サイドオーニングとは?
「オーニング」(Awning)とは、「日覆い」や「日よけ用の布幕」のことを指します。サイドオーニングは車の屋根やルーフキャリアの側面(サイド)に収納ケースごと固定し、日よけや雨よけ、車中泊ではテント の前室のように使うことも可能です。
キャンピングカーには常設されていることも多く、乗用車のルーフキャリアに後付けで設置することもできます。
なお、家のベランダに設置する収納式の日よけも同じく「サイドオーニング」と呼ばれますが、この記事では車に取り付ける「カーサイドオーニング」 について解説します。
サイドオーニングとカーサイドタープの違いは?
サイドオーニングと似ているものにカーサイドタープ があります。どちらも日よけや雨よけの役割を担っています。
メーカーによっては両者を明確に区別していない場合もありますが、一般的な両者の違いを表で説明すると以下の通りです。
サイドオーニング | カーサイドタープ | |
---|---|---|
取り付け | ・車に常設 ・取り付け可能な車が限られる | ・使用時に取り付ける ・取り付け可能な車の種類が多い |
基本的な使い方 | ロールアップ収納されたオーニングを引き出し、ポールを立てて設営 | 車を支柱にする、もしくはタープの一部を車に固定して設営 |
価格 | 比較的高い | 比較的安い |
サイドオーニングは車に常設されているので使うのが簡単で、収納にも困りません。
ただし、取り付けできる車種は限られるほか、移動中に落下しない耐久性、安全性が求められるため、カーサイドタープと比較すると値段が高い傾向にあります。
カーサイドタープは使う度に設営する必要があるものの、取り付けできる車種が幅広く、サイドオーニングと比べると値段も安い傾向にあることがポイントです。
一方で、持ち運びの際は車に収納する必要があるので、ある程度のスペースが必要になります。
カーサードタープのおすすめは以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください!
サイドオーニングの選び方
サイドオーニングの選び方のポイントとしては、以下のような点が挙げられます。
取り付け方をチェックしよう
まず、自分の車に取り付けが可能かチェックしましょう。車種や年式はもちろん、ルーフキャリア、ルーフレールの形状によっても取り付け方が異なる場合があります。
そもそも設置することのできない車種もあるため、購入の前にしっかりと確認し、心配な場合はディーラーや車屋さんに相談するようにしましょう。
カーサイドタープの取り付け方は?
カーサイドタープはある程度調節が可能な場合が多く、さまざまな種類の車に対応できます。
ただし、基本的に走行時は車内に収納する必要があるので、キャンプの片付けの際には最後にカーサイドタープをしまうスペースを確保して荷物を車に積みましょう。
また、設置する際には吸盤フックを使うことも多いので、車のどのあたりにつけると良いかをあらかじめイメージしておくことが大切です。
カーサイドタープの取り付け方は、以下の記事でも詳しく紹介しているので、参考にしてください。
形状を選ぼう
サイドオーニングのなかには、オプションで壁を取り付けることができるタイプもあります。
シェルター のように使えるほか、車中泊の際には居住空間を広げることが可能です。
人気メーカーを知ろう
サイドオーニングを選ぶうえで、信頼の置ける人気メーカーを知っておくことも重要。代表的なブランドをいくつか紹介します。
フィアマ
1945年にイタリアで創業したキャンピングカー用品の世界的なブランドです。日本での人気も高く、キャンピングカー関連商品だけでなく、サイクリングキャリアやアクセサリも充実しています。
サイドオーニングだけでも種類が豊富に揃っているので、自分の車に合った商品を見つけやすいでしょう。
ARB
4WD向けアクセサリーなどを販売しているメーカーで、サイドオーニングも4WDに合ったワイルドでタフな作りが特徴です。
テント仕様に変わるオプションや、コット やライト などのキャンプ用品も販売しており、アウトドアでのひとときをより快適に過ごせるグッズが目白押しです。
ダーチ
オーストラリアのルーフトップテントメーカーです。「オーバーランド」という、目的地がなく長距離を旅しながら車中泊をするスタイルにふさわしく、無骨で屈強なスタイルが特徴です。
車の左側面から後方までをぐるっとかこむ大きなオーニングや、ポールに取り付けるだけで設置可能な簡易テントなど、長距離旅を飽きさせない工夫が施されたアイテムを展開しています。
スーリー
カーキャリア用品でも人気のメーカー。種類はそれほど多くないものの、自社のルーフキャリアやルーフレールに適合するサイドオーニングを販売しているので、安全性が高いところが魅力です。
デザインはシンプルで、キャンピングカーだけでなく一般乗用車についていても自然に馴染みます。
ヤキマ
アメリカを代表するアウトドアギアブランドです。サイクルキャリアやカヌーキャリアなど、さまざまなアウトドア用品を車で運べる豊富なラインナップを展開しています。
比較的リーズナブルなサイドオーニングが揃っており、軽くて防水加工が施されているなど機能も充実しています。「TAKE MORE FRIENDS(たくさんの友達と出かけよう)」 というポリシーのとおり、アウトドアライフの可能性を広げてくれるメーカーです。
サイドオーニングのおすすめ8選
選び方が分かったところで、ここからは人気メーカーを中心に、おすすめのサイドオーニングを紹介します!
サイドオーニングを選ぶ際は、車やルーフキャリアに適合しているかしっかりと確認してから購入するようにしましょう。
フィアマ サイドオーニング F45S 260
折りたたむタイプではなく、ロール式のタープをハンドルを使って自由に出せるのが便利なポイントです。テント幅が247cm、テント出幅が200cmのため、テーブル やチェア を置いてゆったり使うなら1〜2人が最適です。
重さが20kg弱あるので、ほかのキャンプギアを車に積む際は左右の重さのバランスを考えると良いでしょう。
フィアマ サイドオーニング F45S 260
ARB オーニング 2000×2500
伸縮式アルミポールで自由にオーニングの高さを調整することが可能なため、雨の日は傾斜をつけたり、太陽の向きに応じて調整したりできるので便利です。
アルマイト処理がされているアルミポールは耐摩耗性や耐腐食性に優れており、幕はUV保護・防水機能を備えた丈夫な生地で作られています。ARB らしくタフなユーズを想定した作りになっています。
ARB オーニング 2000×2500
ダーチ ECLIPSE AWNING 2m×2.5m
カーキの幕とブラックのポールがアウトドア感を増す、シンプルなデザインのサイドオーニング。10分足らずで簡単に設置や片付けができます。
フラットタイプのオーニングは風が吹くと下から持ち上がってしまいやすいので、設置後はペグダウンしておくことをおすすめします。
ダーチ ECLIPSE AWNING 2m×2.5m
ダーチ ECLIPSE 180 REAR
車の横ではなく後方180度を覆う、台形型で使いやすいオーニングタープです。最大の特徴は、オプションウォールを取り付けるとテントとして居住空間がさらに広がることです。
パップテントのようなワイルドな見た目で、キャンパー心をくすぐります。日本ではあまり見ないオーニングスタイルは、キャンプ場で目を引くこと間違いなしです!
ダーチ ECLIPSE 180 REAR
ダーチェ ECLIPSE 180 REAR用オプションウォール
スーリー オムニスターサイドオーニング 5200シリーズ
オーニング生地先端にドレインを採用することで、雨の日の排水がしやすくなっています。サイドオーニングは取り外して乾かすことが難しいので、この性能はとても助かります。
サポートアームの出し方にも工夫があり、タープ の下にいながらサイド側から引き出せるようになっているので、雨の日でも濡れる時間が少なくなります。
スーリー オムニスターサイドオーニング 5200シリーズ
ヤキマ サイドオーニングスリムシャディー 200x200cm
リーズナブルなソロ向けサイドオーニングです。盗難防止用の鍵を標準装備しており、安全面にも配慮しています。ナイロン製の幕は丈夫で防水加工も施されています。
折りたたみ式なので片手で持ちながら引き出していく必要がありますが、重さが9kgと軽いため、女性でも扱いやすい設計になっています。
ヤキマ サイドオーニングスリムシャディー 200x200cm
ライノラック バットウィング オーニング
270度のシェードと広い空間でファミリーや大人数での利用におすすめです。ペグ やガイロープ を入れるポケットが収納ケース内部についているので、忘れ物をする心配がありません。
また、タープにはUVカットや防水・防泥加工が施されており、日よけや雨除け対策は万全です。左開閉タイプが多い中、右開閉タイプも販売されているので、好みで選べるのも特徴的です。
ライノラック バットウィング オーニング
リムコーポレーション FIAMMA-F45sサイドオーニング+キャリアバー4本+吊下げブラケット4個
200系ハイエース向けのサイドオーニングとアクセサリーのセット商品で、タープのカラーはシルバーグレーで落ち着いた印象です。3mモデル、3.5mモデルともにテントで幅は2.5mなので、車に沿う辺側に長い長方形サイズになります。
ルーフキャリアバーが4本セットになってついているので、適合するバーを探す手間が省けて便利です。
リムコーポレーション FIAMMA-F45sサイドオーニング+キャリアバー4本+吊下げブラケット4個
サイドオーニングに関するよくある質問
最後に、サイドオーニングを取り付ける際によくある質問についてまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
取り付け費用はどのくらい?
サイドオーニングの価格には幅がありますが、安いものでも5万円前後のモデルが多く、10〜20万円ほどの商品も多数あります。
また、取り付けを業者に依頼する場合、本体価格に加えて取り付け工賃もかかります。自分で設置できるものも販売されていますが、十分な知識がない場合は取り付け可能な業者に依頼したほうが安全です。
装着後の車体のバランスを整えたり、サイドオーニングを最適な位置に調節してくれたりするので、長期的にみると損ではない出費のはず。最寄りの車屋さんを探して一度相談してみるのがおすすめです。
自作することはできる?
巻き取り式や折りたたみ式のサイドオーニングを自作するのは簡単ではありませんが、通常のタープの一辺を吸盤と固定できるように加工したり、グリーンシートを使用したりして、カーサイドタープのような形であれば自作も可能といえます。
ただし、車との接点部分は、雨の日は車体を伝ってしずくが垂れてくるので工夫が必要。安全面も考えると、基本的にはメーカー製のサイドオーニングやカーサイドタープを使用するのがおすすめです。
手持ちのタープをカーサイドタープ化できるのか実際に検証した記事もあるので、参考にしてください。
車検は通る?
道路運送車両の保安基準に適合することが前提ですが、サイドオーニングはいわゆる「指定部品」の一種であるため、溶接またはリベット以外の取り付け方法で装着している場合は、基本的に構造変更申請は必要ありません。
また、装着後のサイズ・重量が以下の範囲内である場合も、構造変更申請は不要となります。
小型自動車 軽自動車 | 普通自動車 大型自動車 | |
---|---|---|
長さ | ±3cm | ±3cm |
幅 | ±2cm | ±2cm |
高さ | ±4cm | ±4cm |
車両重量 | ±50kg | ±100kg |
※参考:国土交通省「自動車検査・登録ガイド」
オートキャンプを快適に楽しもう!
車にサイドオーニングを装着するには一定の費用がかかるものの、実はテントやタープより簡単に設置できるのが魅力。オプションウォールを購入すればテントのような使い方も可能です。ぜひ、オートキャンプでサイドオーニングを活用し、アウトドアライフを楽しみましょう!