使い捨てラップから卒業?!くり返し使える魔法の道具「蜜蝋ラップ」
野菜や果物を包んで保管したり、食品の入った容器にフタをするのにとても便利なキッチンラップ。使いやすい反面、1回限りの使い捨てで、どうしてもプラスチックごみが出てしまいますね。
そこで少しでもゴミを減らしたいと、最近筆者が使い始めたのがこちらの蜜蝋ラップ。蜜蝋は、繰り返し洗って使えるのでゴミにもならず、原材料も自然由来。すべてが生分解性のものなので、使わなくなったあとは土に還すこともできます。
蜜蝋ラップは、ミツバチが巣を形作るときに出す蝋成分を精製し、木綿や麻の天然繊維に染み込ませたラップのこと。主な用途は、食料品の包装材。手で温めると柔らかくなり、食材や器の形に沿ってぴったりフィットする。
家でもキャンプでも使えて、しかも用途が広い
冷蔵庫での食品保管など、日常の家使いでも重宝な蜜蝋ラップですが、キャンプでもなかなかの使い勝手! ソロキャンプには、お皿やマグカップにフタができるサイズ、使いかけの食品を包めるサイズなど、3〜4枚を持参しています。
ソロだと持って行ける荷物が限られますが、蜜蝋ラップは小さくたためますから、キッチンラップの箱よりはるかに嵩張らないんです。
というわけで、今回は蜜蝋ラップについてまるっとご紹介! 使い方や気になるデメリット、使用上の注意点、自作方法まで詳しく説明します。
蜜蝋ラップを実際に使ってみた
まずは、筆者が愛用している蜜蝋ラップをご紹介。メリットでもお伝えした通り、蜜蝋ラップを自作することもできますが、面倒な方には市販品がおすすめ!
筆者が購入したのはこちら
「ビーエコラップ」という蜜蝋ラップを購入。原材料は、オーガニックヘンプとオーガニックコットンの混合生地、オーストラリア産の蜜蝋、ホホバオイル、植物由来の樹脂でできています。
カラフルな布地に、たっぷり目の蜜蝋が染み込ませてあります。蜂蜜と、爽やかな木の樹脂の香りがほのかに匂ってきます。L、M、Sの3サイズ入り。
ビーエコラップ 3枚セット
使い道1:パンやおにぎりの包み紙・お皿代わりに!
キャンプ初日。テント設営前のお昼ご飯に、サンドイッチとおにぎりを持ってきました。パンはふんわり感を保ち、具のマヨネーズもこぼれていません。
おにぎりも、食材に密着するキッチンラップのようにベチャつくことなく、適度にしっとりで美味しいです!
使い道2:器のフタとして使う
料理の残り物の保存に、虫が入らないよう食器のフタとしても使えます。シェラカップに蜜蝋ラップを当てがい、手のひらでゆっくり温めましょう!
すると体温で柔らかくなった蜜蝋ラップが、シェラカップの形なりに密着! 手を離すと再び固まって、ピッタリしたフタになりました。完全密封ではないものの、ほぼ外気を遮断してくれます。
キッチンラップはわずかな風で飛んで行ったりしますが、蜜蝋ラップは手で温めてしっかり密着させておけば、よほどの強風でない限り外れることもありません。
使い道3:使いかけの食材の保存に!
もちろん、余りものの食材保存にも使えます。食材の乾燥を防いでくれるので、キッチンラップ感覚で使ってみてください。
蜜蝋ラップのお手入れ方法
用途がわかったところで気になるのは、くり返し使うためのお手入れ方法。何も難しいことはありません。
使ったあとは水洗いすればOK!
熱に弱い蝋が原料なので、洗うのは水で。水で流しても落ちない汚れは、スポンジで優しく洗ってください。ゴシゴシ擦ったり、もみ洗いはNGです。
水滴が残っているとカビなど劣化に繋がるので、洗浄後はしっかり水を切り、吊るして乾かしましょう。
【これってデメリット?】使用上の注意点
ここはどうしても使い捨てのキッチンラップと使い勝手が違うな……と感じたこともご紹介します。
電子レンジでは使用できません
蝋なので熱にも弱いです。電子レンジ、オーブンレンジなどの温めには使用できません。
生肉・生魚・脂分の多いものは直接包めない
同様に熱に弱いため蜜蝋ラップは、お湯で洗ったり熱湯消毒ができません。そのため肉や魚を野菜やフルーツのように直接包むのはNG。
容器に入れ、蜜蝋ラップに食材が触れないよう容器ごと包むといいでしょう。
【説明書を要確認】1歳未満の乳幼児の食品には使わない!
ハチミツにはボツリヌス菌が混入していることがあります。1歳未満の赤ちゃんの胃腸は、まだ腸内環境が整っておらず、乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があるため、1最未満の乳幼児の口に入る食品には、蜜蝋ラップは使わないようにしましょう。
ただし、この注意点は市販品で使用されている蜜蝋によります。使用前に、必ず説明書に目を通し正しい使い方を実践してください。
【素朴な疑問】ベタベタする?寿命は?
使ってわかった蜜蝋ラップ3つのこと
蜜蝋ラップ導入前にじつは気になっていたことが3つあった筆者。実際に使ってみて、筆者なりにその真相を調査してみました。
Q.蜜蝋ラップってベタベタする?
蜜蝋と聞いて、ベタつくんじゃないの? と思っていた筆者。確かに触るとしっとりした蝋の感触。しかし、このしっとり感があるおかげで、食品を包んだとき蜜蝋ラップどうしがピタッとくっつくんですね。
触ったあと手に残る感覚もありますが、そもそも自然由来のものなのでさほど気になりませんでした。ぬるま湯または石けんでサッと洗えばすぐ落ちます。
Q.食材との密着度は?本当に乾燥を防げる?
野菜の切り口に封をする形で包んでみました。手の体温で形が自由に変化するので、モノの形に馴染み、切り口の乾燥をほぼ防いでくれます。
また、布目の間からのかすかな通気性があるおかげで、キッチンラップに比べて、蒸れてベタベタになることが少ないように感じました。
今日のサラダはトマト半分でいいかな。そんなときも蜜蝋ラップは重宝します。使わない半分はしっかり包んで冷蔵庫の野菜室へ。トマトのみずみずしい水分をキープしてくれますよ。
蜜蝋には、蜂の巣を細菌から守るためのおだやかな抗菌作用があります。そのせいか、鮮度も落ちにくいようです。
ちなみに密着度はどうかテストしてみたところ、ご覧の通り。トマトジュースを入れたコップに蜜蝋ラップでフタをし、手でよく温めて馴染ませました。
コップをそーっと逆さにしてみましたが、漏れません。さすがに傾けたままの保管はできませんが、かなり密閉能力があることがわかりますね。
Q.蜜蝋ラップの寿命は?
何度も使ってシワシワになってしまった蜜蝋ラップは、クッキングシートに挟んで低温のアイロンを軽くかけると、使いやすい状態に戻ります。
家庭用として使用した場合、一般的に蜜蝋ラップの寿命は約1〜2年ほどと言われています。手作りすれば安価にできますので、使えなくなる前に自作してみては? 次の項目では、材料と作り方をご紹介します!
【蜜蝋ラップの作り方】超簡単、サイズもデザインも選び放題!
材料はこちら
10×10cmの布に対して、蜜蝋の必要量は2〜3g(40粒ほど)です。クッキングペーパーは布よりひと回り大きいサイズのものを。新聞紙や段ボールを厚く重ねて、にじみ出た蝋の吸収と、断熱を図ります。
ワイルドツリー ピュアミツロウ 紙袋入り
作り方の手順はこちら
アイロンは低温に設定。段ボール、新聞紙を重ねた上に、半分に折り目をつけたクッキングシート、カットした布を置きます。
アイロンが温まるあいだに、蜜蝋の粒を布の上に均等にばら撒きましょう。
蜜蝋を置いた布をクッキングシートで挟み、
温まったアイロンを当て、蜜蝋を溶かしながらゆっくりと移動させます。
布全体に溶けた蜜蝋が行き渡ったら、クッキングシートを静かに剥がします。
蜜蝋の染みていないところは、抜けている場所に1〜2粒ずつ蜜蝋を追加し、もう1度クッキングシートを閉じてアイロンをかければOK。
蜜蝋の粒が完全になくなったら、クッキングシートから手早く布を剥がします。まだ熱いので火傷に注意して。
洗濯バサミなどで吊るし、冷えて固まったら完成です。
好みの布地を選び、円形の蜜蝋ラップもサイズ違いで作ってみました。自分で作れば、色柄や大きさも自由自在!
100均材料でも作れるのでお試しを
100均のハギレや、厚地のハンカチ、バンダナなどでも作れるので、ぜひ手づくりしてみてください。オススメは綿100%の布地ですが、ハリのある麻や、綿麻の混紡生地なら、さらにしっかりした蜜蝋ラップになりますよ。
エコで優しい使い心地の蜜蝋ラップ、キャンプに、普段使いに採り入れてみて!
洗えば繰り返し使えて、プラごみも出ず、最後は自然に還る蜜蝋ラップ。少しでもプラスチックごみを少なくできれば、ごみ処理のエネルギーも減り、地球温暖化防止の一助にもなります。
環境に対する負荷が叫ばれるいま、まずは使うのも作るのもカンタンな蜜蝋ラップから生活に取り入れてみてはいかが?