ソロキャンプと好相性の車って?
気ままに楽しめるのが魅力のソロキャンプですが、車を足として車中泊をしてみたい! という方も多いのではないでしょうか。
車中泊に限らず、もちろんソロでもテント泊を楽しみたい方もいますよね。荷物が多かったり移動時の快適性を重視するなら車選びにはこだわりたいところです。
ソロの「車中泊」と「テント泊」、どちらも快適にできる車を見つけたい!
ソロキャンプで車を使うとなればこの2つのスタイルが主流ですが、どちらにもフィットする車を選ぶにはどういったところに注意すると良いのでしょうか?
この記事では価格面と快適性において、理想のソロキャンプの相棒を選ぶためのポイントをガイドしつつ、おすすめの車種をピックアップ! さらに車×ソロキャンプの知っておくべき注意点に、あると便利な関連グッズもご紹介しますよ。
愛車となれば当然見た目も重要ですが、好みだけで選ぶのはちょっと待った! ソロキャンプといってもスタイルや予算も様々。ケースバイケースに適した車を選べるよう、上記の2ステップで道筋を立てて選んでいきましょう。
車種を選ぶ前に、車両区分を決めよう
軽自動車か普通車か? それとも軽貨物車?
「車を買おう」と思い立ったとき、なるべく低コストで理想の一台が欲しいというのが本音ですよね。そこに大きく関わってくるのが、どの車両を選ぶかです。
一般的には小型自動車に比べて軽自動車の方が車体価格・税金面とも安く、価格と燃費と維持費から言えばトータルバランスが優れているのは軽自動車です。
ただ、遠出を頻繁にするのであればロングドライブ時の走行性や乗り心地も重要で、そのあたりは小型自動車の方が優れているなど一長一短。
また、ランニングコストの安さ優先で選ぶならホンダのNーVANやスズキのエブリィといった小型貨物自動車(4ナンバー)で登録できる軽バンタイプも選択肢のひとつ。軽自動車と同等のサイズ感ながらバックドアや荷室の床面積が大きく、積載性能の高さからアウトドアファンにも人気です。
4ナンバーに分類されるため自動車税も軽自動車のほぼ半分程度というのも魅力的ですが、乗用ではなく荷物の運搬を目的として設計されているため乗り心地はやや劣るのがデメリット。また、車検も軽自動車や普通車が2年ごとなのに対し1年ごとに通さなければならないといった違いもあるので、総合的に判断したいところです。
さて、ここからはSTEP2。重視したい具体的なポイントと、それにマッチした車種をピックアップしていきます!
「室内空間の広さ」で選ぶなら、この2台
移動に宿泊など大半の時間を車内で過ごす完全車中泊の場合は、広い方が快適ですよね。最低でもシートを倒せば寝転がれるスペースを確保できる広さがあると、寝苦しくなく快適にキャンプが楽しめます。
スズキ エブリィワゴン
4人が乗車してもラゲッジスペースに余裕があるほど広い室内空間が魅力! 後部座席を倒せばフルフラットになり、自転車が2台入るほどの広さになります。
フロントとリア両方の座席を倒せば2mほどのフラット空間が出現。男性でもゆったりできるフラットスペースなので、マットを敷けば寝るスペースも十分確保できます。
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ダイハツ ウェイク
ラゲッジスペースが防水加工されているため、濡れたキャンプ道具などを乗せるときも安心。ラゲッジの床には90Lの収納スペースがあるため小物などが収納できます。
フロントがリクライニング、リアが前に倒せてフラットにすることも可能なので寝るスペースもしっかり確保。後ろのドアがパワースライドドアになっておりワンタッチで開閉できるため、キャンプ道具を持ったまま開け閉めができます。
車中泊メイン!「寝心地の良さ」で選ぶならこの3台
車中泊目的の場合とくに重要なのが、シートが平らになるかどうか。フラットになればマットを敷いてそのまま寝転がることができますが、そうでない場合は凸凹をクッションか何かで埋める工夫が必要になります。
スズキ スペーシア
天井は高いながらも低床設計で、室内は広々としていて圧迫感なし。フロア面積も広く荷物の積み下ろしがスムーズにできるため、重たい荷物の多いキャンプにも向いています。
フロントとリア両方の座席を倒してフルフラットにできるため、マットを敷けば余裕をもって寝るスペースを確保できます。
スズキ ハスラー
ラゲッジスペースの素材は濡れや汚れに強い素材のため、アウトドアで使った道具も安心して積載可能。シートはフロントもリアも前に倒すことができるため、凹凸の少ないフルフラットになります。
マットを敷けばより快適な就寝スペースを確保でき、ソロキャンプの車中泊にとくにおすめ。見た目は箱型で可愛らしくも、SUVらしい外観で人気を集めています。
ホンダ N-VAN
燃料タンクが前についているため床がとても低く、凸凹のないフルフラットになるため車中泊に◎。マットを敷けばさらに快適に寝られるようになります。
350kgまで積載できるという大容量な収納力で、キャンプ道具を多く持っていくソロキャンパーにもおすすめ。USBのジャックも付いているのでシガーから変換せずに携帯電話が充電できます。
N-VANは、標準装備でフルフラットベッドと基本電源ユニットが付属の完全車中泊仕様のモデルも販売されています。大人2人が余裕で寝ることができて100V/1,500Wの電源が使えるため、快適に車中泊が楽しめます。
Honda Cars 神奈川中:Rakuneru N-VAN紹介ページ
「荷室・荷下ろしの快適性」で選ぶなら、この3台
移動は車で宿泊はテントというソロキャンプスタイルなら道具が積めるスペースがあるかが重要。完全車中泊よりもテントやテントに敷くマットなど荷物が増えるので、軽バンのように荷室が1,000×1,000mm以上あるような荷室に余裕がある車を選ぶといいでしょう。また、開口部が低い車だと重い荷物も楽に収納できますよ。
中には荷室内にアンダートランクがあり、収納スペースを拡張できる車種も。床下収納があれば車中泊のときに使わないものはしまえるため、寝るときも空間を広々使えますね。
さらに座席の前後を遮るピラーが無く、人も行き来しやすく荷物の出し入れもスムーズなタイプもあるので、快適性を上げる細かい仕様にも注目しておきましょう。
ダイハツ タント
車に近づくだけで後ろのドアが開き、半ドア状態でも自動でクローズ。キャンプ中は両手がふさがっていてドアが開けにくいというケースが多いため、キャンパーにはとくに嬉しい機能ですね。
また、後ろはスライドドアで前ドアとの境が無いため横の開口時が1,490mmととても広く荷物の出し入れが快適。フロントがリクライニング、リアが前に倒せてフラットにもなるので、寝るスペースも確保できます。
ダイハツ ハイゼットカーゴ
車に物を積むことに特化しているため、軽自動車の中でも圧倒的な積載力が特徴。フロントのシートを倒さなくても2m近くのフルフラットスペースが確保できるため、運転席を潰すことなく寝るスペースが確保できます。
荷室高も1.25mあるため座って作業もしやすく、車中泊に向いている軽自動車。オプション品も多数発売されているので、使いやすいようにカスタマイズできるところも魅力です。
ホンダ N-BOX
ラゲッジスペースの床がスロープになるため、キャリーワゴンに積んだキャンプ用品をそのまま積載することも可能。リアシートを前に倒してフルフラットにすれば1.6mの寝るスペースができるため小柄な女性キャンパーなら運転席を倒さずに車中泊が楽しめます。フロントをリクライニングしてフルフラットにすることもできますよ。
アウトドアユースな「やんちゃさ」で選ぶなら、この2台
寝心地や積載力を求めるなら室内やラゲッジスペースが広いスーパーハイトワゴンやワンボックスタイプや、悪路などの走破性を優先させるならSUV、といったように優先することを決めて選ぶのがおすすめです。
スズキ ジムニー
箱型ボディがタフな雰囲気を感じさせ、軽自動車ながらに力強い見た目で人気。また、フロントシートのヘッドレストを外して倒せばフルフラットになるため、マットを敷けば寝るスペースにもなります。
ラゲッジにもかなりの余裕があり車中泊も快適。4WDで力強い走りもでき、悪路でも高い走破性を誇ります。
ダイハツ タフト
天井にスカイフィールトップという大きな窓が付いているため、走っているときの爽快感は抜群! 日中は陽を取り入れる採光窓として役立ち、夜は夜空が見られるため車中泊をより楽しくしてくれます。シートはフロントはリクライニング、リアは前に倒すことができるためフルフラットになり、寝るスペースも確保できますよ。
「ワンランク上の広さと乗り心地」で選ぶなら、この5台
もちろん「ソロ=軽自動車」とは限りません。よりゆったり寝たかったりソロでも荷物が多い、たまにはデュオや家族とも行くなどであれば普通車も選択肢として考えてみましょう。
軽自動車より走行時の揺れが少ない快適性は、移動が長距離になるほど重要。また、基本はファミリーカーでたまにソロキャンプへ行きたいという場合、普段の足として軽自動車では小さすぎる場合もあります。
最近ではサイズやコスパに優れた普通車も多いので、そういったモデルを選択肢に加えると良いですね。
ホンダ フリード+
リアのシートが跳ね上げ式になっているためかなり低床。そのため室内高が高くなり、座ったままの作業も快適です。
また、ラゲッジスペースが二段にセパレートできるようになっているため車載がしやすく、小物を下に長物を上にといった積載の工夫もできます。すべてのシートを後ろに倒してフルフラットにすることもできるため、車中泊にもおすすめです。
トヨタ シエンタ FUNBASE
車に近づくだけでドアが自動で解錠・オープンするため、キャンプ道具を持ったままでもドアを開けることが可能。2列シートのリアシートを前に倒せば2mほどのフルフラット空間が作れるため、寝るスペースにも余裕があり快適です。他にも、予備バッテリーが搭載されているため約5日分の電化製品を使うことができるという、車中泊に嬉しい機能も満載です。
トヨタ ルーミー
フルフラットモードでフロントをリクライニングにして、半フルフラット状態に。厚手のマットを敷いて凹凸を少なくすれば快適に寝ることができます。車内は足回りも広いため大人4人が乗っても余裕のスペース。それでいて車体自体はコンパクトなので小回りが利き、細い山道を抜けた場所にキャンプ場があるときなどに運転もしやすく、工夫をすれば車内で寝られるため車中泊が可能な車です。
日産 NV200バネット
後輪のホイールハウスの間隔が1.2m以上ありフラットになるため、就寝スペースはなるでダブルベッドのような広さ! 3m級の長尺物を積載できてしまうほどの全長で、のびのびとくつろぐことができます。低床にもなっているため天井高が1.3mもあり、ストレスなくキャンプが楽しめますよ。
スズキ ソリオ
フロントをリクライニングにして半フルフラット状態にすることができ、厚手のマットを敷いて快適に寝ることができます。ラゲッジスペースの下にあるサブトランクには、細かいキャンプ用品などを収納可能。シートのアレンジによっては自転車が乗るほど広い空間を作ることができ、車中泊するにも余裕のスぺースが確保できます。
ソロキャンプ車中泊、どんな道具があると良い?
ソロキャンプは身軽さが最大のメリットですが、せっかく車があるなら持ち物をぬかりなく充実させればさらに快適度もアップ!
ここでは完全車中泊にオススメのアイテムを筆頭に、アウトドア気分をより味わえるカーサイドタープやテント・バーナーなど必ず用意した方がいい安心グッズを10個紹介します。
車でのソロキャンプを快適にする便利グッズ10選
カーサイドタープ
車内で火気が使えない車中泊で便利なのが、カーサイドタープ! 車と連結して設営できるため一般的なオープンタープよりも設営が簡単で、バーナーやコンロで調理をしたりくつろぐスペースとして役立ちます。
フィールドア カーサイドタープ
オガワ カーサイドタープAL-2
コンパクトチェア
運転に疲れたときや、気分転換に外で休むとき用にチェアがあると便利です。おすすめはフレームが折り畳み式のコンパクトチェア。使いたいときだけサッと出せてしまう場所もあまり取らないので、空間を圧迫しません。
DOD ブラックスワルスエックス
コールマン コンパクトフォールディングチェア グレー
カーテン
防犯の項目でも触れたカーテンですが、目隠し目的のほか冬は車の窓の結露対策や防寒対策にもなります。外気の影響を受けて車内の温度を下げてしまう原因でもある車の窓をしっかりガードしましょう。
断熱効果があるものを選ぶと車内温度を保ち、結露もしにくくなりますよ。
グランドキャビン コミューター GL カーテン
Y.WINNER ウインドーネット バックドア用
シュラフ
冬の車中泊必須の防寒アイテムがシュラフ。車中泊する場所の最低気温の温度帯までカバーできるものが理想的で、ソロキャンプの場合は気密性が高く暖かいマミー型シュラフがおすすめです。
ロゴス neos 丸洗いアリーバ・-2
キャプテンスタッグ フォルス スリーピングバッグ 1
マット
シートをフルフラットにできる車でも固さを感じるので、マットがあるのとないのとでは寝心地に大きな差が出ます。冬の場合、床冷えを防ぐ断熱の役割もあるので、寝ているときの快適性をアップさせるうえで欠かせないグッズです。
QUICKCAMP 車中泊マット8cmシングルサイズ2枚セット
フィールドア 車中泊マットSサイズ
ポータブル電源
ポータブル電源があれば車中泊でも扇風機や炊飯器、電気毛布など便利な家電が使えて快適性が上がります。走っている間はシガーから充電もできますよ。使用する家電製品の最大出力をカバーできるW数の物を選びましょう。
ジャクリ ポータブル電源 240
エコフロー RIVER MAX
エコフロー RIVER MAX
LEDライト
ガスやガソリンランタンが使えない車内では、ライトもLED一択。充電式LEDライトなら走行時に充電でき、電池の交換も不要で快適です!
ジェントス EX-1300D
ルーメナー2
ブルーノ LEDランタン
コンパクトガスバーナー
車内では使用できませんが、お湯を沸かしたりちょっとした料理をしたいときにあると便利。荷物を少なくしたい車中泊では、就寝場所が確保しやすいコンパクトなバーナーが◎。クッカーの中にガス缶と一緒に持ち運べる便利なタイプもありますよ。
SOTO レギュレーターストーブ
イワタニ FOREWINDSフォールディングキャンプストーブ
クッカー
インスタントラーメンや湯沸かし時の必須アイテム。サイズの違う鍋やフライパンをスタッキングでひとまとめにできるものなら、コンパクトに収納できて場所も取りません。お米が炊けるものあるので必要に応じて選びましょう。
スノーピーク ソロセットチタン SCS-004TR
ユニフレーム 山クッカー角型
コンパクトな焚き火台
折り畳んで持ち運べたり炭床がメッシュのコンパクトな焚き火台があれば、車中泊でも手軽に炭火料理や焚き火が楽しめます。メッシュタイプを使う場合は難燃のシートも併用すると地面を傷める心配も少なく、下に落ちた炭の処理も楽に済みます。
TokyoCamp 焚き火台
モノラル ワイヤフレームLITE
理想の一台を見つけて道具も揃えたら、あとはキャンプへ出かけるだけ! ここからは車でソロキャンプへ出かける際の注意点をチェックしましょう。
車でソロキャンプへ行くときの注意点は?
エンジンは必ず切る
エアコンをつけたままにした場合、積雪や何かの拍子でマフラーがふさがってしまうと排気ガスが車内に入り込む可能性が。一酸化炭素中毒になりかねないので車中泊の際はエアコンを必ずOFFにしましょう。
冬の車内は意外と寒く、外気温と変わらないくらい気温が下がります。寝心地や下からの冷気対策としてテント泊と同じようにマットやシュラフを必ず用意しましょう。夏であればポータブル扇風機があるとエアコンをつけていなくても空気が循環するので快適です。
▼車中泊の装備については、こちら!
防犯グッズと場所選び
キャンプ用品は高額なものが多く、盗難などのトラブルも後を経ちません。狙われないようにするために施錠はもちろん、カーテンなどを使って車内が見えないよう工夫を。また、人目につかない場所は狙われやすいため、ある程度車や人の通る場所を選びましょう。
▼車中泊用カーテンについては、こちら!
エコノミークラス症候群の予防
長時間同じ態勢で車内にいると、心配なのがエコノミー症候群。予防のため、こまめに体を動かして血液やリンパの流れを良くするなど対策をしておきましょう。
寝るときは足を延ばせるように足元に物を置かないこと。床面をなるべくフラットにして無理のない態勢で眠れる工夫をしておくと良いですね。
車中泊は許可された場所でのみOK
車中泊の場所として道の駅などがよく挙げられますが、認められている場所とそうでない場所とがあります。車中泊OKの場所かどうかは管理人に確認したり、RVパークなど許可された場所を利用するようにしてマナーを守りましょう。
車中泊OKの場所でもエンジン音やドアを開け閉めする音などは意外と気になるもの。音も最小限にとどめることもマナーの一つです。
▼車中泊のマナーについては、こちら
”ちょうどいい車”でソロキャンプに出かけよう!
「ソロキャンプ×車」というテーマを考えたとき、単に相性の良い車種はどれかということ以外にも安全性や対策グッズなどおさえておくべき事はたくさんあります。自分にフィットする理想の車を相棒に、装備やマナーをしっかり身に着けて快適なソロキャンプを楽しんでくださいね!