キャンプで「水」ってどうしてる?
キャンプで意外と困るのが、水の扱い。大きなハードジャグはかさばるし、2Lのペットボトルをそのまま使うのは、いまいち見栄えが……。
そこで今回は、コンパクトに持ち運べるハイドラパックのウォータータンクに注目し、ジャグとしての使い方を模索してみます。
驚くほどコンパクトに収納できる、ハイドラパックのウォータータンクが良さそう!
こちらがハイドラパックのウォータータンク「シーカー」。左から2L、3L、4Lという容量です。4Lモデルでもたった126gと軽く、また驚くほど小さく折りたたんで持ち運ぶことができます。素材はウルトラデュラブルTPUと高密度ポリエチレンを採用し、水漏れを許しません。
今回はこちらをジャグとして利用し、便利な設置方法を探ってみました。
現物を入手、じっくり見てみた
2L、3L、4Lのシーカーを用意しました。写真は、すでに水が入った状態です。
ちなみに2Lモデルだけ色が違っていますが、こちらは過去に展開されていたカラーリング。現行品は全サイズ共通で、写真の3L、4Lモデルに採用されている「マンモスグレー」カラー1色展開なのでご注意を。
ディテールをチェック
すべてのサイズに、容量の目盛りがプリントされています。「どのくらい水を入れておこうか」という目安になりますが、料理のときに「○○ccの水を加える」といったレシピに従う際にも、役立ちそうだと感じました。
注ぎ口は5cmほどもあり、かなり広口です。氷を入れることもできるでしょう。ちなみにキャップは3サイズ共通。4Lモデルだけ注ぎ口にハンドルがついていますが、これは満タンで4kgもの水を入れる際、助かる仕様でした。
注ぎ口の横や側面にループが付いており、これによってカラビナで吊るしたり、バックパックに固定したりできます。2Lモデルと3Lモデルは3ヶ所、4Lモデルは4ヶ所に設置されています。
より大容量を必要とするファミリーキャンパーには、「エクスペディション」という8Lモデルが用意されています。それほど大きく見えないかもしれませんが、ハイドラパックのウォータータンクは、容量の割には大きく見えないという特性があります。
たとえば3Lモデルは、パッと見た印象や手に持った感触は、2Lのペットボトル程度に感じられます。
ハイドラパック「シーカー」はココがすごい!
小さく折りたたんで持ち運べる
冒頭でもチラッと触れましたが、小さく折りたたむことができるのは、大きなメリットです。水を現地で調達できる場合は、移動時の荷物をコンパクトにできますね。
2Lモデルと3Lモデルには、専用の収納袋が付属します。しっかり折りたたんで収納すると、そのサイズは握りこぶし程度。それぞれ74g、87gと軽量でもあるし、紛失に注意したいほどのコンパクト性です。
凍らせれば保冷剤代わりに
素材にストレッチ性があるので、凍らせても爆発してしまう心配がありません。家で水を凍らせておき、クーラーボックスに入れれば保冷剤としても役立ってくれることでしょう。現地で解凍した水は、そのまま飲料水や調理用として利用できます。
ちなみに水がビニール臭くなるようなことは、まったくありませんでした。天然水なら天然水、水道水なら水道水、そのものの味で持ち運べます。
あると便利なオプション品
こちらは別売りの「PLUG-N-PLAY キャップキット」。ノーマルのキャップをこのオプション品に変更することで、カップやクッカーに水を注ぎやすくなります。
キャップのサイズは2L~4L共通なので、どのサイズに装着してもOK。また注ぎ口のシャワーノズルは、脱着可能です。
レバーを奥方向に押し倒すと、水が出てくる仕組み。力を抜けばレバーは自動で戻り、水が止まります。ウォータータンクに蛇口が追加されて、ジャグとして使うことが可能になりました。
シーカーはテーブルやラックに置いてもいいんですが、何かに吊るすというスタイルがクール。というわけでここからは、シーカーを宙に浮かした状態で設置する方法を探っていきます。成功したらデッドスペースを活用した「#浮遊ジャグ」が実現します。
「#浮遊ジャグ」をつくろう!(2L編)
テーブルの横に吊るしてみる
それではまず、ソロキャンプによさそうな2Lモデルの設置方法を探っていきます。もしテーブルに吊り下げることができたら、調理や食事のときに使いやすい、アクセス抜群のジャグになるでしょう。
ちなみにインスタグラムには、このようなかっこいいポストがありました。ソロ用ジャグとして見事に決まっています。これで水を注いでコーヒーを淹れたりしたら、さぞかし気分がいいでしょうね。こんなふうに上手くいきますかどうか……。
S字フックを利用して吊り下げてみました……が、注ぎ口がかなり低く、使い勝手がいいとは言えない仕上がりです。
写真のメッシュテーブルは、筆者が愛用している尾上製作所のマルチスタンドMで、高さは27cm。あと10cm以上は高くないと、快適な浮遊ジャグにはならないように思いました。
ペグを利用してみる
ペグを使ってシーカースタンドをつくってみました。ペグはどうせキャンプに持っていくものだし、すべてを使い切ることも珍しいので、有効活用しようというわけです。4本を地面に打ち込んで2本を穴に通した、この骨組み自体はかっこいいのですが……。
さきほどのテーブル設置の反省がまるで活きていない、非常に低いジャグとなりました。使い勝手はお察しです。「浮遊ジャグ」と呼ぶにはあまりにも低かったですね。
三脚に吊るしてみる
カメラの三脚なら高さは充分だろうと思い、吊るしてみることに。パラコードをループに通し、カラビナを使って固定しました。これはなかなかよさそうです。
じっくりと腰を据えてシャッターチャンスを待つような、自然が相手の撮影をする場合、水分補給用に実践しているカメラマンもいるのではないでしょうか。
注ぎ口にキャップキットを取り付けて、浮遊ジャグの完成です。三脚のアタマにはレッドレンザーのLEDライトを設置しました。
注ぎ口がちょうどテーブルの天板あたりに位置し、使い勝手は上々。このまま全体を移動させられるメリットもあり、納得のいく浮遊ジャグとなりました。3Lモデルでもイケそうですが、そこは三脚のスペックと相談ですね。
「#浮遊ジャグ」をつくろう!(3L編)
チェアに設置してみる
それでは次に、3Lモデルの浮遊チャレンジに取り掛かりましょう。2つのループ間隔が、チェアのフレーム間隔と一致したので、カラビナを利用してチェアの脚に取り付けてみました。まあ使い勝手は見るからにダメな感じですが、一応は水を出してみます。
シェラカップを芝にめり込ませるようにして、なんとか水を注ぐことができました。言うまでもなく使い勝手は最悪です。2Lモデルのときもそうだったんですが、キモとなるのは設置する高さですね。
しかし軽量チェアが倒れにくくなるという、筋違いのメリットはありました。
ランタンスタンドが最適解かも
とにかく高さが大事だということで、無難にランタンスタンドに吊るしてみました。本体が約38cmと長いので、ランタンスタンドを出動させてちょうどいいぐらいですね。このまま使ってもよさそうですが……。
日が暮れてランタンを吊るしたくなったら、このスタイルは難しいでしょう。オイルやホワイトガソリンを使うような、熱を発するランタンの近くに設置しておくのは、穴空きリスクが高すぎます。
そこでパラコードとカラビナを使って、ランタンよりも低い位置に設置することに。ランタンスタンドの高さを調節する蝶ネジに、パラコードを引っかけました。
見た目の良さといい使い勝手といい、これが最適解ではないかと。しかしもちろん筆者のソロキャンプにおいての話なので、アイアンギアを揃えているキャンパーなどは、もっと便利な設置手段を持っていると思います。
自分なりの工夫で便利な水場を
最後に4Lモデルを……と言いたいところですが、筆者のギア環境では、4Lモデルをうまく浮遊させることができませんでした。高さ的にはランタンスタンドでも大丈夫なんですが、4L満タンの重さに耐えられません。
写真は家族キャンプで使っているテーブルに設置した様子。ハイスタイルなのに地面近くに注ぎ口があり、わざわざ不便な水場を構築する結果となりました。
ハイドラパックのシーカーを浮遊させてジャグ利用するスタイルは、うまくハマればとても便利な、気持ちのいい環境となります。シーカーを吊るせそうかどうか、持っているギアを思い浮かべてみてください。
自分だけの「#浮遊ジャグ」づくりにチャレンジしてみませんか?
ハイドラパック シーカー 2L
ハイドラパック シーカー 3L
ハイドラパック シーカー 4L
ハイドラパック エクスペディション 8L