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「コンパクトSUV」でも”大人2人”の車中泊OK!広くなった新型日産キックスを徹底調査!

2026年6月18日にフルモデルチェンジした、日産の新型キックス。

全長4.4mを切るコンパクトSUVですが、なんと大人2人が車中泊できそうなんです!

ただし、実際に寝てみると、ちょっとした注意点も見えてきました。

さて、その中身はいったいどうなっているのでしょうか?

目次

※撮影:特記事項がない場合は筆者(宇野 智) 

広くなった後席と荷室

先代キックスの後席と荷室は「コンパクトSUVらしい広さ」にとどまり、お世辞にも広いとはいえませんでした。

日産の担当者も「ユーザーから、先代は『狭い』という声をいただいていた」と語っていました。

新型キックスは、室内空間がぐっと広くなりました!

前席は、水平基調でフラットなデザインのインパネ(運転席・助手席の前にある、メーターなどが並ぶパネル)が空間を広く見せてくれることもあり、コンパクトSUVとは思えない広さを感じました。

後席は、足元空間も頭上空間も広くなっています!

身長180cmの筆者が前席に座り、窮屈にならない程度にシートを後ろへずらして背もたれも倒しましたが、それでも後席の足元空間はしっかり確保されていました。

「大人4人で長時間ドライブできる」広さと言っていいでしょう。

※荷室容量は、2WDで476L(VDA方式[*]・100V AC電源なしの場合)。4WDのe-4ORCEは340Lです。
[*]VDA方式:ドイツ自動車工業会が定めた荷室容量の測り方。決まった大きさのブロックがいくつ積めるかで測るため、実際に荷物を積める量に近い数値になる。

後席を倒せば大人2人が横になれる!

後席を倒して車中泊モードにしてみると、後席部分に少し傾斜はあるものの、筆者も難なく寝そべることができました!

コンベックス(巻き尺)片手に実測してみると、
就寝スペース長:約184cm
就寝スペース幅:約102〜143cm
床面から天井まで:約70〜80cm

という結果に!(いずれも後席を倒した”車中泊モード”状態での筆者実測値)

※カタログの室内長は1,930mmですが、この数値がそのまま後席を倒したときの就寝スペースの長さになるわけではありません。

身長180cmの筆者でも、足を伸ばして寝られる長さがあります。先代キックスでは体を伸ばして寝るのは厳しかったのですが、新型キックスなら大丈夫です!

前席を最前へスライドし後席を倒した状態。後席部フロアの高さから床面までは約50cm、前席シート背面から後席フロア部前端までの長さや約40〜45cm。車中泊時は、この空間を荷物などで埋めてマットを敷きたい。

気になる2人での車中泊はどうでしょう?

幅がいちばん狭いのは、タイヤハウス(後輪を覆う車内の出っ張り)部分で約102cm。大人2人だと寄り添って寝る形になりそうですが、カップルや親子なら現実的な広さです。

後席部分の傾斜は、そこまで気にならないレベル。ただ、連泊となると身体に負担がかかりそうです。車中泊するなら、厚手のマットを敷くなどの用意は必要です。

1泊程度のライトな車中泊や、キャンプへの遠出なら、ぴったりの1台になるでしょう!

キックスとはどんなクルマ?先代と何が変わった?

キックスは、2020年6月に日本で発売されたコンパクトSUVです。日本仕様は発売当初から全車が「e-POWER」(日産独自のハイブリッドシステム。詳しくは後述)を搭載していました。

今回の新型は、コンパクトSUVのキックスとしては2代目になります。

実はこの新型キックス、日本より先に海外でデビューしていたんです!(*)2024年3月に北米仕様が初公開され、欧州にも、日本に続いてe-POWER仕様が投入される予定です。

(*)昨今の新型国産車は海外市場で先に販売されることが多くなりました。その理由のひとつに、日本より海外で販売される販売台数のほうがはるかに多い(乗用車の国内販売率は全世界販売台数の20%前後のメーカーが多い)ことが考えられます。

アメリカンフットボールのヘルメットから着想を得たフロントフェイスも、新型キックスの大きな特徴です。

新型キックスのボディサイズは、全長4,365mm×全幅1,800mm×全高1,615mm(4WDは1,610mm)。先代より全長が75mm、全幅が40mm大きくなりました。

パワートレイン(エンジンやモーターなど、クルマを動かす装置全体)は第3世代e-POWER。発電用のエンジンは直列3気筒(3つのシリンダーが一列に並んだエンジン)の1.4Lで、最高出力は72kW(98PS)です。

タイヤを回すフロントモーターは、最高出力105kW(143PS)・最大トルク315N・m(トルク:クルマを前へ押し出す力の強さ)を発生します。コンパクトSUVとしてはかなりの力持ちなんです!

燃費(WLTCモード)は、2WDが25.7km/L、4WDが21.5km/L。19インチタイヤを履く最上級グレード「G」は、2WDが23.4km/L、4WDが20.1km/Lと燃費もいいクルマです。

そもそも「e-POWER」ってなに?

e-POWERは、日産独自のハイブリッドシステムです。

一般的なハイブリッド車は、エンジンとモーターの両方でタイヤを動かします。一方のe-POWERは、エンジンは発電するだけで、タイヤを動かすのは100%モーターなんです。この方式を「シリーズ式ハイブリッド」と呼びます。

だから走りの感覚はEV(電気自動車)そっくり。アクセルを踏んだ瞬間からグイッと加速して、とっても静かです!

それでいて、EVのような充電は不要です。いつものガソリンスタンドでレギュラーガソリンを入れるだけでOK。充電スポットを探さなくていいのは、キャンプや車中泊の遠出ではうれしいポイントですよね。

新型キックスの第3世代e-POWERは、5つの主要部品(モーター、発電機、インバーター:バッテリーの電気をモーター用の電気に変換する装置、減速機:モーターの回転を落として力を強める歯車、増速機:エンジンの回転を上げて発電機に伝える歯車の5つを一体化したユニット。)を1つにまとめた「5-in-1ユニット」を日本市場で初めて採用。小型・軽量化とともに、高剛性化も実現した。

4WDの「e-4ORCE」ってなに?

4WDモデルには、キックスとして初めて「e-4ORCE(イーフォース)」を採用しました!

e-4ORCEは、日産の電動4WD技術です。前後2つのモーターの力と4つのタイヤのブレーキを、クルマがまとめてコントロールしてくれます。

カーブでは狙ったラインをスーッと曲がれるように、滑りやすい路面では安定して走れるように、クルマが細かく調整してくれるんです。

リアモーターは最高出力50kW(68PS)・最大トルク140N・m。さらに、キックスとして初めて雪道用の「SNOW」モードも追加されました(4WDのみ)。

最低地上高(地面からクルマの底までの高さ)は170mm。本格的な悪路を走るクルマではありませんが、雪道のスキー場や、未舗装路があるキャンプ場などへ行くときでも安心の高さです。

先代との比較

先代「キックス」マイナーチェンジ後の後期型(画像:日産自動車)
 新型キックス(2026年6月〜)先代キックス(2022年7月〜2026年6月)
e-POWER第3世代第2世代
全長(mm)4,3654,290
全幅(mm)1,8001,760
全高(mm)1,615(2WD)/1,610(4WD)1,605
ホイールベース(mm)2,6552,620
車両重量(kg)1,430〜1,480(2WD)/1,550〜1,590(4WD)1,360(2WD)/1,480(4WD)
発電用エンジン直3 1.4L(72kW/98PS)直3 1.2L(60kW/82PS)
フロントモーター105kW(143PS)・315N・m100kW(136PS)・280N・m
リアモーター(4WD)50kW(68PS)・140N・m50kW(68PS)・100N・m
4WDシステムe-4ORCEe-POWER 4WD
燃費(WLTCモード)25.7km/L(2WD)/21.5km/L(4WD)※23.0km/L(2WD)/19.2km/L(4WD)
燃料タンク容量(L)4541(2WD)/35(4WD)
最小回転半径(m)5.35.1

※G:23.4km/L(2WD)/G e-4ORCE:20.1km/L

先代キックスは、2022年7月の改良で第2世代e-POWERに進化し、4WDも追加されました。新型はさらに新しい第3世代e-POWERを搭載しています。

発電用エンジンは1.2Lから1.4Lに排気量を拡大してパワーアップ。フロントモーターの最大トルクも280N・mから315N・mへ強化されました。4WDは「e-POWER 4WD」から「e-4ORCE」に進化し、リアモーターの最大トルクも100N・mから140N・mへアップしています。

ボディがひと回り大きくなり、車両重量は2WDで70〜120kg増えました。それなのに燃費は、2WDで23.0km/L→25.7km/L、4WDで19.2km/L→21.5km/Lと良くなっているんです!

【トリビア】元祖は軽SUVパジェロミニの兄弟車だった?

実は「キックス」という名前、最初はコンパクトSUVの名前ではありませんでした。

軽SUV「KIX」(画像:日産自動車)

2008年10月、日産は軽自動車のSUV「キックス(KIX)」を発売しました。これは三菱『パジェロミニ』のOEM車(ほかのメーカーがつくったクルマを、自社ブランドで販売するもの)。つまり、パジェロミニの兄弟車だったんです!

660ccのターボエンジンに、2WDと4WDを切り替えられる4WDシステムを組み合わせた本格派の軽SUVでしたが、パジェロミニの生産終了とともに2012年に販売を終えています。

その後、2016年にブラジルでコンパクトSUVの「KICKS」が登場し、日本では2020年に発売されました。

つまり、コンパクトSUVのキックスとしては今回の新型が2代目。軽SUVの「KIX」も数えると、通算3代目になります!

アルファベットだと「KIX」と「KICKS」で綴りは違うのに、カタカナにするとどちらも「キックス」。ちょっと面白いですよね。

【さらにトリビア】日産が公式に伝えている車名の由来

現在の「KICS」が『Kick(蹴る)から、新しいことに向かって蹴り出していく力強さを表現し、これまでよりも、もっともっと遠くに行きたくなるクルマ、という意味を込めている。』と伝え、

軽SUV「KIX」が『「KIX」=「KICKS」+「X」。「KICKS」は軽快感をイメージさせ「興奮」「熱中」という意味。「X」は「未知数」という意味。「KIX」は乗る人すべてに軽快な走りとともに刺激的な毎日を提供したい、という想いを込めている。』とのことです。

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