夏キャンプは暑さとの戦い!?
夏のキャンプといえば水遊びやスイカ割りなど楽しいことがたくさんある一方で、暑さは切っても切れない悩みといえます。
- ・日差しの強さ、気温の高さで汗が止まらない。
- ・日焼けが酷くて倦怠感や衣類との擦れによる痛みに悩まされた。
- ・日陰を作るつもりで設営したタープの下にいても、熱がこもっていた。
- ・汗をかいたときの着替えやタオルで荷物が増えて困った。
- ・夜のテント内に熱がこもりすぎて、蒸し暑さからなかなか寝付けなかった。
など、夏キャンプをしたことのある人ならこのような経験が一度はあるのではないでしょうか? そこで今回は暑さ対策に効果的なキャンプ場やギアの選定、飲食や活動内容のほか、夏キャンプにおけるさまざまな暑さの悩みを解決するアイテムなどを一挙に紹介します。
【場所選び】場所と設営の向きで涼しさアップ
標高の高いキャンプ場を選びましょう
気象庁の公式サイトによると、高度が上がるにつれて気温が下がる割合を『気温の減率』と言い、標高100mにつき0.5~1度下がると説明されています。これは海抜0mと標高1000mの場所では最大で約10度も気温が違うということ。キャンプ場はできるだけ標高の高い場所を選ぶようにしましょう。
設営の向きを風で判断!便利なアプリも活用しよう
テントやタープを設営するにあたって、風の向きを考えることも暑さ対策の重要なポイントとなります。風の向きに合わせて設営することで、サイト内にこもる熱を軽減することができます。
そこで活躍するのが『Windy』というアプリです。世界最高精度とも言われるECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の気象データを参考としているこのアプリでは最大9日先までの風の動きを1時間単位で確認することができます。
このアプリ、風向きだけでなく雲(雨雲)や気温の推移も見ることができる優れモノ。風向きに加えて風速1kt(ノット)≒0.5m/s(秒速)も見ることができるため、ペグを打つ数などの判断材料にもなります。
筆者も使用していますが、降雨時間などの精度も良いので出発当日に雨雲を避けて予約不要のキャンプ場を選んだりするのに活躍しています。ただし過信は禁物です。あくまでも判断材料として使用することを心がけましょう。
▼アプリはこちらから
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▼公式サイトはこちらから
Windy.com
【テクニック】夏の寝苦しさを改善しよう!
設営の開始時間を遅くする
テントの中は日中の日差しにより空気が温められてしまうため、いざ寝ようと思いテントに入るとむわっとした空気が……。慌てて換気をしようと入り口を開けると今度は蚊やアブが入ってきたりという経験がある人も多いのでは?
そんなときは設営自体を遅めに行うと◎。日暮れ近くまで設営時間をずらすことで空気の溜まる時間自体を短くしてみましょう。
コットの使用で風通しを向上させる
コットは就寝スペースの下にも空間ができるため風通しの向上につながります。ハイコットなら下に荷物を置けるメリットも! 自分のテントに収まる高さのものを選びましょう。
【実験】メッシュ生地が風通しを良くする効果はどれくらいあるの?
虫の侵入を防ぐ効果のあるメッシュ生地が多めのテントは風通しが良いとされています。メッシュの網目は虫が通れない細かさになっているのは当然のことですが、風は問題なく通っているのでしょうか? 網目の形状が違うテントで風通しを比べてみました。
まずはこちらのメッシュ生地。使用テントはバンドックのBDK-18。扇風機の弱で風を当て、室内の中心にあるロウソクの火のゆれ具合を見てみます。扇風機以外の風の影響が出ないよう、室内で比較を行いました。
ロウソクの火は勢いよく揺れています。風がよく通っているのがわかりました。
次にこちらのメッシュ生地。使用テントはスノーピークのヴォールト。同じように弱で風を当てました。
なんとロウソクの火はほとんど揺れていませんでした。
ロウソクの置き場所を中心ではなく入り口から30cmほどの位置に置くと、BDK-18ほどではありませんが、ロウソクの火は揺れました。
広いテントでは風を通すものの中心まで風が届いていないようです。どちらも両サイドが開く形状ですが風の通り方に違いが見られました。テントを新しく購入する際に実際にメッシュを見て検討材料にしてみるのもいいかもしれません。
入り口の開け方を工夫!ポイントは『対角線』
実は窓の開け方にも効率の良い風通しを作る方法があります。片側だけより両側を開けた方がいいのはもちろんですが、ほとんどの両開きテントはどちらも交互に開くように作られていますよね。
全開でメッシュ生地にするよりも室内に対して『対角線』となるような風の通り道を作ることで周囲の空気を含めた循環が促されるようです。
ヴォールトを半開きにして風の入り口を狭くしてみたところ、なんと全開時よりも火の揺れが強くなりました! 少しの工夫で思わぬ風通しの違いが実感できるかもしれません。
風通しを良くするアイテムはやっぱりこれ!
- 風を生み出すならやはり扇風機。キャンプ場ではAC電源付きのサイトだけではありませんので、ポータブルで高性能なものを持っていると安心でしょう。今回はAmazonの売れ筋ランキング上位の中からおすすめのコードレス卓上扇風機をご紹介します。
キーナイス USB卓上扇風機
5000mAh大容量の内蔵型電池を採用し、フル充電の場合、最小モードで約30時間の連続使用ができます。最大モードでも約6時間の連続使用が可能です。風量は3段階の調節ができ、睡眠時にオススメのリズム風モードも搭載。自動首振り機能付きで、手動でも左右に360°回転、上下に50度の調節が可能。3枚羽根で強力な風量を確保しつつ、回転音が気にならない超静音設計です。 ●本体サイズ:約26㎝(h) ●本体重量:約500gアイホーフェン 折りたたみ卓上扇風機
折りたたんでコンパクトに運べ、設置時は置き型以外にもフックに吊るせる設計です。4800mAh超大容量バッテリー搭載のこのデクスファンはUSBケーブル充電式で、パソコン、ACアダプタ、モバイルバッテリなど様々様々な充電方法があります。5枚の羽根がしっかりと空気を押し出し、回転時の音も気にならないほど静かで、お昼寝にもピッタリ!操作はシンプルなボダン式で、自然・中・強風・デフォルト4段階の風量切り替えと180°角度調節で自由にお好みの風向きにすることが可能。 本体サイズ:約14.5×17.4(h)cm 本体重量:約400gロミキー 卓上扇風機
夏の暑さに対処!10000mAh大容量高品質バッテリーを採用し、コードレスでも最大約34時間連続稼働可能、長時間の外出時などにも安心。スイッチを押して、弱風、中風、強風および自然風(弱風から強風のサイクルモート)の四段階に調節可能。空気力学の原理に基づき、効率良く風を送風する羽根形状。手動で左右、上下に360度の調整が可能。30dB超静音設計。電気用品安全法(PSE)認証取得。 ●本体サイズ:約16×19(h)cm ●本体重量:約450g
キャンプ中の行動で『暑さ』は変わる!
暑い日にかき氷を食べたり水遊びをすれば涼しくなるように、キャンプ中の行動も体感する暑さに影響を与えています。そこで暑さを軽減するおすすめの方法をご紹介します。
服装で体感温度は変わる
いくら薄着をしていても夏の炎天下の中では汗をかき、衣服と肌がくっついてベタッとした不快感を与えられます。風通しが良く、汗を吸収し速乾性能がある生地を選ぶことで活動中のストレスを軽減しましょう!
夏の衣類のおすすめ素材といえばリネン(麻)、コットン(綿)、ポリエステル(石油)、レーヨン(化学再生繊維)、リヨセル(天然再生繊維)です。なかでもオススメはリネンとコットンです。
リネンは吸水性と放湿性、速乾性を兼ね備えた夏おすすめの素材といえます。またコットンは赤ちゃんの肌着に使われるほど肌に優しい素材です。ただしコットンが多すぎる服は汗を吸い取りすぎて重くなり、逆に着心地が悪くなる可能性があるので注意が必要です。
食べ物や飲み物の種類で体温を下げられるって本当?
実は日頃から食べている食べ物によって体温や代謝が変わってきます。夏野菜であるナスやピーマン、スイカなど水分やカリウムを多く含むものが体を冷ます効果があると言われています。
カリウムは余分な塩分の排出を助けたり血圧を下げる効果があります。また豚肉に含まれるビタミンB1は夏バテ防止に効果的です。
コーヒーや緑茶など利尿作用の高い飲み物も体を冷ます効果が得られます。コーヒーなどに含まれるカフェインはデトックスの効果がありますが、交感神経を刺激する効果があるため子供が飲む冷感飲料には麦茶をおすすめします。
他にも飲食物には含まれる成分によって体にさまざまな影響をもたらしますが、食べ過ぎや飲み過ぎは腹痛や冷え性など体調不良につながる可能性があるため注意しましょう。
日焼けや熱中症に要注意!直射日光から体を守る必需品
夏の直射日光に長時間当たっていると、紫外線により日焼けを起こします。日焼けした肌はヒリヒリとし、衣類が肌に擦れるときなど強痛みが出たり体が熱を持ちます。また直射日光で熱くなった表皮を冷まそうと体から大量に発汗することで、脱水症状や熱中症を起こすことがあります。
直射日光を避けるキャンプギアといえばやっぱりタープです。夏に使用するテントやタープの色は黒より白に近いほうが熱を吸収しにくくおすすめです。
そして活動時も紫外線から守るために日焼け止めも必需品です。しっかりと直射日光対策をしましょう。脱水症状を起こさないためにもこまめに水分補給をし、日焼けをしてしまったときはすぐに冷やすことが大切です。
効果的な暑さ対策をして、夏キャンプを快適に過ごそう!
先述した対処法の他にも濡らしたタオルを首に巻いたり、濡らした帽子をかぶるだけで簡単な暑さ対策をすることができます。自分にあった対処法をしっかりと準備して楽しいキャンプに出かけましょう!