半分がメッシュという新発想テーブル
焚き火や調理するときに、耐熱性能の高いメッシュテーブルはとても便利。しかし全面がメッシュというのも、卓上で使うギアによってはデメリットが……。
そこで注目したいのが、半分がメッシュになっているクイックキャンプの「ヴィンテージ ハーフメッシュテーブル」。
ヴィンテージ ハーフメッシュテーブルは、天板の半分がメッシュ、もう半分がウッド調になっているハイブリッドなテーブル。ありそうでなかった、新発想のアイテムです。
天板のサイズは60×40cmと、ソロ~2人のキャンプならメインテーブルとして、ファミリーなら補助テーブルとして役立つ使い勝手のいいサイズ。見るからに便利そうな雰囲気が漂っています。
実物をじっくり観察してみた
それでは早速、実物をじっくり観察し、実際に使ってみましょう。
専用の収納バッグ付き
専用の収納バッグが付属します。ブラックのカラーに控えめなロゴがお洒落ですね。
中身を取り出しました。折りたたまれた状態でも、取っ手があるので持ち運びラクラク。こちらの半面はウッド調、反対側はメッシュになっています。本体重量はたったの1.4kg。
組み立て方法はごくごくシンプル
組み立ててみましょう。2つ折り構造のテーブルなので、難しいことは何もありません。まずは折りたたまれた状態を固定していた、ロックを外します。
広げてみました。ついでに60×40cmという天板のサイズ感をご確認ください。
折りたたまれた状態に戻らないよう、天板をロックします。2つ折り構造のテーブルによくあるタイプですね。
天板の裏側に収まっていた脚を引き出します。何らコツは必要ありません。
脚が戻らないよう、こちらもロック。
あっさりと完成しました。全体的にカラーリングがシックで、武骨寄りのキャンプスタイルにもマッチしそうです。
ディテールをチェック
細部をじっくりと見ていきましょう。まず天板の半分は、ヴィンテージ風味のウッド調。
素材は軽量なMDFボード(木材を繊維状にほぐし、ボードに成型した繊維板)で、汚れや熱に強いメラミン加工が施されています。耐熱150℃と、何気に安心感のあるスペック。
そしてメッシュ側。ブラックに塗装されていますね。素材はスチールで、耐熱250℃という頼もしさ。熱々のクッカーやケトルもへっちゃらでしょう。
フレームはシャンパンゴールド。マットな質感がとてもいいですね。リーズナブルなテーブルにありがちなアルミ色でないあたり、クイックキャンプの本気を感じます。
地面に接する部分には保護キャップが。インドアで使用する場合に床の養生になるばかりでなく、アウトドアでも、フレームが直に地面に当たるよりも凸凹に対応しやすいことでしょう。
高さは2段階に調節可能
ハーフメッシュの次に大きな特長がこちら。脚が伸びることで、高さを2段階に調節できるんです。伸びた脚はラチェットによってしっかり固定されるため、ずれて傾く心配はありません。
これがデフォルトのLOWスタイルで、高さは27cm。ローチェアでのリラックスタイムにちょうどよく使えそうだと感じました。
そして脚を伸ばしたHIGHスタイル。高さは34.5cmです。ローチェアで調理や食事をするさいにちょうどいいかと。ハイチェアの場合はサイドテーブルとして活躍しそうですね。
クイックキャンプ ヴィンテージ ハーフスチールテーブル
実際に使ってみた
実際にキャンプに持って行って使ってみました。以降はローチェアで使用してみた感想で、ハイチェアの場合はまた使用感が変わってきます。あらかじめご了承を。
LOWスタイルは焚き火タイムにぴったり
まずはLOWスタイルでの使用シーンから。想像していた通り、焚き火の横に設置して、一杯やるのにちょうどいい高さでした。天板の広さ的に、2~3人での使用でも問題なさそうですね。
焚き火で調理したメスティン鍋を置いてみました。湯気を見てもわかるように、熱々の状態です。まだ寒い時期のキャンプだったので、中身が冷めてきたらメスティンを焚き火に戻し、再びメッシュに……と往復させることができて重宝しました。全面がウッドのテーブルだったら、不可能な使い方です。
HIGHスタイルは調理向き
HIGHスタイルは、ガスストーブやアルコールストーブを設置して、台所→食卓として使用するのにちょうどいい高さでした。
そして全面がメッシュでないメリットは、調理のときに発揮されます。「細い脚のある熱源」を置くことに安心感があり、また細かく切った食材がカットボードから落ちても、厄介なことになりません。
メッシュの実力は?
耐熱250℃
メッシュ部分に、ジュウジュウと威勢よく音を立てている、持ち上げるのに革グローブが必要なスキレットを置いてみました。スキレットはなかなか冷めませんし、昨晩のメスティン鍋よりもメッシュにかかる負担は大きいはず……。
スキレットを移動させてダメージを確認。うーん、まったくもって何の痕跡もありませんね。塗装が変色するぐらいの影響は予想していたんですが、耐熱250℃という実力は本物のようです。
いくら熱に強いからといって、こんな使い方はNGです。高さを調節したストーブを下に配置して、メッシュを架台にできたらそりゃ便利ですが、炎の熱は250℃を超えてしまいますから。直火の使用は絶対にやめましょう。
洗い物の乾燥にも
メッシュの天板は、洗った食器の置き場所としても優秀でした。食卓として使った後は、乾燥台として活躍してくれます。と同時にウッド側の天板でコーヒータイム……なんてフル活用も可能なんです。
何気にボード側も熱に強い
熱湯が溢れるぐらいは余裕でセーフ
うっかり吹きこぼしてしまったお湯が、容赦なくウッド側に注いでいます。しかしこちらの天板も、メラミン加工により耐熱温度は150℃ですから、熱湯ぐらいではびくともしません。
またメラミン加工には汚れにくいという特長もあり、拭き取ればすっかり元通り。清潔に使用できます。
もし濡らしてしまった場合は、しっかり乾かしてから撤収しましょう。筆者も経験がありますが、この素材のボードはカビが発生しやすいんです。ぞんざいに扱っていると、天板の裏がカビだらけ……なんてこともありますのでご注意を。
こんな小技も……
取っ手を利用して、クッカー類を吊るすことも。ロック用の突起もあるので、S字フックを使うなどすれば、吊るす系の工夫がいくらでもできそうです。
より良くなってほしい部分
ほんの少しだけ山型になる天板
これで気になる? と思われるかもしれませんが、ほんの少しだけ天板の中央が高く、横から見ると微かに山型になっています。使用上に不都合のある角度ではないし、使っていくうちに解消されるのかもしれませんが、気になった点として正直にお伝えしておきます。
耐荷重は5kg
わずか1.4kgの当テーブルですが、耐荷重も5kgと軽めの仕様となっています。10インチのダッチオーブンなどは、単体で5kgを超えてしまうので要注意。ダッチオーブンの使用にだけ気をつければ、それほど気にする必要はないと思いますが。
マットな塗装だったらより高級感が
メッシュには光沢のある塗装が施されています。これが樹脂でコーティングされているように、見えなくもありません。マットなブラック塗装だったら、より熱に強い感じが出たのにな、と思いました。
しかしリーズナブルな価格を実現するための処置だとしたら、贅沢は言えません。
結論:使い勝手◎の便利テーブル
半分は熱に強いメッシュ、もう半分は凸凹と隙間のないボード。この組み合わせは想像以上に使い勝手がよかったです。メッシュテーブルと平面テーブルを別々に持たなくてもいいという、経済的なメリットと携帯性の高さも見逃せません。実勢価格が4,000円台というリーズナブルさも大きいですね。
クイックキャンプの「ヴィンテージ ハーフメッシュテーブル」、ヒットの予感がします。
クイックキャンプ ヴィンテージ ハーフスチールテーブル