秋冬の定番キャンプ飯といえば温かいスープ
秋冬の寒いシーズンに恋しくなるキャンプ飯といえば、鍋などの温かいスープ料理。簡単で万能なメニューですが、冬になると家でも登場する頻度も上がるため、マンネリ化してしまいキャンプ感も薄れがちです。
そこで、秋冬キャンプでおすすめの少し変わったスープを、料理家の蓮池陽子さんに教えてもらいました。
アウトドア料理家に、一味違ったスープを教えてもらおう
狩猟に同行したり、魚介や山菜、きのこを採ったりと、料理だけでなく、背景にある自然や食文化などの物語を大切にすることもモットーにしている。
蓮池さんに聞く!秋冬のキャンプでの料理のポイント
温かいスープは、煮込みの時間が長いと調理中寒い思いをすることも。自宅で野菜を切ったり、根菜を下茹でしたり、仕込みをしていけばそこまで調理に時間をかけなくて済みます。根菜が美味しい季節なので、季節の野菜をつかったメニューがおすすめですね。
今回は、寒い地域で暮らしてきたアイヌ民族が伝統的に食べてきた、シンプルで美味しいスープを、キャンプ用にアレンジして紹介します。
アイヌの伝統料理「オハウ」って知ってる?
「オハウ」とは、アイヌ民族の伝統的なスープ料理のこと。アイヌ民族は、日本語と系統の異なる言語である「アイヌ語」を話し、自然界すべての物に魂が宿るとされる「精神文化」など、固有の文化を発展させてきました。
主に狩や漁、山菜の採集などによって食料を得ていたアイヌ民族にとって、居住する地域や季節に沿った食材を使ってつくるスープ「オハウ」は、食生活の中心をなす料理だったそうです。
まずは知りたい!定番の「オハウ」レシピ
北海道白老町に設立された、アイヌの歴史・文化を学び伝える民族共生象徴空間「ウポポイ」から、伝統的なオハウのレシピを教えてもらいました。
オハウに入れる具材は地域や季節、家庭によってもさまざま。昆布のだしと具材から出る優しい味をベースに、獣脂や魚油を入れてコクを出すことがポイントです。温かいオハウもあれば、冷たいオハウもあるんだとか。
早速キャンプでオハウにチャレンジ
ベースのオハウの作り方を理解したところで、アイヌ語で「カムイチェㇷ゚(神の魚)」と呼ばれる鮭を使った「チェㇷ゚オハウ」を、キャンプ用に簡単、手軽にアレンジして作ってみました。