルチツールのアイコンとも呼べるプライヤーは、工具のイメージが強いと思います。しかしこれがアウトドアで大活躍。上の画像のようにフィッシングプライヤーとして使う人も多いですね。
釣りをしないキャンパーでも、硬い地面や凍った地面からペグを抜くときなど、プライヤーは頼もしい鉄の指先となります。あとは熱いクッカーを持ち上げるときも重宝しますね。
また本製品は、レザーマンの革命的機構である「FREEシステム」を採用。これはハンドルの開閉をマグネット式にしたもので、片手でパカッと広げることが可能に。
片手で「カシャン」と変形させ、スマートにプライヤーにアクセスできます。
キャンプ中のさまざまな場面に出番が
キャンプ中、バーナー関係やファニチャーで「緩んだネジを締めたいだけなのに」と歯痒い思いをしたことはありませんか? 筆者はBUNDOKのチェアで経験があります。そんな万一に備え、手のひらサイズの本製品を持っておいて損はないでしょう。
あと地味にちょいちょい使うのがハサミ。ナイフがあれば大丈夫と思いがちですが、食材の包装など、ナイフでは切りにくいモノがそこそこ存在します。
他にも栓抜きや缶切りといった、「忘れると困るけど忘れやすい道具」は本製品のツールにまかせてしまって大丈夫です。
以上のようなプライヤー以外のツールも、前述したFREEシステムにより片手で取り出すことが可能です。爪をひっかけて引っ張り出す動作とは無縁なので、手袋のままでも作業を開始できますよ。
本製品は収納状態でハンマー機能も持っているので、軽量なペグなら打ち込みにも使用OK。ペグハンマーを持ちたくないULスタイルで、周囲にちょうどいい石が見つからないロケーションでは、救世主となり得るでしょう。
本製品の重量は244g。20ものツールを持っているので、1ツールあたりわずか12.2gです。まあこれは詭弁に過ぎませんが、ひとつの道具でさまざまな役割を担ってくれるのは、荷物の軽量コンパクト化につながります。
そんなに使わないツールもあるとは思いますが、1本持っておくことで、キャンプでいざというときの対応力が変わりますよ。
40年前から継承されてきた「らしさ」
創業者の実体験から生まれたレザーマン製品
冒頭の方でレザーマンが創立40年を迎えることに触れました。レザーマンの創業者はティム・レザーマン氏。低予算旅行中にレンタカーや宿泊ホテルの水道管トラブルに見舞われ、マルチツールの開発を決意したそうです。
氏がアレコレと思案を巡らせた形跡がこちら。ダンボールや木板を使ってイメージを形にしていったそう。今のアウトドアブランドでも、「紙を折り曲げてテントの形状を模索した」といった話を耳にしますね。
ラスボス感の漂うフラッグシップモデルへ
そうして出来上がったのがこちら、レザーマンの初代マルチツール「PST(ポケット・サバイバル・ツール)」。1983年にカタログ通販で発売されました。
今の製品と比べると非常にシンプルでツール数も少ないのですが、一目でレザーマン製品だとわかります。この「らしさ」を脈々と受け継いできて……。
……このたびの最新作、ARCへと繋がります。PSTの遺伝子を継承しつつ、素材も機構も数え切れないほどアップデートを重ねてきた結果、ツール数は倍以上、片手で展開可能となりました。こうして見ると何やらラスボス感が漂います。
値段は少々張りますが、マグナカットのナイフをはじめ多くの機能を使えると考えれば、購入を検討する余地はあるかと。マルチツールのラスボス、いかがですか?
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