他のギアとは違う理由で一軍入りしたクッカーたち
既に、これまでにも【俺の一軍】シリーズとして、「コーヒーギア」や「ランタン」などをご紹介してきた筆者。
これらはいずれも、実用性だけでなく、かなりデザイン面での筆者の好みを重視したチョイスだった気がしています。
ですが、こと「クッカー」に関しては、これまでのギアとは少々事情が異なります。
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残ったのは本当に“使える”クッカー
クッカーに関しては、筆者のこだわりで選び取ってきたというより、どちらかというと“自然淘汰”の結果、手元に残ってきたように感じています。
キャンプ歴10年を経て、現在手元にあるクッカーたちの共通項を考えたとき、気が付いたのは「実用性重視=筆者にとって本当に使える」という点でした。
今回は、そんな筆者のマイベストクッカー5選、詳しくご紹介していきます!
10年かけて整った【俺の一軍クッカー】5選
その1. 仰天の超軽量62g!「ヒルビリーポット」
優れたクラフトマンシップを武器に、ULスタイルや釣り、自転車旅で使えるギアを開発する東京高尾発のブランド、JINDAI MOUNTAIN WORKS。
彼らが町工場の職人と共作したのが「Hillbilly Pot(ヒルビリーポット) 550・350」。
「ヘラ絞り」という製法で、職人が一つ一つ手作りした超軽量アルミポットです。
バックパックキャンプやカヤックをする際、少しでも装備を軽くしたくて購入したのですが、超軽量なだけでなく、「あそび」を持たせたサイズ感も魅力なんです。
550は、110サイズのOD缶+コンパクトタイプのシングルバーナーを入れるのに最適。350は、アルコールストーブ+固形燃料で運用するのにちょうど良いサイズ感。
毎回どんなギアと組み合わせてスタッキングするか、吟味するのも醍醐味です。
また、軽量クッカーというとチタンが注目されがちですが、ヒルビリーポットは0.8mm厚という極薄のアルミ製。熱伝導率が高いため、素早い湯沸かしや調理に最適です。
取っ手がない代わりに、付属の難燃&断熱素材のカーボンフェルトを巻きつければ、手で持てます。
フチを触ってしまいそうな不安もありますが、この究極にシンプルなデザインも魅力の1つです。
手で掴むのが不安な場合は、別売りのリフターを使用すれば安心です。ただし、ポットのフチに必ず傷がつくので、ピカピカのままで使いたい場合には要注意!
蓋にはナイロン紐が穴に通してあり、熱くならず手で掴めます。
ただし、沸騰中は穴の隙間から蒸気が噴き出すので、「必ず火を消してから掴むべき」と、身をもって体感した筆者でした……。
▼ヒルビリーポットの詳細はこちら
その2. 本家を凌駕?!漆黒の「ダイソーメスティン」
黒ギアフリークでもある筆者は、当初「黒いからいいな」という理由で買い足したダイソーメスティン。
ですが、実は黒色の正体は「フッ素加工」によるもの。炊飯してもとにかくくっ付かない! つけ置きなしでもスルッと洗えて、「炊飯後、底面に米がベッタリ」ともおさらば。
予想外の使い勝手の良さで、もうトランギア製には戻れないかも……。
ちょうど米1.5合が炊けて、トランギア製とほぼ変わらないサイズ。お馴染みのスタッキングが可能で、110サイズのOD缶やシングルバーナー、ナイフなども収納できます。
何よりお値段が¥1,100(税込)と高コスパで、本家以上の使い心地は反則?!
その3. 静寂を壊さない「ストームクッカーS・ブラックバージョン」
クッカーの中でも特に気に入っているのが、トランギア「ストームクッカーS・ブラックバージョン」。
869gと軽量なアルミ製で、直径18×高さ10cmというコンパクトな収納状態からは、想像がつかないほどのパーツが詰まっています。
土台・風防兼五徳・フライパン・ソースパン×2・リフター・アルコールストーブの、全7アイテムが標準セット。
さらに、別売りの「ケトル 0.6L」や湯切り蓋兼まな板の「マルチディスク」まで収納可能です。
フライパンとソースパンはノンスティック加工済みで、食材がほとんどこげ付かず、調理後のお手入れもラクちん。
まるでマトリョーシカのように中へ中へと収納でき、ケトルの中にはまだ小さいアルコールボトルや分割式の箸などが入る余力があります。
ここに別売りのガスバーナーを組み込むこともできますが、付属のアルコールストーブで「こなれ感」を楽しむのが筆者の好み。
またアルコールストーブは、火力調整ができない代わりに、燃焼時に無音で静か。なので、自然の音を聞きながら過ごすのに最適なんです。
特に、轟音のガソリンバーナーで暖を取る冬季は、静かな明け方に起きて写真や動画の撮影を楽しむ筆者にとって不可欠な存在です。
まだまだ伝えたいことが山ほどある、お気に入りクッカーです。
トランギア ストームクッカーS ブラックバージョン
収納サイズ | Φ18×H10cm |
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重量 | 869g |
材質 | フライパン(Φ18㎝)/アルミ製(ノンスティック加工済)、ソースパン(1.0ℓ×2)/アルミ製(ノンスティック加工済) |
その4. 迷ったらコレ一択!スノーピーク「ヤエンクッカー1000・1500」
ポット・フライパン・蓋・ハンドルがセットになったスノーピーク「ヤエンクッカー1000・1500」。フッ素加工が施され、アルミ合金製の軽量かつ大容量クッカーです。
しかも、これまで深型クッカーでしかできなかった調理ギアのスタッキングを、浅型で実現した点が画期的なクッカーなんです。
1000には同じくスノーピークの風防一体型ガスバーナー「ヤエンストーブナギ」がスッポリ。1500なら、さらに110サイズOD缶・カトラリーなども一緒に入れられます。
また、フライパンを蓋にすれば、1000には110サイズOD缶×2、1500には250サイズOD缶×2と共に「ヤエンストーブレギ」が入ってしまいます。
蓋には湯切り穴、ポットの両サイドには注ぎ口を備えるなど、細部の使い勝手にまで配慮。蓋のつまみはシリコン製で熱くならず、加熱中でも素手で掴めます。
筆者は、ソロやデュオキャンプの際にはヤエンクッカー1000を、ファミリーキャンプでは1500を買い足して使い分けています。
1500の中に1000のフライパン・ポット・ハンドル×2・「ヤエンストーブナギ」・「ギガパワーストーブ」を入れたり、シーンに合わせてさまざまな組み合わせでスタッキングできるのが魅力です。
やや地味なデザインながら、大容量かつ軽量で使いやすく、収納力もバツグン。迷ったときにはコレ一択で間違いナシ!
スノーピーク ヤエンクッカー1000
使用サイズ | ポット/187×177×66mm(ブラケット部を除く)、フライパン/φ171×35mm(ブラケット部を除く)、フタ/φ171×15mm(ツマミを除く) |
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収納サイズ | 94(h)mm |
重量 | 390g |
容量 | 鍋/1.2L(満水) |
材質 | ポット・フライパン・フタ/アルミニウム合金 、ブラケット・ハンドル/ステンレス、 ツマミ/シリコンゴム 、収納ケース/ナイロン 、緩衝剤/ポリエステル |
スノーピーク ヤエンクッカー1500
使用サイズ | ポット/223×212×75mm(ブラケット部を除く)、フライパン/φ206×46mm(ブラケット部を除く)、フタ/φ206×15mm(ツマミを除く) |
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収納サイズ | 115(h)mm |
重量 | 520g |
容量 | 鍋/1.9L(満水) |
材質 | ポット・フライパン・フタ/アルミニウム合金、ブラケット・ハンドル/ステンレス、ツマミ/シリコンゴム、収納ケース/ナイロン、緩衝剤/ポリエステル |
その5. 9年選手!パール金属「片手グリルパン 20cm 蓋付」
キャンプを始めて間もない頃に購入してはや9年。パール金属の「片手グリルパン 20cm 蓋付」は、焚き火調理・ピザ・ラザニアなどグリル料理を作るときに愛用中。
取っ手を含む全長は285mmで、幅205×高さ35mm。取っ手は細いですが、グローブをしたままでも持ちやすい形状です。
もともと家庭用なので、魚焼きグリルやオーブンにも入るサイズ感なうえ、IHにも対応。自宅でも活躍しています。
さらに、鉄製で蓄熱性が高く、焚き火でもガシガシ使えるのに、重さは518g。同じパール金属の「20cm鋳物スキレット」に比べ、半分以下という軽さも魅力です。
同じく鉄製の蓋を被せれば、焚き火台の下に置いたり、炭を乗せてオーブン調理も可能です。蓋をしても魚焼きグリルに入るので、自宅でもオーブンより短時間調理が叶います。
価格も1,820円(Amazon:2023年3月現在)と比較的安く、焚き火からIHまでマルチに使えて、非常にコスパの高いアイテムです。
ただし、シリコンコーティングが施され、基本的にはシーズニング不要ですが、焚き火で使っているうちに剥がれてきてしまうため、油を塗ってシーズニングしながら使うことをオススメします。
パール金属 片手グリルパン 20cm 蓋付
サイズ | (約)全長290×幅215×高さ50mm(蓋使用時)、皿の高さ35mm |
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重量 | (約)730g(蓋使用時) |
材質 | 鉄(シリコーン樹脂塗装) |
見た目よりも「楽で使いやすい」が最優先
他にも多数のクッカーを所有していますが、こうしてスタメンを並べてみると、どれも「取り扱いが楽で軽量」な物ばかり。
一つ一つ使用シーンが違い、調理も後片付けにも時間をかけたくないという気持ちが全面に押し出されているラインナップでした。
10年かけて洗練されたお気に入りクッカー達、是非クッカー選びの際に参考にしてみてください。