そもそも焚き火が嫌いだった筆者
キャンプと言えば、焚き火に醍醐味を感じる人は多いですよね。けれど一方で、“焚き火嫌い”なキャンパーもちらほら。
煙や臭いが苦手・準備や後片付けが面倒・大切なギアやウェアに穴が開く……、など理由はさまざまですが、実は筆者もまたその一人でした。
ターニングポイントはこのセット!
初めての焚き火セットは、スノーピーク「焚き火台S」をベースにオプションを買い足し、7kg超えの重さ。質実剛健な名品なんですが、残念ながら筆者にはマッチせず……。
重さも相まって、回を重ねるごとに準備と片付けが面倒になり、焚き火をしないキャンプが当たり前になってしまいました。
ところが、そんな筆者にターニングポイントが到来! 準備と片付けが面倒なら、「小さなバッグに全部収まれば楽なのでは?」という発想に至り、自分なりの「焚き火セット」を集めてみることにしたんです。
今回は、筆者を見事「焚き火好き」へ昇華させた「俺の焚き火セット」について、じっくりご紹介していきます!
小さなバッグに全部入り!
その1. すべての始まり
Ballistics「ラージペグアンドツールバッグ」
もともとはペグケースとして使っていたバリスティクス「ラージペグアンドツールバッグ」。ですが、これに焚き火ギアを収納できれば手軽なのでは……と思い付き、ギア選定をスタートしました。
外寸は約W42×H16×D14cm、重さ約1kg(実測)で、焚き火ギアが一式、本当に入るのか疑問に感じるくらいコンパクト。
けれど、このバッグの最大の特徴は、金属フレーム入りの「がま口」が大きく開くところ。物の出し入れがとてもスムーズなので、見た目以上にたくさん入るんです。
また、尖ったペグを入れる前提で作られた商品なので、裏地は厚手で防水性のあるターポリン素材、底面と両サイドは板材入りでギアが突き抜ける心配もありません。
バッグ内の両サイドにポケットもあり、細かなアイテムを整理して入れておくのに便利。
というわけで、「俺の焚き火セット」の起源となったこのバッグ。この後は、実際に中に入れて使っているギアをご紹介していきます。
バリスティクス ラージペグ&ツールバッグ
サイズ | 幅42×マチ14×高さ16cm |
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重量 | 610g |
材質 | コーデュラナイロン(米国製生地)、ターポリン、スチールワイヤー |
その2. 僅かな灰しか残らない
モノラル「ワイヤーフレーム」
筆者の希望である「大きな薪も乗せられ、収納幅が短い焚き火台」となると、必然的に火床がメッシュ素材でコンパクトに畳めるタイプが有力候補に挙がってきました。
そこでチョイスしたのがモノラル「ワイヤーフレーム」でした。
ただし、こちらは標準で付属しているのが特殊耐熱クロス製の火床。筆者はよりコンパクトな収納性を求め、別売りのステンレスメッシュ製火床に交換して使っています。
展開サイズはW36×H28cmと大きな薪も乗せられて、フレーム重量は980g、ステンレスメッシュの火床は440gという軽さ。
火床とフレームを同時に片手で掴めるコンパクトさなのに、耐荷重は3kg(オプション五徳装着でさらに+3kg)と、タフで頼れる焚き火台です。
ステンレスメッシュは通気性が非常に良く、薪を最大効率で燃焼させることができます。
それ故に薪が早く燃え尽きてしまうというデメリットもありますが、僅かな灰になるまで焼き尽くしてくれます。
また、バッグには入りませんが、長崎のアウトドアセレクトショップ「マウンテンジャム」と「トリパスプロダクツ」共同開発の「JAMMETAL#001」を組み合わせて使うことが多いです。
思いつきでワイヤーフレームの乗せてみたら、上手くフィットして安定感があり、調理中の薪の継ぎ足しも容易です。
モノラル ワイヤーフレーム
使用サイズ | W36×H28cm |
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収納サイズ | 直径9x35cm |
重量 | 980g(本体) |
耐荷重 | 3kg+3kg(オプション五徳使用時) |
想定使用時間 | 約50時間(火床の特殊耐熱クロス部分のみ) |
モノラル 焚き火メッシュⅡ
使用サイズ | W36×36cm |
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収納サイズ | φ50×L300mm(ケースサイズ) |
重量 | 440g(メッシュ、ワイヤー) |
材質 | 耐食性ステンレス |
モノラル ワイヤーフレーム ソリッド
使用サイズ | W37 x H27.5cm |
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収納サイズ | 7x9x26cm |
重量 | 1050g(本体) |
積載重量 | 10kg |
材質 | アルミ合金/ステンレススチール |
その3. koti×グリップスワニー
焚き火グローブ
お次は、2021年に限定販売された、アウトドアセレクトショップのkoti BEAUTY&YOUTH(コティ ビューティ&ユース)とグリップスワニーのコラボレーションモデルの「G-1 グローブ」。
グリップスワニーの逸品として知られる耐熱グローブですが、スタンダードモデルのカラーはイエロー。筆者は限定モデルの珍しいミディアムグレーに一目惚れして購入しました。
「クロムなめし」を施されたステアハイドレザーは柔軟性があり、使うほど手に馴染む特徴が。グローブを装着して握ると、手の形が浮き出るほど柔らかで使いやすく、手放せない存在です。
さらに、従来の綿糸の5倍の強度で防弾チョッキにも使用され、熱にも強いハイテク素材ケブラーを縫い糸に使用。
焚き火だけでなく、取っ手が熱くなるクッカーを持つときや、鍋敷き代わりにも重宝しています。
ただし、残念ながら現在「ミディアムグレー」の限定モデルは完売。気になる人は、性能は同じイエローのスタンダードモデルか、他の別注モデルなど検討してみて下さいね。
▼DVERG×グリップスワニー 別注カラーはこちら
グリップスワニー G-1
材質 | アメリカ産牛皮革/ケブラ |
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グリップスワニー×サンデーマウンテン G-1 レギュラータイプ別注モデル
材質 | アメリカ産牛皮革 / ケブラ |
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カラー | キャメル、レッド |
その4. 発売日から6年
ロゴス「薪ばさみ」
2017年1月の発売時に購入し、2023年4月現在まで6年以上愛用するのがロゴスの「薪ばさみ」。
全長約42cmと、バリスティクス「ラージペグ&ツールバッグ」の横幅にジャストなのもチョイスの理由ですが、実は使い続けているのにはもう1つ大きな理由があるんです。
それは、当時ハマっていたレザークラフトで自作したグリップカバーを装着していること。
それゆえ愛着が湧き、薪ばさみのハトメ部分がグラグラして噛み合わせが悪くなっても、何度も叩いて修正しては、使い続けているんです。
もし壊れても、同じものを購入してグリップを移植するつもりですが、意外に壊れる様子がありません。ごくシンプルな構造でカスタムしやすく、頑丈なのが最大の魅力です。
ロゴス 薪ばさみ
サイズ | 全長約42cm |
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重量 | 約330g |
材質 | スチール、木材 |
その5. 地面のダメージを防ぐ
ZEN camps「焚き火シート」
ZEN camps「焚き火シート」は、最大耐熱温度約550℃のガラス繊維製シートに、両面シリコンコーティングが施され、ガラス繊維特有のチクチク感がないことが特徴。
また、濡れた地面に置いたり水洗いしても染み込まず、取り扱いが非常に楽なんです!
もちろん、メッシュからこぼれ落ちる灰をしっかり受け止め、地面へのダメージを軽減してくれます。
50×50cm、95×65cm、95×95cmの3サイズ展開で、筆者のおすすめは95×65cmの横長タイプ。
焚き火台のサイドに薪やツール類を置くスペースがあり、「アレどこいった?」と探すこともなくなりました。
溜まった灰はシートを折りたたんで炭捨て場へ流し込めるので手間要らず!
ZEN camps 焚き火シート 95×65cm
使用サイズ | 95×65cm |
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重量 | 約430g |
最大耐熱温度 | 約550℃ |
材質 | シリコン加工ガラス繊維 |
その6.最近手に入れた神アイテム
ZEN camps「アッシュキャリー」
そして最後のアイテムがこちら。筆者の焚き火嫌いの最大ポイント、後処理問題を解決してくれた神アイテムなんです。
以前は一般的な金属製の火消し壺を使っており、それなりに重宝していましたが……。なんとこちら、布製で袋状だからめちゃめちゃコンパクトに折りたためるんです!
こちらも3サイズ展開で(S)24×25cm、(M)29×23cm、(L)34×38cmから選べます。
筆者が購入したLサイズでもこのコンパクトさ。畳んでそのままツールバッグに入るので積載問題にも悩まされることがなくなりました。
先にご紹介した「焚き火シート」と同じく、高耐熱のガラス繊維がシリコンコーティングされた素材だから、燃え残った薪や炭を入れてもしっかり断熱して鎮火してくれます。
マチを広げると自立するため、焚き火台から灰を流し込みやすく、コンパクトながら使いやすさも兼ね備えています。
※ただし、厳密には火消し壺ではないので、炎が上がっていたり高温の燃えカスは入れないように注意しましょう。
ZEN camps アッシュキャリー L
使用サイズ | 38×34cm |
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重量 | 約390g |
材質 | シリコン加工ガラス繊維 |
最大耐熱温度 | 約550℃ |
思い入れがあれば、「嫌い」が「好き」になる
当初はとにかくラクに焚き火ができることにフォーカスして集めた道具でしたが、収納やデザイン性に優れているだけでは、ただの道具。
今ではそれぞれの道具に強い“思い入れ”やストーリーがあり、キャンプに行くたび「使いたい」と思わせてくれます。
何かワケがあって焚き火が“嫌い”なあなたも、敢えて焚き火ギア選びにこだわってみれば、より快適になるだけでなく、気がついたら“好き”になっているかもしれませんよ。