インフレーターマットはかなり有能
テント泊の際、シュラフと並んで必需品なのがマット。底冷えを防ぎ、地面のデコボコを和らげてくれるという、とてもありがたい存在です。
シーズンに関係なくキャンプに必携のマストアイテムといえるでしょう。
クローズドセルの丈夫さ、エアーのコンパクトさを両立
マットには大きく分けて3種類あります。パタパタと折りたたみ式で穴あきの心配もない「クローズドセル」タイプ、中に空気のみ入っていて収納時とてもコンパクトになる「エアー」タイプ。
そしてクローズドセルほどかさばらず、穴が開いてもエアーほど致命傷にならない優れモノが「インフレーター」タイプです。両者のいいトコ取りの有能マットですが、じつは意外な弱点がありまして……。
弱点は……収納しづらいのが玉にキズ
それは「インフレーターマットって、とにかく収納が大変!」ということ。ただやみくもにたたんでも、なかなかコンパクトになってくれません。撤収まで延々と格闘することになります。
ですが、誰にでも楽々収納できるコツがあるんです。今回はマット界の人気メーカー「シートゥサミット」の定番インフレーター「キャンプマットS.I.」を使って実際にレポートします!
中のウレタンがクセ者だ
攻略のためにはまずはじめに構造を知っておきましょう。インフレーターマットの中身はエアーとウレタン。これが高い断熱性を生み出すのですが、エアーマットほど簡単に小さくなってくれない理由もここにあります。
指で押してもなかなかへこみません。寝るときはありがたい中身(ウレタン)ですが、これだけしっかり詰まっているというのは収納時にはかなり厄介な存在でもあるんです。
力任せにつっこんでも収納できない
試しに手先でクルクルっと巻いて、袋に突っ込んでみましょう。絶望的に入りません。どれだけ力を込めて押し込んでもダメです。手が痛くなってきました……。
ちなみに、このときの直径は22cm。
この小さなスタッフサックに入れるには、物理的にどうしても直径を16cm以下にする必要があるのです。
大事なのは「ヒザ」と「バルブ」使い
では、小さくするためのコツとは……それは「ヒザ」と「バルブ」をうまく使うこと。
この2つの使い方さえマスターすれば驚くほどコンパクトにたためるのです。
こうすれば超コンパクトにたためる!
それでは実際にインフレーターマットを収納してみます。最初はパンパンに膨らんだ状態です。
1. まずバルブを開放
まず、マットの頭のほうについているバルブを開けます。シートゥサミット「キャンプマットS.I.」の場合は中間のキャップも外します。
ちなみにこれは膨らませるときに使う、エアー注入時の逆流防止弁になります。これをつけたままだと空気がまったく抜けませんので注意してください。
2. 蛇腹状に折りたたむ
おもむろにZ字に折りたたんでいき、蛇腹のようにします。
3. 上に乗って空気を出す
蛇腹にたたんだら、上に正座の態勢で乗っかります。すると「プシュー」と全体のエアーが抜けていくのが分かります。これでまず、おおよその空気を抜いておくのです。
4. バルブを閉める
蛇腹の状態で空気が抜けきったら、今度はバルブをきっちり閉めます。マット内に空気が再び入ってしまわないようにするためです。
5. 広げる
お次はバルブを閉めたまま広げます。最初に比べだいぶペタンコになっているのが分かります。ですがこれではまだ不十分です。
6. 膝で押さえながらぎっちり巻いていく
「キャンプマットS.I.」の場合はまずタテに1回折って細くして、今度は足元のほうからクルクルと丸めていきます。
その際ヒザで上から押しながら(ココ重要!)丸めます。マット内に残った空気を押し出しながら丸めていくイメージです。
7. 半分ほど巻いたらバルブを開ける
だんだんと、まだ丸めていない部分に空気が溜まっていきます。半分ほど巻いたらその箇所がパンパンになるのでバルブを開けてください。
さらにヒザで押し込み、残った空気をシューッと抜きながら、残り部分を巻いていきます。このときバルブは開けたままでOKです。
8. 最後まで巻ききったらバルブを閉める
最後まで巻ききったらバルブを閉めます。かなりコンパクトになった印象です。
計測すると直径はなんと14cm! はじめに手先だけで適当に巻いた際の直径は22cmでしたから、マイナス8cmを達成しました。
9. スタッフサックに入れる
このマットの場合、巻いたときの直径が16cmを下回っていれば、スムーズにスタッフサックに入るというのは先ほどお伝えしたとおり。今度はスルッと余裕で入りました。
もちろん収納サイズはメーカーやマットによって異なりますが、この方法でやればどんなインフレーターマットでも付属の袋に確実に入れることができます。
10. 入らなければ再び5から9まで繰り返し
この時点でスムーズにスタッフサックに入らなければ、まだ空気が抜けきっていないという証明になります。そんなときはバルブを閉めたままもう一度広げて、足側からふたたびギッチリ巻いていきましょう。
これまでの5番から9番までのプロセスをもう一度実行します。ヒザで押し込みながら空気を抜いていく、というのを忘れずに。コレを繰り返せば最終的には必ずスッポリ収まるようになります。
今回使用したのはこのマット
今回使用した「キャンプマットS.I.」は信頼できるマットを多数リリースするシートゥサミットの中でも、とりわけコスパに優れた名品です。
ふくらませたときの厚さはしっかり3.8cm。マットの暖かさの目安となるR値は4.2と、かなり冷え込む就寝時にも対応してくれますよ。
シートゥサミット キャンプマットS.I. レギュラー
これでインフレーターマット収納がスムーズに!
さまざまな厚さや形状のインフレーターマットがリリースされていますが、どれも収納方法は基本的に同じ。
エアーマットより丈夫で、クローズドセルマットよりかさばらないインフレーターマットですが、収納できないのでは困りもの。この「たたみテクニック」をマスターしておけば、弱点が解消されますよ!