※この記事にはヘビの画像が多く含まれています。ビジュアルが苦手な方はご注意ください。
※ここで紹介する対策や処置はあくまで一例です。詳しくは医療機関の指示に従ってください。
ヘビってホントに危険なの?
キャンプ場でバッタリ出くわして、思わず声を上げそうになるのがヘビ。意外と遭遇率は低くないものです。
ヘビは「何となく怖い」イメージがありますが、本当に危険で恐ろしい生物なのでしょうか? キャンパーたるもの、正しい知識を身につけておくことが大事です。
危険なヘビはごく一部
日本にいるヘビは36種類。そのうち、被害報告のある毒ヘビはたったの3種です。他にも沖縄などに毒ヘビはいますが、口がとても小さかったり、性格が極めて臆病だったりして、被害は起きていません。
ほとんどのヘビは穏やかな性格の持ち主なんです。ただし、中には危険なヘビもいます。しっかり見極めることが肝心ですね。
それではさっそく、覚えておくべきヘビをご紹介しましょう!
キャンプ場にいる可能性のあるヘビ
では、実際にキャンプ場でバッタリ出くわす可能性のあるヘビを紹介します。覚えておくべき毒ヘビはたった3種のみ。特徴を知っておけば、遭遇した時に毒ヘビか無毒ヘビかの判別ができます。キャンパーなら知っておいて損はありません!
毒ヘビ①マムシ
日本に広く分布し、最も出くわす可能性の高い毒ヘビです。体長は45~60㎝くらいと小さめ。土や枯葉の上にいると保護色で見にくいため、うっかり踏んでしまうことも。
独特の模様と三角形の頭がいかにも毒ヘビという風貌ですが、本来はおとなしいヘビなので、こちらが刺激しなければ襲ってくることはまずありません。
毒ヘビ②ヤマカガシ
日本各地に生息するも、北海道には分布しません。鮮やかな体色が美しいヘビです。毒性は強いですが、おとなしい性格。
口の奥のほうに牙がある「後牙類」と呼ばれる種類なので、よほど深く咬まれない限り毒は注入されないことが多いです。
また、首から背中にかけて毒をためておく袋があります。むやみに叩いたりすると飛び散る危険もあるので注意が必要です。
「黒化型」という赤味のない真っ黒な個体もいます。
毒ヘビ③ハブ(※沖縄と鹿児島の島しょ部のみ生息)
日本にいるヘビの中では例外的に気性が荒く、とても危険なヘビ。
一回り小さいヒメハブや、鎖のような模様のサキシマハブなど仲間が数種類存在しますが、それらを含めても沖縄県と鹿児島県の約半数の島にしか生息しません。
なので南国キャンパーさん以外、出会う可能性はほとんどなさそうです。
無毒ヘビ①アオダイショウ
ここからは無毒のヘビです。アオダイショウは本州に生息する中で最大のヘビで、2mを超える個体も。でも大きさに反して、性格は温和です。
幼いうちは縞模様がハッキリしていてマムシと見間違えてしまうことも。木に登るのを好みます。
山口県岩国市に生息する天然記念物「シロヘビ」も、アオダイショウの白色個体です。
無毒ヘビ②シマヘビ
名前のとおり、特徴的な縞模様があるのですぐに判別できます。比較的大きく成長し、150cm以上になる個体も。基本的に地面での生活を好みます。
体色が真っ黒な個体は「カラスヘビ」とも呼ばれます。
その他の日本のヘビ
土の中に潜るのが好きな「ジムグリ」などのヘビがいます。いずれのヘビも毒はなく、よく見たら可愛らしい顔に見えてくる?
出会ったらどうすべき?
出会ってから慌てなくて済むよう、事前に防御策を頭に入れておくことが肝心です。ただ、人間もヘビも同じ自然界の生き物同士。「退治する」のではなく「距離を置く」というスタンスで行動するのがいいでしょう。
寄せ付けないのが一番
出会わないなら、それに越したことはありません。つまり、こちらに寄せ付けないようにすることが大事になってきます。下のグッズ「ヘビこな〜い」は天然成分100%で、置くだけでヘビを遠ざけてくれるスグレモノなんです。
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なるべく刺激しない
もし出合ってしまっても、こちらから攻撃しなければほぼ大丈夫。そっと遠ざかりましょう。
無毒ヘビでも噛まれればそれなりに痛いですし、傷口から雑菌が入ることもあります。ふざけてイタズラするのは、やめておきましょう。
誤って踏んでしまうのは避けたい
一番噛まれやすいのがこの「知らずに踏んでしまう」パターン。お互い悪気はないので、できればサイト付近にいないでもらえれば間違って踏みつけてしまう危険もないですよね。
ヘビを遠ざけるよう、サイトの周りに忌避剤をまいておくという手もあります。
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上から落ちてくることもある
木の上を好むヘビが落ちてくる可能性も、ないとは言いきれません。森に入る時にはハットをかぶっておくと安心です。紫外線対策にもなるので一石二鳥!
キュッとひもを絞って調節できるサファリハットだと、しっかり固定できるのでおすすめです。
スノーピーク レインガード サファリハット
振動を感知するヘビの特徴を利用
ヘビは基本的に臆病な性格なので、草むらに入る時などはわざとガサガサ音を立てて入るといいでしょう。人間の気配を感じると、大抵はヘビのほうから逃げていきます。
もし噛まれたら……
どんなに気をつけていても、運悪く噛まれてしまうことはあるかもしれません。そんな時はとにかく落ち着いて、冷静に対処することが大切です。万が一の時に慌てなくて済むよう、対処法を頭に入れておきましょう。
まず、毒ヘビかどうかを判断せよ
再度噛まれることを防ぐためにも、まずは静かにその場を離れましょう。安全が確保できたら、ヘビの大きさや模様などから毒ヘビかどうかを判断します。
噛まれた後の腫れ方がひどい場合は、毒ヘビの可能性が高いです。
無毒ヘビなら傷口を清潔に
毒のないヘビなら、それほど大事には至りません。傷口を消毒して清潔に保ち、医師の指示を仰いでください。
ただし、毒ヘビを無毒ヘビだと勘違いしてしまうと大変です。しばらくは安静にして、様子を見ましょう。
毒ヘビなら、縛ったり冷やしたりは厳禁
痛みが続いたり、腫れが引かなかったりする場合は、毒ヘビの可能性があります。
でも、毒を吸い出したり、血が回らないよう縛ったりするのは「やるべきでない」というのが、近年の一般的な考え方です。
つい冷やしたくもなりますが、毒がまわるのを促進してしまう場合もあるのでこれも避けましょう。
慌てず騒がず病院へ、が正解!
「毒ヘビに噛まれた!」と慌てても、素人にできることはほとんどありません。焦る気持ちを落ち着けて、すぐに病院へ行きましょう。
ヘビも、自然界の住人!
よく考えてみると、ヘビの住んでいるところにお邪魔させてもらっているのは私たち人間のほうです。もともとの住民であるヘビを刺激せず、うまく共存できれば、それがベストではないでしょうか。
キャンプサイトのまわりにいる動植物を大切にして、大自然を丸ごと満喫しましょう!
Let’s know snakes well!
ヘビのことを、よく知ろう!