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田中ケン氏キャンプシーン

田中ケン氏連載企画:アウトドアで人生が変わった『僕のターニングポイント・夢の実現編』

アウトドアを仕事とする『快適生活研究家・田中ケン』氏に、アウトドアに関するモノ・コト・ヒトとの出会いを連載していただくこの企画。どんなターニングポイントがあったのか、語ってもらっています。

目次

アウトドアに再開し、僕の中に沸々と湧き上がった一つの夢

田中ケン

アウトドアに再開した20代前半からは、日本だけでなく世界中でキャンプ、アウトドアを楽しんできた。車のラゲッジスペースや背中のザックの中にアウトドアギアを詰め込んで出かけていく。いつしか思うようになった、いつも行く場所は僕の場所ではない。そう、場所を借りて楽しんでいる。アウトドアが仕事になってももちろん変わらない。撮影やイベントでもいつも人の場所を借りている。自分の場所、自分の夢を表現する場所を手に入れたい。いつの頃かこの思いが強くなってきた。でも所詮かなわぬ夢。そんな風に思っていた。

今から18年前、キャンプイベントを企画した。今みたいにアウトドアブームではない時代だった。何か工夫が必要だった。ちょうどそのころ犬を飼い始めた僕は、犬をキーワードにしようと考えた。今では犬と一緒に泊まれるホテルやレストランがあるが、この頃はまだほとんどない時代。僕も愛犬を連れて出かけていくのはやはりキャンプだった。そう、犬と一緒のキャンプイベントを立ち上げたのだ。

忘れもしない1回目は、福島県にあるレジーナの森キャンプ場コールマンキャンプグラウンドだった。100サイト以上もあるキャンプ場だ。何の裏付けもない僕はここを貸し切ってしまったのだ。結果はご想像の通り、なんと集まったのは20数組。ものの見事に大失敗だった。でも、僕は企画のコンセプトは間違っていないと信じ、日帰りで楽しむディキャンプンイベントにしたりと工夫をしながら続けた。

挫折を繰り返したあの日々・・・

どうにか集客できるようになるまでに、数年の年月が経っていた。そんな時、僕たちのこのプロジェクトに興味を持ったある企業が、今は使っていないキャンプ場を運営してみないかと話を持ち掛けてきた。もちろん僕だけにそんな力はない。一緒にイベントを行っている会社を説得して、なんとかキャンプ場をオープンさせた。でも、僕のキャンプ場ではない。僕の夢を表現する場所ではなかった。僕はプロデュースという形でこのキャンプ場に携わっていた。

それから3年の月日が流れたころ、運営している会社が突然、キャンプ場をやめるということになった。僕は残念で仕方がなかった。自分の場所ではなくてもキャンプ場に携われているだけで楽しかったからだ。でも僕にはキャンプ場をやる力なんかない。このキャンプ場をやめることに納得せざる追えなかった。

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