軽いのに調理がしやすい!?注目の新焚き火台
焚き火台を買うときに必ず悩むのが、「携行性」と「調理のしやすさ」どちらを取るか……。携行性(軽さ)にこだわるとダッチオーブン調理時、安定性に不安があるし、火加減が難しい。
一方、調理のしやすいタイプはズシリと重量があり安定感抜群ですが、持ち運ぶ際にどうしてもかさばる傾向があります。
ベルモントの「TOKOBI」がいいらしい!
そんな悩みを解決する、いいとこどりな焚き火台がベルモントの「TOKOBI」です。どうやら携行性に優れていて、調理もしやすくオプションパーツも豊富とのこと。これは気になりますね。
ベルモントの「TOKOBI」を実際に試してみた
では実際にTOKOBIを使用してみましょう。まずはスペックや構造について。
基本の内容物
パーツ類を出してみました。土台となるメインフレーム、収納ケース、ワイヤーシェルフ×2、メッシュシートと非常にシンプル。素材はすべてステンレスです。
収納時
収納ケースに入った状態は、幅約26×奥行約46×高さ約6cmと薄く、重量は約2.2kg。さすがに超軽量焚き火台と比べると重量はありますが、持ち運びは非常にしやすいです。
組み立て方法
組み立てはとても簡単。メインフレームの脚を広げて、メッシュシートをフレーム両サイドに引っかけるように装着します。
メインフレームの左右両端に穴があるので、そこに外側へ開くようにワイヤーシェルフをそれぞれ差し込みます。
たったこれだけで組み立て完了。かかった時間はおよそ2分ほどでした。組み立て時のサイズは幅約41.5×奥行約46×高さ約32cmと、キャンプ場で販売されている薪がおおむね収まるサイズ感です。
火入れをしてまずは燃焼具合をチェック
細めの薪を入れて火付けをしたところ、あっという間に勢いよく燃え始めました。
通気性抜群のメッシュシートのおかげで、燃焼効率が非常に高いことがわかります。
大きい薪もガンガン燃やせる
細い薪に完全に火がついたところで、半ば強引に長さ40cmほど、そしてかなり太めの薪を3つ投入してみました。さすがにこれは消えてしまうかと思いましたが……。
全く問題なし! さすが全面メッシュといったところでしょうか。こちらも数分で勢いよく燃え上がりました。耐荷重も最大約21kgなので、大きなサイズの薪でも遠慮なく投入して燃やせます。
片付けがラク
炭や灰を捨てるときは、メッシュシートを外して挟めばそのまま運んで捨てることができます。ただし、ヤケド防止のため必ず耐熱グローブの着用をしましょう。
またキャンプ場の灰捨て場に処理する場合は、必ず消火してからが鉄則です。この日は密閉消火できる「火消し壺」を持参したので、火がついたまま処理を行いました。
ベルモント TOKOBI
ベルモント TOKOBIメッシュシート
オプションパーツでさらに便利に!とにかく料理がしやすい
TOKOBIがさらに魅力的なのが、オプションパーツが充実しているところ。シチュエーションごとに各オプションを紹介していきましょう。
横からの炭こぼれを防いでくれる「サイドカバー」
焚き火をして炭が増えてくると、横から少しこぼれてしまいます。構造上仕方ないのですが、これはマナー上気になります。
そこで便利なのがこのサイドカバー。メッシュシートと同じステンレス素材でできています。
使い方は簡単。まずは手で三角形になるよう、内側に曲げてクセをつけましょう。
サイドのフレームに装着して、メッシュシートの曲線に合わせて曲げ具合を調整。
装着すると、サイドから炭がこぼれ落ちるのを防いでくれます。ただしあくまでも上から被せているだけなので、細かな炭や灰が隙間から出てくる可能性はあるでしょう(2020/1/7時点 売り切れ)。
ベルモント TOKOBIサイドカバー2個セット
TOKOBIの真骨頂!マストアイテムの「ステンレス網」
TOKOBIで料理をする場合、このステンレス網が大活躍してくれます。サイズは通常サイズとLサイズの2種類。
両サイドのワイヤーシェルフにステンレス網を載せ、下段と上段の2段階で高さ調整が可能。
フライパンでベーコンエッグを作ってみましたが、下段で調理したら上段に移動して保温する、というような温度調整ができたので慌てずに済みました。
このように、上段なら薪の継ぎ足しも可能なので火加減のコントロールも容易です。
さらに、このステンレス網の両端にはズレ防止加工がしてあり、上段下段どちらも安定して置くことができます。
Lサイズと一緒に使用すれば、大きめの鍋との同時調理も! ステンレス網の耐荷重は最大約8kgなので、ダッチオーブンも使用可能です。中身にもよりますが10インチなど大きめなダッチオーブンは避けたほうがいいでしょう。
ベルモント TOKOBI ステンレス網
さぁお次は、約2kgの軽量焚き火台ではとても珍しい調理方法を実際に試してみますよ!
「アイアンプレート」で焚き火台の下スペースでも料理ができる
焚き火の上で料理をするのは一般的ですが、下で料理をする機会ってありますか? 3つのパーツで構成されるアイアンプレートを使用すれば、それが可能になるんです!
まず2枚の側板を突起が内側になるように本体両サイドから吊るします。
突起にメインのアイアンプレートを引っかければ完了。引っかけ箇所が2つあるので、高さも調整できます。
今回はテストとして冷凍ピザをセットして実際に調理。高さを上の段にセットして、アルミシートを敷いて加熱開始。
メッシュシートによる熱伝導率のよさで、下方向にもしっかりと熱が伝わり、数分でこんがりとしたキレイな焼き目がつきました! ピザ以外でも、グラタンや焼き魚などにオーブンとして使えます。
さらにアイアンプレートは、ステンレス網のように上段のワイヤーシェルフにも装着可能なので、鉄板焼きもできちゃいます。
上から灰がかからないか心配だったのですが、しっかりと対策可能でした。両サイドにセットしたアイアンプレート用の側板の上からでも、メッシュのサイドカバーを装着できるんです。
このおかげで、上からの灰をしっかりと防ぐことができます。メッシュシートの網目も細かいので、灰がふるい落ちてくることもほとんどありませんでした。
ベルモント TOKOBIアイアンプレート(側板付き)
すべてのオプションパーツを含めるとさすがに重い
ここまでオプションパーツの魅力を伝えてきましたが、今回使ったオプションパーツをすべて含めると約5kg以上とそこそこの重さに。
バックパックひとつでキャンプへ行くスタイルだとこの重さは厳しいので、バイクやクルマを使ったキャンプ向けの焚き火台だと感じました。
持ち出しやすいコンパクト性に、なんでもできる拡張性の高さがスゴい
ダッチオーブン調理も可能な焚き火台ですから、耐久性のことを考えれば軽さに期待しすぎるのは無理があるというもの。逆に、スマートなパーツ構成なので野暮ったさも無く、非常に持ち運びやすい印象でした。
また、焚き火台の下の熱を利用した調理ができるなど、2kg台の焚き火台とは思えない拡張性を持ち合わせています。
例えば、同ブランドの「アイアン焚火スタンド」と併用すればこのような使い方も。メッシュシートの高さを一番上段にすることで、焚き火の位置を高さ40cmほどに持ち上げることも可能なんです。
ベルモント アイアン焚火スタンド
TOKOBI単体でも、燃焼効率と耐久力の高さで焚き火台としてかなり優秀でしたし、まずは単体で使用してみるのもいいかもしれません。その後、ステンレス網とメッシュのサイドカバーなど増やしていき、調理の幅を広げるのも面白いのではないでしょうか。
執筆:髙橋敦