単眼鏡とは?
単眼鏡とは、片目で覗いて使用する望遠鏡の一種です。双眼鏡の鏡筒がひとつになったものをイメージすると分かりやすいでしょう。
手のひらに収まるほどコンパクトなサイズで軽い製品が多いので、ポケットやバッグに入れて気軽に持ち出すことができます。
屋外で遠くにあるものを見るだけでなく、美術館や博物館などで展示物を拡大して鑑賞したいときにも便利です。
双眼鏡とどっちが便利?
単眼鏡は、双眼鏡と比較して優れている点がある一方、デメリットといえる部分もあります。
購入する前に、以下のようなメリット・デメリットを理解しておきましょう。
単眼鏡のメリット
単眼鏡は、なんといっても軽くてコンパクトなところがメリット。手軽に持ち運びしやすいのが魅力です。
ポケットやバッグに収納しても邪魔にならない大きさのモデルも多いので、お出かけのときに持ち歩くのに便利といえます。
また、双眼鏡に比べて至近距離にあるものを見るときにピントを合わせやすいため、絵画の鑑賞や植物の観察などに使われることが多いのも特徴です。
単眼鏡のデメリット
単眼鏡は、両目で対象物を見る双眼鏡とは違い、距離感や立体感がつかみにくいのはデメリットといえます。
また、片目で使用する分、視野も狭くなるため、基本的には動きの速い対象物を追いかけ続けるような用途なら双眼鏡のほうが有利です。
▼双眼鏡のおすすめを詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ!
どんなシーンで役立つ?
双眼鏡と比べると具体的な使用シーンがイメージしにくいかもしれませんが、単眼鏡は以下のような場面で役立ちます。
美術館や博物館で展示物を細かく見るのに便利!
各施設の鑑賞ルールの範囲内であれば、美術館や博物館で展示されている絵画、彫刻などを鑑賞するとき、単眼鏡があると細部までじっくりと鑑賞することができます。
コンパクトなサイズなので、双眼鏡に比べると周囲の目を気にせずに使用しやすいのもメリットです。
コンサートやライブ、演劇、スポーツ鑑賞に使える!
コンサートやライブ会場では、アーティストの動きや表情をよりリアルに感じ取ることが可能です。
スポーツ観戦中には「ここぞ!」という場面をアップで見られます。
簡単な天体観測やバードウォッチングなどアウトドアでも有用!
アウトドアでは簡単なバードウォッチングや天体観測を楽しんだり、登山でルート検索をしたりするときに活躍します。
ただし、使い方によっては双眼鏡や望遠鏡、フィールドスコープなどのほうが適している場合もあるので、メリット・デメリットを踏まえて判断しましょう。
基本的な使い方は?
単眼鏡は片手で持てるサイズ感のものが多いですが、三角形を作るように両手でしっかり固定して持つと安定感が増します。
まずは、肉眼で対象物の位置を確かめてから接眼レンズに目を当てるようにしましょう。そうすることで、覗きながら対象物を探すことなくスムーズに見ることができます。
そのあとは、対象物が鮮明に見えるまでピントを調整してください。近くのものを見るときは単眼鏡のレンズを開いていき、遠くのものを見るときはレンズを狭めていきます。
最初は焦点合わせに時間がかかるかもしれませんが、何度か繰り返すことでコツを掴み、慣れることができるでしょう。
単眼鏡の選び方
単眼鏡の情報を調べると専門用語がたくさん出てきて、初心者の方は選び方に困ってしまうかもしれません。
そこでここからは、単眼鏡の失敗しない選び方のポイントを以下の項目ごとに詳しくご説明します。
1. 倍率
倍率とは、対象物をどの程度拡大して見ることができるかを示した値のことであり、数値が大きいほど対象物を拡大できるようになります。
たとえば、倍率が「10倍」の単眼鏡で50m先の対象物を見た場合、5mの距離まで近づいて肉眼で見たときと同じ大きさで対象物を見ることができます。
ただし、倍率が高くなるほど視野は狭くなるため、用途に合った倍率を選ぶことが大事です。
たとえば、美術鑑賞であれば基本的に4〜7倍ほどの倍率で十分。客席から舞台まで距離があるコンサートや演劇鑑賞、スポーツ観戦や、屋外でのバードウォッチングなどに使用する場合は、10倍前後のものがおすすめです。
高倍率モデルは手ブレも起こりやすくなるので、三脚で固定するか、防振機能が備わったモデルを選ぶようにしましょう。
2. 対物レンズ有効径
対物レンズとは、対象物側に付いているレンズのことで、そのレンズの口径を「対物レンズ有効径」といいます。
このレンズが大きいほどより多くの光を取り込むことができるので、レンズを覗いたときに明るい視野を確保することが可能です。
ただし、レンズ口径が大きくなると本体も大きくなり携帯性が悪くなるので、バランスを考慮して選びましょう。
3. 明るさ
レンズを覗いたときの明るさも重要なポイント。明るさは「対物レンズ有効径」を「倍率」で割った「ひとみ径」の2乗の数値で表され、その値が大きいほど明るい視野を確保できます。
実際の使用環境によって最適な明るさは異なりますが、使用場所ごとの必要な明るさの目安は以下のとおりです。
使用場所 | 必要な明るさ |
---|---|
明るい ※晴天時の屋外 | 〜4 |
通常 ※日陰や明るい室内 | 4〜9 |
薄暗い ※照明が落ちた室内 | 9〜25 |
暗い ※夜間の屋外 | 25〜 |
あくまで目安の数値ではあるものの、明るさを選ぶときの参考にしてみてください。
4. 最短合焦距離
最短合焦距離とは、最も近くでピントが合う距離のことであり、どこまで近づいて対象物を見ることができるかを示しています。
美術館や博物館で展示物を拡大して見たいときや、植物観察でルーペのように使用したいときは、最短合焦距離の短いモデルを選ぶとよいでしょう。
5. アイレリーフ
アイレリーフとは、接眼レンズから目を離していったとき、視野全体を見られる限界の距離を示した数値。
アイレリーフが15mm以上あるものをロングアイレリーフ(ハイアイポイント)と呼び、一般的にはメガネをかけた状態でも問題なく単眼鏡を使用することができます。
6. そのほかの機能
上記のポイントのほか、用途に応じて以下のような機能の有無にも注目してみましょう。
防振機能
特に高倍率モデルの場合は手ブレが生じやすいので、防振機能があると安定した視界を確保しやすく、使い勝手が広がります。
防振機能
アウトドアやスポーツ観戦、バードウォッチング、星空観察などで使用する場合は防水機能が備わっていると雨が降っても安心です。
スマホホルダー
単眼鏡のなかには、スマートフォンのカメラを使って望遠撮影ができるようにスマホホルダーが付いているものがあります。
単眼鏡のおすすめ12選【用途別】
単眼鏡のおすすめを、以下の用途別に紹介していきます。ぜひお気に入りを見つけてみてくださいね。
美術館向け
美術館や博物館など展示物を拡大して見たいときは倍率4〜7倍程度がおすすめ。
また、展示物の品質保護の目的で照明を落としている場合が多いので、対物レンズ有効径が大きめのものを選ぶと明るく見ることができます。
ビクセン マルチモノキュラー H6×16
手のひらに収まるコンパクトサイズで美術鑑賞におすすめの単眼鏡。レンズ全面に反射防止コーティングが施されているので、明るくクリアな視界を確保できます。
美術館や博物館で展示物の細部を拡大させて観察するときに最適な6倍の倍率。ソフトタイプの専用ケースとストラップが付属しています。
ビクセン マルチモノキュラー H6×16
BESPIN 単眼鏡 美術館モデル 4×12 アーツモノキュラー
高級輸入ガラスとブルーレンズコーティングにより、薄暗い館内でも明るい視野で展示物を鑑賞することができるコンパクトな単眼鏡。視野が広いうえ初心者でもブレにくく扱いやすい4倍を採用しています。
最短焦点距離は業界最短クラスの16cmを実現しているので、作品に寄って観察することが可能。アイレリーフ15mmのハイアイポイント設計のため、メガネをかけたまま使用できます。
BESPIN 単眼鏡 美術館モデル 4×12 アーツモノキュラー
ニコン モノキュラーHG 7×15D
ポケットに入るコンパクトサイズで気軽に持ち出すことができるニコンの単眼鏡。外側に金属素材を使用したおしゃれなフォルムが特徴です。
7倍の倍率を採用しているので、美術館や博物館での作品鑑賞や旅行などでの使用に最適といえます。
ニコン モノキュラーHG 7×15D
コンサート・ライブ向け
コンサートやライブ向けでの用途なら、倍率は4〜10倍ほどを目安にするとよいでしょう。
また、倍率を上げるほどブレやすくなるので、防振機能が備わっていると便利です。
ケンコー・トキナー CERES-M 7×18単眼鏡
7倍の倍率がありながら重さはわずか35gで、ポケットに入れても気にならないサイズ感を実現。
手荷物を持たずにイベント会場を移動するようなシーンでも使いやすいのがメリットです。
ケンコー・トキナー CERES-M 7×18単眼鏡
ケンコー・トキナー ウルトラビューI 7〜21×21ズーム
見たい対象物に合わせて倍率が変えられるズーム単眼鏡。7倍から21倍まで倍率が調整できるので、コンサートやライブ会場、フェスなどのイベントで活躍します。
マルチ(多層膜)コートを採用しているので光の透過率が上がり、明るい視界を確保。重量は74gで、専用ケースが付属しているため手軽に持ち運ぶことができます。
ケンコー・トキナー ウルトラビューI 7〜21×21ズーム
ビクセン 防振単眼鏡 ATERA H6-12×25
6倍から12倍のズーム式で手ブレ補正機能を搭載したビクセンの単眼鏡。コンサートやライブ会場で倍率を上げて使用しても手ブレ補正機能が威力を発揮し、アーティストの表情や動きをはっきり捉えることができます。
また、三脚を使用しなくてもブレずに安定した視界が得られるので、屋外での星空観察などでも便利。電池式で約30時間の使用が可能です。
ビクセン 防振単眼鏡 ATERA H6-12×25
アウトドア・スポーツ観戦向け
アウトドアでの簡単なバードウォッチングや天体観測を楽しんだり、スポーツ観戦をしたりするのに使う単眼鏡なら、倍率10倍程度を目安にするとよいでしょう。
雨が降っても安心して使えるように、防水機能付きのモデルがおすすめです。
ケンコー・トキナー 単眼鏡 V-TEX 10×30
レンズ口径30mmの本格派で明るく見やすいケンコーの単眼鏡。倍率は10倍でスポーツ観戦やレジャーでの使用に最適です。
大きめのレンズ口径を使用しながら重量は238gと軽量で、十分片手で持てるサイズ感。ソフトケースや落下防止のハンドストラップが付属しています。
ケンコー V-TEX10×30
ボルテックス MONOCULAR SOLO 10×36
Amazonで圧倒的な高評価を獲得している倍率10倍の防水単眼鏡。耐久性のあるラバー素材を外装に使用しているので滑りにくく、落下しても傷になりにくいためアウトドアでの使用に最適です。
窒素ガス封入により防水性が高く、レンズの曇りを防止。片手でピント調整がしやすいフォーカスリングを搭載しています。
ボルテックス MONOCULAR SOLO 10×36
GOSKY 単眼鏡 12×50
光学多層膜コーティングが施された50mmの対物レンズを搭載した単眼鏡。高い光透過率で薄暗い環境でも立体的で明るい視野が広がるため、夕暮れ時や霧で暗い環境での野鳥観察でも効果を発揮するでしょう。
防水性や防曇性に優れ、耐衝撃グリップを採用。ネジ穴を装備しているので、三脚に固定して安定した状態で観察することもできます。スマホアダプターが付属しており、撮影用に使うのもおすすめです。
GOSKY 単眼鏡 12×50
SVBONY SV301
重さ161gとコンパクトな設計で、屋内外で使いやすい単眼鏡です。金属製のボディに滑り止めの赤いゴムが施されています。
落下防止のハンドストリップが付いているほか、IPX5の防水性能を備えていて、アウトドアでの使用にも適した製品といえます。
SVBONY SV301
ミリタリー仕様の本格派向け
ミリタリー仕様のモデルは耐衝撃性、防水性などの機能面はもちろんのこと、デザインも注目したいポイント。
キャンプなどのアウトドアシーンに映えるアースカラーのデザインが人気です。
サイトロン 単眼鏡 TAC-M728
軍用双眼鏡の定番モデル「TAC-36M」の携帯性をさらに高めたサイトロンの単眼鏡。
防水性や耐衝撃性はTAC-36Mと同等で、レティクル入りのため対象物の大きさや距離などを測定可能です。
サイトロン 単眼鏡 TAC-M728
ボルテックス SOLO TACTICAL RT 8×36
レティクルを搭載したボルテックスの単眼鏡。瞬時に取り出して使用しやすいコンパクトな設計です。
完全防水仕様で悪天候でも使用可能。本体にクリップが付いているほか、専用ケースとストラップが付属しているので持ち運びに便利です。
ボルテックス SOLO TACTICAL RT 8×36
さまざまなシーンで役立つ優れもの!
単眼鏡は美術鑑賞やスポーツ観戦、簡単な天体観測など、さまざまなシーンで役立つ優れもの! 用途に合った機能を備えたモデルを選べば快適に使用できます。
今回紹介した失敗しない選び方や使い方、用途別のおすすめ商品を参考に、さまざまなシーンで活用してみてくださいね。