テントの「前室」って大事
コンパクトなテントでも靴や荷物が置けたり、ちょっとした調理スペースがあるとキャンプの質は雲泥の差に! そんなスペースを「前室」と言いますが、だいたいのテントがペグダウンをすることによって前室を作るタイプがほとんど。
雪でも岩場でも簡単に「前室」が作れるテントって少ない
でも地面にペグが刺さらないシチュエーションならどうしますか? 写真のような岩場でなくとも、意外とペグが刺さらないキャンプ場ってありませんか?
今回はそんなハードな環境にも臨機応変に対応できるフレームが前室まである軽量テントをご紹介。周辺のものを利用しなくても設営ができる、頼りになるテント達ですよ!
地面のコンディションに関係なく前室が作れる、9つのテントたち
ライペン「オニドーム」
前室を作るための2つの「つの」状の張り出しが、オニドームの名前の由来。フライをかけるだけであっという間に前室が完成!
ポールは二本だけのシンプル設計。軽量コンパクトな点からも山岳テントとしての機能を十分持ち合わせています。
以前はオレンジのワンカラーだったオニドーム。ユーザーの声を反映して2017年4月よりフォレストグリーンが販売開始。グリーン系や落ち着いたカラーの装備で統一されている方にはおすすめのカラーです。1人用と2人用があります。
ライペン オニドーム1 オレンジ
ライペン オニドーム1 フォレストグリーン
ライペン「ドマドーム」
続いては同じくライペンから発売している「ドマドーム」。その名の通りクロスする3本のフレームで作られた前室は、日本古来の「土間」をイメージ。
前述したオニドームより一回り大きいサイズで、ペグが刺さらない氷上でも大活躍!
こちらは2人用。土間部分の奥行きは1人用と変わらずの60cm。これだけ前室の広さがあれば、靴とバックパックを置いても屋根付きの調理スペースが確保できそうですね。
ちなみに寝室スペースとなる部分の奥行きは120cmほどあり、1人で広々と使う愛用者も多いのだとか。
ライペン ドマドームライト1
ライペン ドマドームライト2
ヒルバーグ「スタイカ」
スタイカはヒルバーグの「ブラックレーベル」に属す上級タフドーム。山岳用として考えると決して軽いとは言えない重量ですが、引き裂き強度の高い生地と極太ポールを採用した強靭なテントです。
先ほどのドマドームと比べると敵いませんが、十分な前室の広さが設定されています。
カラーバリエーションは、レッド、グリーン、サンド。このサンドカラーは登場するなり、ドームテントながらミリタリーテイストな雰囲気で一躍話題となりました。
お値段はさすがヒルバーグと言ったところですが、ソロキャンの憧れ幕と言わしめるテントです。
ヒルバーグ スタイカ レッド
ヒルバーグ スタイカ グリーン
ヒルバーグ スタイカ サンド
ヒルバーグ「アラック」
一見、先程ご紹介した「スタイカ」に似てはいますが、スタイカは耐久性を重視した「ブラックレーベル」。それに対しアラックは軽量性を重視した「レッドレーベル」。スタイカの頑丈さを継承したまま、より軽量性に情熱が注がれた完全自立型2人用オールシーズン型テントなのが「アラック」というわけです。
ヒルバーグのレーベルシステムに関しての詳細はこちら
インナーテントと前室という構成のアラック。インナーテントを取り去ればこちらのように開放感のある使い方もできます。
スタイカほど頑丈ではないものの、その使い勝手の良さは多くのバックパッカーやアウトドアマンたちが信頼を寄せるテントです。
ヒルバーグ アラック2 レッド
ヒルバーグ アラック2 グリーン
ヒルバーグ アラック2 サンド
ogawa「ステイシーネスト」
広い前室と適度な就寝サイズがバランスの良いドームテント「ステイシーネスト」。最近ではキャンプ芸人でもあるバイきんぐ西村さん愛用のテントとしても知られています。
ポールを組み立てインナーテントをクリップで吊り下げる。あとはフライをかけるだけ、と設置も簡単。
また、ogawaのテントの中でも軽量化を目指したテントで、収納サイズを幅42cmに収めています。なので自転車やオートバイでのツーリングキャンプにも最適。
前室の広さから、まるでプチ2ルームテントのような使い勝手の良さ、と例えられることも。
ogawa ステイシーネスト
テンマクデザイン「グランド ハット1」
アウトドアコーディネーター小雀陣二氏とテンマクデザインがコラボレーションした「グランド ハット1」も、”前室作り”にこだわりを感じられる一張り。
ペグも含めた総重量は2,199gとかなり軽量で、山はもちろんカヌーや自転車でのキャンプスタイルにも活躍してくれる1人用テントです。
こちらの前室は限られたスペースですが、靴やバックパックなら置ける広さ。テント前後の両方にこの前室スペースがあるので、使い分けもできそうですね。
ポールは数々のブランドが信頼を寄せるDAC製なので耐風性も高く安心! また外に出ているリッジポールに寝袋を挟めば、風に飛ばされずに干せるというギミックも◎。
テンマクデザイン グランド ハット1
ムラコ「ブラックビーク 4P」
金属加工業からスタートしたムラコ。現在は飯盒からテントまでアイテムも豊富です。そんなムラコの人気テント「ブラックビーク 4P」も、ペグなしで前室スペースが確保可能。
2本のポールを2箇所で交差させた「魚座型」のデザインは、ちょっと変化をつけたいキャンパーに特におすすめ。
黒で統一されている「ブラックビーク 4P」の他にも、グレー色の「ニンバス4P」も注目度の高いテントです。
ムラコ ブラックビーク 4
ムラコ ニンバス4P
ネイチャーハイク「Hibyシリーズの2~3人用テント」
ネイチャーハイクからも「魚座型」のテントをご紹介。広い前室は雨風をしのぐだけでなくちょっとした調理も可能です。
スカート無しなので4シーズンとはいかないまでも、3シーズンは使える優秀テント。
なのに2万円を切るという高コスパが最大の魅力で、時折売り切れになるほど。販売されていたら早めの判断が吉です。
ネイチャーハイク Hiby
ビッグスカイ「チヌーク 2P」
3つのポールで自立するビッグスカイのダブルウォールテント「チヌーク 2P」。キャンパーには馴染みのないブランド名ですが、登山好きの方ならご存知の方もいるかもしれません。
シンプルな見た目ですがドーム型であり3ポールデザインのため、耐風性はとても高く、どんなに悪天候下でも対応可能。設営はインナーテントと一体型の本体を広げ、外側からポールにクリップで止めるだけ。設営時間の速さはトップクラスです。
ダブルウォールで結露もおこりにくく、前室上部にベンチレーションを配置し通気性の確保も万全。
また軽量化を図りたい場合は、ポールを2本にしてもOKというウルトラライト設計。3本目のポールが前室を作ってくれるので、シチュエーションによって変更できるのは嬉しい仕様ですね。