マキタ「充電式ケトル」の特長をチェック
無骨な見た目がカッコいいマキタの充電式ケトル。さっそく、特長とディテールをチェックしていきます!
マキタ 充電式ケトル 40Vmax
使い方
「充電式ケトル」の使い方は簡単で、台座にバッテリーとケトルを取り付けるだけ。電源スイッチを押すとオレンジ色に光り、湯沸かしがスタートします。
何リットル沸かせるの?
ケトルの容量は800ml。カップラーメンで使うお湯の量が1個350mlと考えると、およそ2個分のお湯がまかなえる容量です。
MAXと書かれているところまで水を入れてもまだ余裕があるので、これ以上入れなければ吹きこぼれることはありません。
ちなみに、筆者が家で使っている電気ケトルが同じくらいのサイズで1,200ml沸かせることをふまえると「見た目よりは容量少なめかな……?」と感じましたが、これには理由が。
二重構造で冷めにくい
見た目よりも容量が少なく感じた理由は、ケトルが二重構造になっているから。樹脂でステンレスを覆うことで、沸かしたお湯の温度をキープできるようになっています。
公式サイトによると、上記の通り水温をキープできるとのこと。この辺のスペックは外気温に左右されるのであくまで参考ですが、すぐにぬるくならないのはキャンプでは嬉しい嬉しいポイント。
また、沸騰の状態でも外側のボディはほんのり「あったかいな」くらいでチンチンに熱くならないため、安全面でも◎。
ホコリが入りにくい注ぎ口
よく考えられているなと思ったのが、注ぎ口。家庭用ケトルと違って注ぎ口が剥き出しではなく必要最低限の口になっているため、内部にホコリなどが入りにくいつくりです。
気になる“注ぎやすさ”は?
ゴミが入りにくいように注ぎ口が細くなっているので、傾けてもドバーッと出ず、ていねいに注げます。湯量のコントロールができるので、コーヒーのハンドドリップもしやすかったです。
フタにロック機能付き
フタを閉めるとロックがかかり、転倒による漏れを最小限にとどめてくれます(※ポタポタと少量は出てしまう)。ここでのポイントは、ボタンを押さずとも自動的にロックされるところ。
一般的なケトルはボタンを押すことでロックがかかる仕様が多いのですが、「充電式ケトル」は解除するときにボタンを押す仕組みなので押し忘れがありません。
裏側のスイッチ
台座の裏には接地を確認するボタンのような突起があり、テーブルなどに置いているときにしか電源がオンにならないようになっています。
細かいところにまで安全面が考慮されたつくりだなー、と感じます。さすがマキタ。
持ち運びしやすい
台座にはハンドルがついているので、ラクに持ち運びできます。ただし、熱いお湯が入った状態での持ち運びは危ないので、「水」か「空っぽ」のときに。
無骨なルックス
カラーはオリーブとブルーの2色展開。ブルーは「THE・マキタ!」という感じですが、オリーブはアイアンやミリタリーテイストのキャンプ道具と相性バッチリ。この無骨さがまたカッコいい!
フタが外せる
フタは取り外しOKなので、使ったあともストレスフリー!
と、ここまで基本的なスペックを確認してきましたが、次項からは使用感を確かめるため、徹底的にレビューしていきたいと思います!
すぐ沸くの? バッテリー2本で湯沸かしタイム実証
いちばん気になるのは、800mlの水が何分で沸くのか?という点。前置きしておくと、この「充電式ケトル」は使用するバッテリーの種類によって沸騰時間や、沸騰させられる水量が変わります。
使用できるバッテリーは3種類のみ
まず、使用できるバッテリーは40Amaxシリーズの
・2.5AhのBL4025
・4.0AhのBL4040
・5.0AhのBL4050F
この3種類です。
公式HPには最上位である「BL4050F×1本で約7分」とだけしか記載がなく、他のバッテリーだと何分かかるんだろう? と疑問でした。
今回使用するバッテリーは、対応バッテリーの中でアンペアが一番低い2.5Ahの「BL4025」。のちに気がついた話なのですが、取扱説明書を読むと、実は同バッテリーは“推奨”バッテリーにはなっていませんでした(この理由は後ほど考察します)。
やってみなきゃ分からない! いざ検証スタート
事前のリサーチではいろいろ「?」が多かったので、とにかく使ってみることに。
さて、どうなる⁉︎ 湯沸かしまでの時間を計測していきます!
湯沸かし【1回目】
湯沸かし【2回目】
1回目の沸騰でケトルが少し温まっていたせいか、1回目より1分ほど早く沸きました。
湯沸かし【3回目】
ちなみに公式HPには、今回使用したバッテリーだと2本使用で「約1.2L/約1.5回」と書かれていますが、実際には「約1.6L/約2.5回」という結果になりました。
その他のバッテリーを使用した場合の目安は、以下のとおりです。
1充電あたりの湯沸かし可能水量/回数(0.8L)(目安)
製品名 | BL4025×2本 | BL4040×2本 | BL4050F×2本 |
製品画像 | |||
アンペア数 | 2.5Ah | 4.0Ah | 5.0Ah |
沸騰可能な水量 | 約1.2L | 約2.2L | 約3.0L |
回数 | 約1.5回 | 約2.7回 | 約3.7回 |
ただ「バッテリーの状態や気温、水温、気圧などにより変化します」とも記載があるので、あくまで参考値のよう。ということは、夏の暑い日ならもっと早く沸かせるのかもしれません!
バッテリーが切れたら
バッテリーの残量はインジケーターで確認できるので、ひと目で残りが分かります。
充電時間は、バッテリー1本につき約40分(実用充電)〜47分(フル充電)。室温などによって変動はあると思いますが、大体2時間もあれば2本分の充電完了です。
どうやらバッテリー1つでも使えるらしい⁉︎
公式サイトには「バッテリー1本でも使用可能」と書かれていたので、こちらも検証してみました!
検証時の状況は前回と同じです。
湯沸かし【1回目】(バッテリー1本の場合)
バッテリーのインジケーターをチェックしてみると残量がゼロになっており、電力不足で沸騰(100℃)までたどり着けず。お湯の温度を測ってみたら、85℃でした。
2.5AhのBL4025バッテリー1本の場合、800mlの水が7分53秒ほどで85℃まで加熱できた
バッテリー1本でも使えはするものの沸騰までいかないので、個人的には「充電式ケトル」のメリットが感じられないかな、と思います。
どうやらバッテリー1つでも使えるのは、今回使用したバッテリーより上位モデル(4.0Ahの「BL4040」、5.0Ahの「BL4050F」)になるようです。
湯沸かししてみて分かったこと
個人的な感想としては、2.5Ahの「BL4025」バッテリーでも十分使えると感じましたが、それは2本使用した場合の話。バッテリー1本だと沸騰まではいきません。だから取扱説明書には「BL4025」が“推奨”バッテリーになっていないのだろうな、と推測します。
ここが気になる……。
筆者がいちばん残念に感じたのは、使用できるバッテリーが限られている点です。使えるのは業務用で展開しているものだけで、家庭向きのマキタ製品のバッテリーはほぼ使えないと考えてよいでしょう。
筆者は元々家庭用のマキタのインパクトドライバとコードレス掃除機を持っており、そのバッテリーが活用できればと考えていましたが、結局使うことはできず……。
すでに対応バッテリーとその充電器を持っている方は充電式ケトルだけを買えばいい話ですが、一から揃えるとなるとなかなかの出資になるので、留意すべき点です。なんせ、充電式ケトル本体よりもバッテリーの方が高くつく……。
結論、こんなシーンにおすすめ
費用対効果を考えると万人受けするアイテムではないものの、すでにマキタの該当バッテリーを持っている方なら使い回せるので便利ですし、車中泊のとき、火を使いたくないときにはめちゃくちゃ“活きるアイテム”です。
個人的には畑作業のときにめちゃくちゃ重宝していて、車のラゲッジなど平らなところがあればテーブルを出さずとも湯沸かしができるので、土まみれのところでもパパッと食事が済ませられるのはありがたい!
また、なかには火気厳禁の公園や、コロナ禍を鑑みて一時的に火器の使用を禁止しているキャンプ場もあるので、そういった場面でも充電式ケトルが活躍してくれそうですよ!
公式サイトはこちら
マキタ 充電式ケトル 40Vmax