炭や灰の処理にあると便利な火消し壺
焚き火が終わったあとに残る灰や燃え残った炭などの処理に便利な火消し壺、みなさん使っていますか? 炭の消火を促してくれたり、灰の持ち運びがラクになる以外にも、炭を再利用できたりと様々な利点があり、できれば持っておきたいものの一つですよね。
ネットで見つけた”壺”よりコンパクトな”火消し袋”
とは言え、そこそこ嵩張る火消し壺。必ずしも毎回使うわけではないこともあり、使っていなかったり、買ったものの持っていかなくなってしまったり。
そんなことを考えていたときに見つけたのが、火消し”袋”。火消し壺と比べて、コンパクトに折りたたむことができて嵩張らないため、常に携行することができるとのこと。
ただ、一般的には金属製のものが多い中、袋状だと強度や使い勝手がどうなのか、気になるところ。そこで、今回は筆者が実際に焚き火後に使ってみて、使用感を検証してみることにしました。
ZEN Camps「アッシュキャリー」
今回の検証に使うのは、ZEN Campsというブランドの「アッシュキャリー」です。SとMの2サイズありますが、大きいほうのMサイズを使います。
大きいサイズでも、折りたたむとご覧のとおり、片手に収まるぐらい小さくなります。このぐらいコンパクトなら、持ち運びも気にならず、必ず毎回持っていくことができますね。
ZEN Camps アッシュキャリー
どのぐらい使えるか実際に試してみた
では実際に、焚き火のあとの燃え残った薪などを入れて試していきます。
注意点:燃え上がった状態の炭は入れられない
購入サイト上では「火消し袋」と記載されていましたが、取説を確認すると、「おおよそ消火した炭を入れてください」との注意書きが。
火消し壺の場合、燃え上がっている状態の炭を入れて消火にも使うことができますが、素材の特性上このアッシュキャリーは、高熱の炭の消火は推奨されていないようです。
火消し壺と同じように使えないのは少し残念ですが、そこはしょうがないのかもしれません。
大容量で自立する!ツールとしての機能は◎
たっぷり一束の薪で焚き火をして残った、たくさんの灰や炭。火が消えてからしばらく放置して、手をかざすとほんのりと熱が伝わってくる程度まで温度が下がりました。
(今回の撮影は直火OKのキャンプ場で行いました)
袋にはマチがあり、口のところを折り返して筒状にすると自立する仕様。燃え残った炭を、火バサミで1つずつ丁寧にアッシュキャリーの中に入れていきます。
芝のキャンプ場の場合、布を通して熱が地面に伝わり芝を枯れさせてしまうこともあるので、直接地面に触れないように気をつけましょう。
しっかりと燃やしてなるべく灰の状態にしておけば、1〜2束程度の薪の処理はMサイズだと余裕で収まりそうです。
炭を入れ終わったら、口のところを2〜3回折り返し、両端にある紐かカラビナで留めて空気を遮断します。炭を入れた直後は熱が外側に伝わってきて若干温かかったですが、しばらくすると熱もなくなりました。
この状態なら持ち運びが簡単なので、灰捨て場に捨てに行くときもラクでした。灰を捨てるところが無いキャンプ場では、そのまま車内に積んでも灰がこぼれないので安心。持ち帰ってから燃えるゴミとして捨てましょう。
灰や炭を安全に持ち運ぶためのツールとしては、しっかり機能してくれました。
検証:耐久性を試してみた
取扱説明書では推奨されていませんが、今回は検証ということで、自己責任であえて赤々とした高温の状態の熾火を入れてみました。
まだ鎮火せずに熱を帯びた状態の熾火を、気をつけながら一つずつ入れていきます。
いくつか入れてみました。中からは朦々と熱気が立ち込めていますが、シートが燃えたり溶けたりはしていないようです。
素手では危険なので、厚手の革グローブをして慎重に口を閉じ、そのまま放置。しばらく経ってから開けてチェックしたところ、熾火は消えて温度も下がっていました。
今回の検証では、ひとまず燃えたり破損することはなく、無事に鎮火していました。
しかし、熾火を入れた際はとても熱く危険だったので、やはり説明書通り、温度が下がってから使ったほうがいいですね。
※取扱説明書外の使用方法には危険が伴います。必ず用法を守って安全な使い方を心がけましょう。
ZEN Camps アッシュキャリー
代用品にはならないけど、バッグに忍ばせておきたいギア
灰や炭を持ち運ぶための高い機能を有した、何よりコンパクトで積載への負担が少ないというのは、大きなアドバンテージ。
残念ながら火消し壺とまったく同じような使い方はできませんでしたが、燃え残った炭の処理には大活躍しそうなアイテムです。
火消し袋でキャンプのマナー向上に
キャンプ場や公園、河原などで時折見かける、使い終わって放置されたままの炭。そういった迷惑行為が続くと、施設の閉鎖などにも繋がり、これからアウトドアを楽しむ環境を狭めてしまうことになってしまいます。
そうならないためにも火消し袋のようなツールをしっかり活用して、ルールとマナーを守ってアウトドアを楽しんでいきましょう。