「ビッグフォレスト」のキャンプギアがネットで人気らしい
メーカーが思いもしない方向で人気を集めるギアは存在します。今回紹介する「ビッグフォレスト」もそんなブランドの一つ。特に「黒舟」と呼ばれる調理ギアは、ソロキャンパーの支持が高いんだとか!
なぜ人気が高いのか。実際にギアと合わせてみたり、調理してみたりしてその秘密を探ります。
そもそも「ビッグフォレスト」とは?
ビッグフォレストは、栃木県に拠点をおく「大森鋳造所」のオリジナルブランド。“鋳造”(ちゅうぞう)とは鋳物を製造することを指し、大森鋳造所は50年一筋で鋳物と向き合ってきたプロ集団です。
なぜ注目を集めたのか?人気の“黒舟”をくまなくチェック
ビッグフォレストは、定番「グリルプレート 黒舟」の2サイズ(MとL)と今年に新発売した「グリルプレート かるpan」のグリルプレートを販売。まずは、ビッグフォレストの顔とも言える黒舟から、その人気の理由を紐解きます。
その1:アルミ製の丈夫な素材
パッと見た感じでアイアン? と思う人もいると思いますが、実はこれアルミを鋳造した素材。表面に黒メタリックのテフロン加工を施しており、丈夫に作られています。
アルミの特徴である熱伝導率のよさ、軽量性はしっかりと備わっています。また、耐食性に優れていることもあり、濡れても錆びることがありません。
その2:大きめに作られた波状の焼き面
次にこの焼き面をよく見ると、表面が波状になっています。こちらの溝に食材から出た余分な油が落ちる構造になっていて、油分が多い食材をヘルシーに仕上げることが可能。
表面は前述したようにテフロンコーティングをされているので、洗剤で洗えば簡単に汚れを落とすころができます。肉や魚を食べたい人にはピッタリですね!
その3:脚付きで安定感抜群
裏を見ると、4本の脚が付いています。これにより、テーブルやゴトクの上で作る際にグラグラすることなく、安定させることができるのです。
ちなみに、黒舟にはハンドルが付いていて、そのまま持って移動させたり、中央のくぼみにトライポットやフックに引っかけて火から距離を置いたりすることができます。
その4:人気ギアとシンデレラフィット
ソロキャンパーの王道ギアとも非常に親和性が高く、これが一番のミソでしょう!
まずは笑‘sのコンパクト焚き火グリル「B-6君」。収納すると厚さ18mm、B6サイズに収まるとてもコンパクトな焚き火グリルで、ツーリングやバックパッカーでもラクに持ち運べることで人気の高いギアの一つです。
最初に黒舟のMサイズをB-6君の上に乗せてみました。見事にシンデレラフィット!
黒舟の脚がグリルの四方にキレイに収まり、ある程度揺らしてもズレることはありません。
次にLサイズを乗せてみました。こちらは残念ながらシンデレラフィットには至らず。
Mサイズは脚が収まっていましたが、Lサイズははみ出しています。しかし、グリルには載っているので、安定性はありませんが使えないわけではなさそうです。
笑’s「B-6君」
次にキャプテンスタッグの「カマド スマートグリルB6型」。笑‘sのB6君と同じく収納するとB6サイズまでコンパクトになり、使う燃料や用途に合わせて炭の受け皿を3段階調節できる人気アイテムです。
では黒舟のMサイズをチェック。こちらもシンデレラフィット!
ただB-6君とは異なり、こちらはゴトクの編み目に脚が収まっている印象。これがないと下に抜けてしまうかもしれないので、注意が必要です。ちなみに、Lサイズは収まりがよくなかったので割愛します。
カマド スマートグリル B6型
その5:これら以外の調理器具でも使える!
前述した2つのアイテム以外にも、コンパクトな焚き火台では網の上に乗せることが可能です。今回使用したUCOの「フラットパック ポータブルグリル」は網が2面あり、片方に「黒舟」を、もう一方には「かるpan」を乗せることができました!
さらに、コンロの上に乗せて使用することもできます! こちらはイワタニの「カセットフー マーベラスⅡ」。
ただ、黒舟のMサイズだと脚がキレイに収まらないので、人によっては「ん〜使うにはどうなんだろう?」と疑問を感じる人もいるかもしれません。こんな感じで、いろんなコンロやグリルとの相性を探せるのも黒舟の魅力でしょう。
グリルプレート 黒舟(M)
グリルプレート 黒舟(L)
2019年新発売の「かるpan」も徹底調査!
ビッグフォレストの定番である黒舟の魅力がおわかりになったと思うので、次に今年2019年に発売した「グリルプレート かるpan」もチェックしていきましょう。
まずは全体から。黒舟と同じくアルミを鋳造した素材を採用し、高い熱伝導率と軽量、そして耐食性が備わっています。サイズは縦14×横19.8×高さ1.5cm の1つのみ。取り外し可能なハンドルが付いているのが大きな違いです。
表面はハンマートーン加工を採用。鋳造した行程を感じさせる武骨なデザインが印象に残ります。その周りには溝が作られていて、ここに余分な油を落とすようになっています。料理にこだわりがある人が製造したのでしょうか……。
裏を見ると、脚はなく代わりにボックス型の溝があります。ここにコンロやゴトクをはめる仕組みになっています。
人気ギアとシンデレラフィット検証!
では黒舟と同じく、まずは笑‘sの「B-6君」にセット。……これ以上ないシンデレラフィットです!
黒舟は脚が内側に収まっていましたが、かるpanはボックス型の溝にB-6君の四方がキレイに収まっています。これなら安定して調理をすることができそう!
次にキャプテンスタッグの「カマド スマートグリルB6型」にセット。
こちらは溝にうまくはめることができず、残念ながらシンデレラフィットにはならず。でも、グリルにはうまく乗せることができるので、調理ができないわけではなさそうです。
イワタニの「カセットフー マーベラスⅡ」は使用できます。ゴトクに乗せるだけなので、フィット云々に関係ないからです。グリルの火付が面倒と思う人は、これで十分かもしれませんね!
グリルプレート かるpan
実際に「かるpan」を使ってお肉を焼いてみた
シンデレラフィット調査ができたところで、実際にお肉を焼いてどれほど美味しく仕上がるのか、試してみました。黒舟は多くの人がレビューを書いているので、今回は新作のかるpanでやってみました。
ジューーー! といい音を立てながらお肉が焼かれています。火もこれに反応しているのか、徐々に勢いが増しています。かるpanはあまり大きくないので、ステーキを焼く際には一人分の小さいサイズがちょうどいいでしょう。
あまりに火の勢いが強いので、2分しないうちに裏返しに。キレイに焼き目がついています! お肉の表面は適度にパリッとしており、たしかにヘルシーに仕上がっている印象です。
両面をしっかり焼いて完成! 断面を見ると、中央は程よく赤身が残る具合に。焼肉のタレでも、塩胡椒でも美味しく食べることができました。
事前知識をインプットしていないにも関わらず、簡単かつここまで美味しく作れるのは、ビッグフォレストの緻密な設計のおかげでしょう。
かるpanを使ってみて気になった点
最後に、実際に使っていて気になった点も紹介します。
炭火焼きで使うと底が煤まみれ
これはビッグフォレストのアイテムに限ったことではないですが、焚き火や炭を使って調理をすると、底が黒くなってしまいます。かるpanの底はグレーの素材そのままの色なので、使った後は真っ黒に……。
「せっかくの色を残して使いたい」という人は、炭火焼きでは使用せず、ガスコンロなどを使ったほうがいいかもしれませんね。
収納袋は付いていない
元々コンパクトなギアではありますが、ビッグフォレストのギアには収納袋が付いていません。かるpanにおいてはハンドルが取り外せるものの、持ち運ぶ際には紛失しないように注意する必要がありますね。
ビッグフォレストのギアなら初心者でも簡単に扱える!
ネットで人気を集めていたビッグフォレストのギアは、実際に使ってみたら想像以上にお肉を美味しく焼くことができました。他のキャンプギアとの相性もよく、ギア好きや料理好きにおすすめできるアイテム。ソロの時間を満喫したい人は、是非使ってみてください。
The gears of BIGFOREST are useful !
ビッグフォレストのギアは使いやすい!
小川 迪裕の記事はこちら