ロープをピンと張りたいときはコレ!
トラッカーズヒッチ(別名:トラック結び、南京結び)
「倍力」という仕組みを用いて、ロープを強いテンションで固定できます。テントの張り網などで使われる「自在結び」でもロープをピンと張ることできますが、それよりもはるかに強力な張りを出せるのが特徴です。
キャンプのさまざまなシーンで大活躍!
立木に物干し用のロープを張る、荷物をひとまとめにギュッと固定するのに最適な結び方。張り網などの細いロープよりも4mm以上の太い径で使用することが多いです。他にも車のキャリアに荷物を固定する際にも使われますが、落下して事故にもなり兼ねないため細心の注意が必要です。
「トラッカーズヒッチ」を練習してみよう!
木と木の間にピンとロープを張るシーンを想定して手順を紹介します。
まずは結び方の流れをイメージしてみましょう。
「トラッカーズヒッチ」は【ロープの先端を固定する結び(もやい結びなど)】【ロープの中間に輪をつくる結び(バタフライノットなど) 】【ロープがゆるまないように摩擦を利用した結び(ツーハーフヒッチなど)】を応用した結び方です。
結び方の手順
片方の木にロープを巻きつけます。両側の黒い柱を木に見立てています。
「トラッカーズヒッチ」は強い力が加わるため、結びつける物も頑丈な物で。
「もやい結び」で木に固定します。
もやい結びをおさらい!
木と木の間に「バタフライノット」をつくります。
バタフライノットをおさらい!
もう一方の先端を右側の木に通します。
先端を「バタフライノット」の輪の中に通します。
ふたたび右側の木へ戻ります。
右側の木へ通します。
ここで先端のロープを引っ張ってみましょう。ロープがピンピンに張っていく感覚がわかるはず。
これが「倍力」で、理論上通常の2倍の力で引っ張ることができます。
「自在結び」で使った「ツーハーフヒッチ」でロープの先端を固定します。
これにより摩擦が加わり、上から荷重がかかってもたるみにくくなります。
「ツーハーフヒッチ」をスライドさせ、ロープのたるみをしっかり伸ばしたら完成です。
荷物をまとめる場合の結び方
「もやい結び」と「バタフライノット」をあらかじめつくっておき、二つの結びの間に荷物を置きます。
あとは先端を「もやい結び」→「バタフライノット」に通して最後に「ツーハーフヒッチ」で固定する手順となります。
コレがマスターできればロープワーク中級者!
「トラッカーズヒッチ」や「自在結び」などの【物に結びつける結び方】は、ロープワークの腕前の見せどころ。この結びがマスターできれば、ロープワーク中級者以上であることは間違いありません。ビシッと固定されたロープを張って、スマートなキャンパーを目指してみませんか。