先代より広くなった室内

マツダの広報担当者によると「後席、荷室は先代より広くした。断面で見たときの空間面積はひとまわり以上広くなった」とのこと。
それは、筆者も実感しました!
筆者は先代(2代目)CX-5で、車中泊を伴う長距離試乗を2回ほど実施しているのでわかります。新型は前席から荷室まで全体的に空間が広がっています。
CX-5は初代からミドルクラスSUVらしい大きめのボディサイズで、大人4人が長時間快適にドライブできる(乗車定員は5人)広さをもったクルマなのですが、3代目となる新型が一番広くなったのではないでしょうか。
就寝スペース長さは余裕の2m超え!

前席を最も前までスライドさせて、後席を倒して車中泊モードにしてみます。
これぞまさしくミドルサイズSUVと言わんばかりの広い”就寝スペース”が出現します。
コンベックス(巻き尺、メジャーとも)片手に実測開始!
就寝スペース長は、計測箇所により約202〜208cmと余裕の2m超え! 身長180cm以上の大人でもゆったり横になれる広さです。
室内幅は、荷室部のタイヤハウスの出っ張りのあるところが最も狭く約105cm、最も広くなる後席ドア部で約149cm。
荷室部の室内幅は狭くなっていますので、2人就寝時は窮屈そうですが、頭を前席側にすれば就寝時はさほど気にならない構造と言えますね。
室内高は、荷室部の最も低いところで約80cm、後席部の最も高いところで約94cmありました。
これなら、大人2人が車中泊できる就寝スペースは十分にあります。

倒した後席部の背面、つまり車中泊モード時のフロア面は若干の傾斜がありますが、苦にならないレベルです。

前席を最も前にスライドし後席を倒した状態で、倒した後席部のフロア面から足元の床面までの高さは約50cm、前席シート背面から後席フロア部前端までの長さは約45cm。
車中泊時は、この空間を荷物などで埋めてマットを敷く必要がありますね。
新型CX-5、どこが変わった?
新型CX-5は3代目。9年ぶりのフルモデルチェンジです。

ボディサイズは、全長4,690mm×全幅1,860mm×全高1,695mm。先代より全長が115mm、全幅が15mm大きくなりました。
注目はホイールベース(前輪と後輪の間の距離)。全長の伸びと同じ115mmぶん長くなり、室内空間が広くなりました!

荷室容量は、5人乗車時でも466L。最低地上高(地面からクルマの底までの高さ)は205mmで、未舗装路の先にあるキャンプ場へも安心して行ける高さです。
パワートレイン(エンジンやモーターなど、クルマを動かす装置全体)は、2.5Lガソリンエンジンにマイルドハイブリッドシステム「M ハイブリッド」(*)を組み合わせた「e-SKYACTIV G 2.5」の1本に絞られました。先代にあった2.0Lガソリンと2.2Lディーゼルターボはなくなっています(先代CX-5ユーザーなどから落胆の声が聞こえてきました)。
(*)マイルドハイブリッド:小型のモーターでエンジンを補助し、燃費を向上させる仕組み。モーターだけで走行することはほぼない。

エンジンは、先代の2.5Lガソリンエンジンをベースに改良したもので、排気量は同じ2.5L(カタログ諸元表では2,488cc)です。2.5Lエンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせは、マツダの国内モデルでは初採用となります。
エンジン単体の最高出力は131kW(178PS)、最大トルクは237N・mと、先代(140kW/190PS・252N・m)より控えめになりました。一方、モーター(4.8kW/6.5PS・60.5N・m)が発進や加速をアシストしてくれます。この組み合わせの効果で、走行性能を落とさず先代より燃費が“約1割”良くなりました。
ストロングハイブリッドは2027年に登場予定
国産ミドルサイズSUVは軒並みストロングハイブリッド(エンジンと高出力モーターを組み合わせ、モーターのみでの走行も可能なハイブリッド)を採用している中、マイルドハイブリッド1本の新型CX-5は不利な印象がありますが、大丈夫です!
2027年中に、CX-5にストロングハイブリッドが追加されることが濃厚となっています。
筆者の予想ですが、ストロングハイブリッドの車両価格は35〜50万円程度高くなるのではないでしょうか。
新車価格は高くてもリセール(次の下取や買取時の価値)は高くなること、モーター走行も可能とする高い動力性能も期待できるので、ストロングハイブリッドの登場を待って購入するのもアリですね。
先代との比較
| 新型CX-5 | 先代CX-5(2.5Lガソリン車) | |
|---|---|---|
| 全長(mm) | 4,690 | 4,575 |
| 全幅(mm) | 1,860 | 1,845 |
| 全高(mm) | 1,695 | 1,690 |
| ホイールベース(mm) | 2,815 | 2,700 |
| 室内長×幅×高(mm) | 1,890×1,592×1,299 | 1,890×1,540×1,265 |
| 最低地上高(mm) | 205 | 210 |
| 最小回転半径(m) | 5.6 | 5.5 |
| パワートレイン | 2.5Lガソリン+マイルドハイブリッド | 2.5Lガソリン |
| エンジン最高出力 | 131kW(178PS) | 140kW(190PS)※ |
| エンジン最大トルク | 237N・m | 252N・m※ |
| モーター | 4.8kW(6.5PS)・60.5N・m | ― |
| 燃費(WLTCモード) | 15.2km/L(2WD)/14.2km/L(4WD) | 13.8km/L(2WD)/13.0km/L(4WD) |
※カタログ上の「室内長」の数値は先代と共通ですが、ホイールベースの拡大により、前席バックレストから荷室までの実際の空間効率や、車中泊時に使えるフロアの広さが向上しています。
※先代4WD車は138kW(188PS)・250N・m
※最小回転半径(m):数値が小さいほど小回りが利く
※WLTCモード:実際の走行に近い測定方法による燃料消費率
車中泊やキャンプの長距離ドライブも安心の充実装備
キャンプや車中泊を思いっきり楽しんだ帰り道。体はクタクタなのに、家まではまだ長いドライブ……なんてこと、ありますよね?
そんなときに頼りになるのが、全車に標準装備された運転支援機能です!

前のクルマとの車間距離を保って自動で加減速する「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」は、停止まで対応する全車速追従機能付き。さらに、車線内の走行をハンドル操作で支援する「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」も備えています(*)。
(*)CTSの一部機能は、高速道路・自動車専用道路の判定に車載のSDカードを使用します。運転支援機能は自動運転ではなく、作動には条件があります。
ドライバーの疲れや注意力の低下を検知して休憩を促す「ドライバー・アテンション・アラート(DAA)」も全車標準。遊び疲れた帰り道にはうれしい機能ですね。
新たに採用された「プロアクティブ・ドライビング・アシスト(PDA)」は、アクセルペダルを離したときの減速をアシストしてくれる機能です。
最上級の「L」と、「G」のメーカーオプション「EX Package」なら、さらに安心がプラスされます。
高速道路の渋滞時にハンドルから手を離して走行(アクセル操作も不要)できる「ハンズオフアシスト機能」や「車線変更アシスト機能」、運転中の急病などを検知すると減速・停止して救命要請まで行う「ドライバー異常時対応システム(DEA)」(*)が加わるんです!
(*)自動接続による救命要請にはコネクティッドサービスの契約が必要
クルマの周囲を映す「360°ビュー・モニター」には、車両側面を確認できる「シースルービュー」が加わりました(全車標準)。木や岩に囲まれた狭いキャンプ場でも、取り回しの不安を減らしてくれます。

新型CX-5のグレード構成と価格
グレードは「S」「G」「L」の3つで、それぞれ2WDと4WDを設定しています。
| グレード | 2WD | 4WD |
|---|---|---|
| S | 330万円 | 353万6,500円 |
| G | 352万円 | 375万6,500円 |
| L | 407万円 | 430万6,500円 |
※価格はメーカー希望小売価格(税込)
いちばん手頃な「S」の2WDは330万円。2m超えの就寝スペースをこの価格で手に入れられるのは魅力です!
「G」には、運転支援機能やBoseサウンドシステムなどをまとめたメーカーオプション「EX Package」(22万7,700円)が用意されています。
「L」ではパノラマサンルーフ(12万1,000円)を選べますが、装着すると室内高(メーカー測定値)が1,299mmから1,267mmに下がります。車中泊で頭上の空間を重視する人は覚えておきましょう。
SUVで車中泊をしたいなら「CX-5」がおすすめの1台

ミドルサイズSUVたるボディサイズを有効に活用し、室内空間が先代よりも広くなった新型CX-5は、「SUVで車中泊したい」というユーザーの希望を叶えてくれるはず。
マツダが得意とする都会的でスタイリッシュなSUVは、よりスマートな車中泊を演出してくれるでしょう!
無骨さはありませんが、キャンプサイトでも映えるデザインではないかと筆者は評価しています。
充実の先進技術も長距離ドライブの機会が多い車中泊・キャンプユーザーにも嬉しい装備ですね!
【動画】新型CX-5の車中泊モードの徹底計測の様子&走行チェック
今回の試乗車は、「Gグレード」2WD(FF:前輪駆動)です。
車中泊モード時の詳しい解説と、実際に運転しての感想をお伝えしています。ぜひ、あわせてご覧ください。
※撮影:特記事項がない場合は筆者(宇野 智)

