今回アイテムを紹介してくれる、Rimba店主・横浜祐一さん
「自分の好きな分野のお店がやりたい」という想いから、レコードショップの販売員、一般職を経てアウトドアセレクトショップ『Rimba(リンバ)』をオープンした横浜祐一さん。
アイテムの仕入れから接客まで、お店に関わる仕事をほぼ一人で行っているという横浜さんのキャンプ歴は、なんと30年。10代の頃に友人と出かけた釣りキャンプがきっかけでアウトドアの楽しさを知り、次第に自転車キャンプにもハマっていったそう。
自転車キャンプは装備選びが楽しいんです。積載量が限られる分、重さや収納サイズ、使い勝手を加味しながら装備を選ぶ必要があるので、あーでもないこーでもないと考えるのがおもしろくて。
行きと帰りで同じパッキングができないこともあるから、工夫するのも楽しい。そういった部分も含めて自転車キャンプは魅力的です。
自分のお店をオープンして早12年。毎年のように各メーカーの展示会で数多くのアウトドアアイテムを目にしている横浜さんがキャンプ道具を買うときに重要視しているのは、“なるべく日常生活でも使えるもの”。
うちのお店もそうなのですが、登山やキャンプ、日常生活で共通して使える道具はずっと使えて好きです。なかでも、軽くてコンパクトに収納できるものが好み。でも、ストイックすぎるものはあまり選ばないですね。
そんな玄人キャンパーの横浜さんがいま愛用しているアイテムとは?
①メッシュタイプから乗り換えた《焚き火台》
ベルモント「タビ」
これまではメッシュタイプの焚き火台を2台愛用していたそうですが、ある日メーカーの展示会でお披露目されたタビを見て「これだ!」と思い、発売と同時に購入。
メッシュタイプの焚き火台は軽いし組み立てもシンプルで好きだけど、燃焼効率がよすぎるがゆえにすぐに燃えてしまうので、薪をくべ続ける忙しさがありました。
もちろん、そういった作業も楽しいんですが、焚き火の時間をゆっくり味わいたいときもあって。タビはメッシュタイプに劣らない軽さ、コンパクトさがありながら、適度な燃焼効率でのんびり楽しめるところがいい。
約423gという軽さながら、耐荷重は火床で15㎏、網は3㎏までOK。脚部はかなり華奢に見えますが、3本のスタンドが6本の脚になる独自設計により、見た目よりもタフなつくり。
太い薪をのせるときはコツがいるけれど、いい具合に3本のスタンドにのるようにすると安定します。そういった工夫を凝らすのもタビのおもしろみのひとつ。
網は固定できるため、調理中に網のズレを気にする必要がありません。些細なところですが、こういったさりげない機能も◎。
そしてパッキングにも横浜さんならではの工夫が。
自転車キャンプには走行時の衝撃がつきものなので、エバニューのFPマットの間に挟んで自転車のフロントラックに積んでいます。これなら金属のカチャカチャ音がしないし、ダメージもなく運べます!
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ベルモント tabi
②軽量タープの《ペグ》は絶対にコレ
ムラコ「デュラソリッドペグ 30」
たかがペグ、されどペグ。横浜さんが軽量タープ用のペグとして「絶対にコレ!」と太鼓判を押しているのが、ムラコのデュラソリッドペグ30。
「タープを張るときにいいペグないかな?」と探していたときに出会いました。20cmくらいの短いペグだと風にあおられたときに心もとないことがあるんですが、30cmあるとかなり安心感があります。
埼玉県狭山市にある小さな金属加工工場から生まれたムラコ。0.01mmの誤差が品質を左右する世界で磨かれた技術とノウハウを生かした新進気鋭のアウトドアメーカーです。
30cmの長さで70gという軽量な点はもちろん、アルミなのに硬質な感じで作られているし、固い地面でもわりとスッと入ってくれるので気に入っています。自転車キャンプのタープ用ペグとして最良の選択だと思っています!
十字の断面がしっかりと地面をとらえ、保持力に優れるペグはまさに“縁の下の力持ち”的存在。重たいペグを何十本も持って行くのはちょっとな~、というキャンパーさんにもうってつけですよ!
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ムラコ Dura Solid Peg 30
③“アレ”があるだけで使い方広がる!《ストレージサック》
ロウロウマウンテンワークス「ストレージサックМ・L」
キモとなるのは、ファスナー脇のデイジーチェーン。ここにストラップを通すことで、あらゆるモノに固定することができます。
僕は自転車のフロントラックに他のスタッフサックと重ねて、ストラップでぐるっと丸ごとコンプレッションしています。そうすると荷物がギュッと固まり、走るときにノーストレス!
積み荷がブレると身体が左右に傾いて走りにくくなってしまうので、荷物をしっかり固定することがとっても重要なんです。
それに滑りにくい素材だから、つるっとした素材のスタッフサックの上に積み重ねてもズレ落ちない。センターファスナーでガバッと開くから中身の出し入れもラクだし、とにかく優秀な点ばかり!
素材はハリ感のある200デニールのSpectra X-Grid。カジュアルな見た目とはウラハラに、鉄の15倍もの強度があるとても頑丈な素材です。
僕はМとLを持っていて、シュラフとダウンウェアをまとめて入れたり、クッカー類を入れたり。毎日の自転車通勤でも使っていて、そのときはおにぎりや上着を。妻はSサイズをコスメポーチにしているみたいです。日常とアウトドア兼用で使える、汎用性の高いアイテム。本当に重宝しています。
サイズは、S(3.5L)、M(5L)、L(8L)の3サイズ展開。アウトドア市場に数あまたあるスタッフサックですが、デイジーチェーンがあるだけでこんなにも利便性が上がるとは……!
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ロウロウマウンテンワークス ストレージサック M(5L)
ロウロウマウンテンワークス ストレージサック L(8L)
④“愛酒家”が選んだ《シェラカップ》
ベルモント「チタンシェラカップ深型250フォールドハンドル」
僕は友人と3人でキャンプに行くことが多いんですが、みんなこのシェラカップを持っていて、それぞれ持ち寄ったつまみを入れてシェアしています。小鉢的な感覚ですね(笑)。
このサイズ感、酒のつまみを入れるのにちょうどいいんですよ。チビチビつまみながら、お酒を嗜む。これもキャンプの醍醐味です。
一般的なシェラカップと違って持ち手が折りたためるため、クッカーと重ねてスマートにパッキング可能。250ml、350 ml、480 ml、600 mlの4サイズありますが、横浜さんは250mlと480 mlを愛用しているそう。
僕は250をエバニューのチタンカップ400FDにスタッキング。すぽっとは収まらないので少しギュッと押し込む感じにはなるんですが、そんなふうに持って行くこともあります。
酒飲みは一度にたくさん食べるというよりちょっとずつつまみながらが多いので、これくらいの小さいサイズが活躍していますね。
内側には100、150、180、200mlのメモリ付きで、コーヒー1杯分のお湯を沸かすときにも重宝。深型なので、汁気のあるメニューにはもちろん、ときにはオタマとしての使い方もアリかも? ちなみに横浜さん、日常ではお茶菓子入れにして使うこともあるそうです。
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ベルモント チタンシェラカップ深型250フォールドハンドル
⑤惚れ込んだ《カトラリー》
トライテンシル「ミニ」
使いやすいカトラリーが欲しくて、アウトドア用のものはひと通り試したという横浜さん。いろいろなモデルを使っているうちに、ある想いに至ったといいます。
やっぱりスプーンとフォーク別々に使えるほどラクなことはないな、と。一体型になったものも悪くはないんですけど、結局手が汚れたり、片方しか使わなかったりするので、だったら分離できるほうがいいなと思って。トライテンシルのカトラリーが出てからはこれしか使ってないってくらい、ヘビーユースです。
持ち運ぶときはスプーンとフォークをカチッと重ねてコンパクトに、使うときは分離させて単体に。でも「持ち手が短いから使いにくいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、心配無用! スプーンとフォークは連結もできるため、カンタンに持ち手を長くできちゃうんです。
これならカップヌードルやフリーズドライのような底の深い容器にも◎。
しかも、長さは約12cm~20cmの間で自分の好きな長さに調整OK! もっと長さがほしいな~という方は約17cm ~26.5cmのレギュラーサイズもありますが、ソロクッカーに収納するならミニサイズがおすすめ。
めちゃくちゃ軽いけど、強度はしっかりしているから持ちやすい。スプーンの深さと面積もちょうどよくて、女性やお子さんも食べやすいみたいです。僕は毎日のお弁当にも使っています。
トライテンシルは、消防隊や軍隊の過酷な現場で25年従事した経験によって生まれた米国のブランド。軽くて頑丈で、多機能。そのうえ熱湯・冷凍OKで、1本800円ほどの良コスパ。これって、もはや最強のカトラリーなのでは……!?
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トライテンシル ミニ
こんなお店、近所に欲しすぎる
一軒家をリノベーションしたおしゃれな店舗には、横浜さんが実際に使用してよかったアイテムや、日常でも使いやすい便利ギアがたくさん。モノがいいのはもちろんですが、日々多くの製品を目にして使っている横浜さんが店主なワケですから、使い心地やパッキング術まで、リアルな声が聞けますよ!
Instagram/@urawarimba
Website/https://www.rimba.jp/