新作ツーリングテントはまさかの2ルーム
最近バイクでツーリングに行ったついでにキャンプするのが流行っています。ただバイクは積載量が限られるのでギアは小さくないといけません。
そんななか、ワークマンがこの秋冬の新作として発売した「耐久撥水ツーリングシェルター」はなんと2ルーム仕様!
二輪ジャーナリストとして、これは実際に使ってみないわけにはいきません。
ちなみに、ワークマンは2022年春夏製品として、「ミシックツーリングテント」というギアをリリースしています。
こちらは、ソロツーリング用テントといった製品でしたが、今回の耐久撥水ツーリングシェルターはいろいろサイズアップしています。
スペックをチェック
●カラー:ブラック
●本体サイズ:長さ405×幅140×高さ140cm
●インナーテント:長さ215×幅130×高さ130cm
●収納時:直径23×長さ62cm
●重量:4.2kg
「ミシックツーリングテント」はブラックとブルーが用意されていましたが、今作ではブラック一色。
価格は5000円ほど高くなっていますが、長さは210から405cmnになりほぼ倍。幅や高さもサイズアップしています。
実際に使って分かった8つの特徴
1. 広いリビングスペース
リビングスペースは長さ180cm×幅130cm×高さ130cmと広いのでソロツーリングならタープが不要です。
テントとタープを両方立てると時間がかかってしまいますが、2ルームなら時短できます。
雨天時にはファスナーを締めれば、濡れずに室内で快適に過ごすことができます。
2. メインポールは軽量なアルミ製
「耐久撥水ツーリングシェルター」は軽量なアルミ素材を採用しています。
前作の「ミシックツーリングテント」はグラスファイバーが使われていました。一概にグラスファイバーが悪いわけではありませんが、アルミの方が軽量なのでツーリングテント向きです。
3. 余裕のあるインナーテント
インナーテントサイズは長さ215cm×幅130cm×高さ130と広めなので、シートバッグやヘルメットなどを入れても寝るスペースは十分に確保できます。
ヘルメットやシートバッグをリビングスペースに置くなら二人は寝れちゃえそうです。
天井にはランタン用のフックも配置されていました。夜間テント内で過ごすのに良さそうです。
4. 収納可能なスカート付き
フライシートはスカート付きなので冷気や雨風から守ってくれますが、風通しが悪くないので夏場は熱気がこもりがちに。
「耐久撥水ツーリングシェルター」のスカートはロールアップすることが可能なので、室内の温度調整ができます。
5. 初心者でも立てやすい設計
インナーテントは前後がありますが、ポールの位置は色でわかるので迷いません。
フライシートとの連結はバックルでおこなう上に、色も統一されています。
組み立て自体も吊り下げ方式なので説明書を読まなくとも、なんとなく設営できます。
6. インナーテントはベンチレーション付きで温度調整しやすい
インナーテントには大きな窓が二つあり、メッシュやフルオープンにすることが可能です。インナーテントは熱がこもりがちですが、空気がしっかり抜けるので快適に過ごせました。
リビングスペースの逆側に関しては入り口はありませんが、全面メッシュとなっています。
ただこちら側のフライシートのベンチレーションが小さめなのが残念。
ファスナーで大きく開閉できる形であれば、さらに通気性が良くなりそうです。
7. フライシートの高い耐水圧と紫外線保護機能
フライシートの対水圧は2000mm。よほどの大雨でなければ浸水してしまうことはないでしょう。
日焼けしたくないという方向けに、紫外線をカットする機能が追加されているのもポイントです。
なおフロアシートの耐水圧は3000mmと決して低くはありませんが、体重がかかると浸水しやすいのでマットは必須です。
8. インナーテント内は意外と明るい
フライシートの色が黒なので、インナーテント内は暗いのでは? と思ったのですが、窓を開ければ意外と明るくてビックリしました。
読書などの際にも暗くて見ずらいという事はなさそうです。
うーんと思った4つのポイント
1. 収納サイズはちょっと大きめ
収納サイズは直径23×62cmと大きめ。
ツーリングテントとしては長さ50cmを超えてくると大きめという印象を受けます。
「ミシックツーリングテント」を同じシートバッグに入れてみると大きさの違いは一目瞭然。
この状態ならマットやシュラフなど他のギアも十分に入りますが、一方で、「耐久撥水ツーリングシェルター」は一つでスペースをかなり使ってしまいます。
できればシートバッグの上に固定するなど積載方法に工夫したいところ。
Dリングがついているシートバッグなら荷締めベルトとネットを使うと安心です。
2. ツーリングテントとしては重い
スペック上の重量は4.2kg。ポールやペグに軽量なアルミを採用するなど軽量化にはこだわっていますが、一般的なツーリングテントは2kg前後なの、そので二つ分という事に。
2ルームの快適性とトレードオフと言ってしまえばそこまでですが、ライダーとしては重さは気になるポイントです。
3:収納がやりづらい
フライシートが大きいので収納するときに一人だと畳んで、袋に収納するのが大変です。
筆者が愛用しているテントは収納が専用バッグなので、あまり苦労したことがありません。
ワークマンが販売している「ボストンバッグ」と併用すると良さそうです。お値段も980円とお得。
4:リビングスペースのベンチレーションがイマイチ
リビングスペースは一か所しか出入口がないうえに、ベンチレーションが小さめです。
出入口を一か所増やすか、大きめのベンチレーションが欲しいところです。
実際のところ使えるのか?
この機能性で価格は1万5000円以下。「実際、大丈夫なの?」と思う人も多いのではないでしょうか?
耐久性だけは長く使ってみないとわかりませんが、実際に設営した感じだと、強度面に不安はないように思います。
ポールはアルミで実測8.64φでした。素人採寸なのでおそらく9mmだと思いますが、高さ140cmを支えるフレームとしては十分。
地味で気が付きにくい点ですが、「ミシックツーリングテント」は自在金具がプラスチックでしたが、今作ではアルミを採用していて、テント用ロープのテンションをしっかりかけられました。
ペグダウンに関してはインナーテント6か所、フライシート14か所ですが、強風時などにはスカートを固定できるようになっており、ペグの数は38本も入っています。
それでもテントが風で飛んでいかないか不安という方は、「鍛造スチールペグ」が一本199円で販売されています。
インナーテントを固定する6本と、フライシートのメインロープ4本を固定するペグを鍛造スチールペグ25cmに変えれば、強固に地面に固定することができるはずです。
十分に使えるツーリングテントだった
要望がないわけではありませんが2ルームのわりに設営は楽ですし、リビングルーム、インナーテントが広いので落ち着いて自分時間を過ごすことができます。
これで14,800円はワークマン恐るべしです。
▼耐久撥水ツーリングシェルターの詳細はこちら