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車中泊“エンジンかけっぱなし”は危険?「真夏の熱中症」と「真冬のCO中毒」から命を守る正しい対策

車中泊で“エンジンかけっぱなし”。

実はこれ、多くの自治体で条例違反になるうえ、熱中症やCO中毒など命に関わる危険もあるんです。

だからエンジンは切るのが大前提!

でも大丈夫、装備と場所選びを工夫すれば、エンジンに頼らず快適に眠れます。正しい知識を整理しましょう!

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目次

そもそも、つけっぱなしで寝て大丈夫なの?

正直に言ってしまうと、就寝中にエンジンをかけたままエアコンや暖房を使い続けるのは、基本的にNGです。

理由は大きく3つ。

一酸化炭素中毒
燃料切れによる熱中症
騒音や条例の問題

車中泊では「ちょっとだけならいいかな」とつい思いがちですが、寝ている間は車内の異変に気づけないのが、いちばん怖いところなんです。

筆者も年間100日以上を車中泊やアウトドアで過ごしますが、寝るときはエンジンを“例外なく”切っています。「暑いから」「寒いから」とつけっぱなしにすることには、取り返しのつかない事故につながるリスクがあるからです。

では、それぞれのリスクを順番に見ていきましょう。

真冬に怖い「一酸化炭素中毒」って何が危険?

冬の車中泊で最も警戒すべきなのが、排気ガスによる一酸化炭素(CO)中毒です。

一酸化炭素は無色・無臭。車内に充満しても気づけないのが、本当に恐ろしいところなんです。体に取り込まれると血液が酸素を運べなくなり、頭痛や吐き気を経て、意識を失う前に体が動かなくなってしまいます

特に危ないのが、雪の日。マフラー(排気口)が雪で塞がれてしまうケースです。

(画像生成:Gemini)

JAFの検証によると、マフラーが雪に埋まった状態でエンジンをかけると、行き場を失った排ガスが車体の床下にたまり、ボディの隙間から車内へと吸い込まれてしまいます

さらにボンネットの上まで雪に覆われた状態では、外気導入にしていても、わずか16分で車内のCO濃度が400ppmに上昇し、その6分後には測定上限値である1000ppmに達したとされています。これは車内にとどまるには、とても危険な水準です。

(画像生成:Gemini)

一般に、200ppmで2〜3時間ほどで軽い頭痛、400ppmでは1〜2時間で頭痛や吐き気、800ppmになると45分ほどで頭痛・めまい・吐き気・けいれんが起き、2時間で失神するとされています。1600ppmに達すると、わずか20分で頭痛・めまい・吐き気が起こり、2時間で死に至る危険な濃度です。

いっぽうで、JAFが同じ条件でマフラー周辺の雪を除雪しておいたところ、CO濃度はほとんど検知されませんでした。

雪のなかでどうしてもエンジンを使うなら、マフラーまわりの除雪が命を守る基本になります。

とはいえ大前提として、駐停車中のアイドリングはそもそも避けるべき行為。ですが、突然の大雪に見舞われたときなどの緊急事態発生時の命を守るための手段として覚えておいてください。

つけっぱなしは法律的にも問題あり?

実は、駐停車中のアイドリングを規制する条例は、ほぼ全国の都道府県で定められています。

例えば東京都では「環境確保条例」で、駐車・停車するときはエンジンを止めるよう運転者に義務づけています。

(画像生成:ChatGPT)

ここで見落としがちなのが、冷暖房目的のアイドリング。東京都はこの条例について「冷暖房のためのアイドリングもやめましょう」とハッキリ案内しているんです。

荷物の冷蔵装置など一部の用途は除外される場合がありますが、少なくとも東京都では、運転席まわりの冷暖房を理由にしたアイドリングは認められていません。違反したときの扱いは自治体によって差があり、勧告や氏名の公表につながる場合もあります。

隣の車や近隣への騒音という意味でも、エンジン停止が基本ですね。

ハイブリッドやPHEVなら大丈夫?

「うちはハイブリッドだから静かだし、平気でしょ」と思った方は要注意です。

ハイブリッド車は、停車中でもエンジンが自動で始動します。エンジンが回れば、当然そのぶん排ガスが出ます。つまり“電動だから安心”とは言い切れないんです(そもそも、ハイブリッド車は電動車ではないという意見もあります)。

日本で最も売れているPHEV、三菱「アウトランダー」(画像:三菱自動車)

PHEV(プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル=外部から充電できるハイブリッド)も同じ

三菱自動車は公式FAQで、PHEVはEVプライオリティモード(EV優先モード)でも駆動用バッテリーの残量低下によりエンジンが始動することがあるため、仮眠時は必ずプラグインハイブリッドEVシステムを停止するよう案内しています。

静かなぶん、エンジンがかかったことに気づきにくいのが、かえって怖いところなんですね。

なお、これは「一晩中」に限った話ではありません。短時間の仮眠でも油断は禁物。疲れているときほど眠りが深くなり、車内の変化に気づきにくくなりますからね。

エンジンを切って快適に過ごすには?

答えはシンプル。“エンジンに頼らない装備”と“場所選び”、そして“無理をしない判断”です。順番に見ていきましょう。

まずは「場所選び」から

夏は標高が高くて夜に気温が下がる場所、一般的に標高が100m上がるごとに気温は0.6℃下がるといわれています。

冬は積雪や吹きだまりを避けられる場所を選ぶだけでも、空調に頼る時間はぐっと減らせます。

(画像生成:Gemini)

そして見落としがちなのが、日差し対策です。

近年の夏は本当に暑く、筆者の経験では、5月の晴れた日でも直射日光が当たる場所だと、日の出から1〜2時間で車内が30℃を超えてくることがあります。

寝坊して気づいたら蒸し風呂状態……なんてことも。駐車する場所は、木陰や建物の陰など、朝日が直接当たらない“日陰”を選ぶのが正解です。

次に「エンジンに頼らない装備」

夏は、サンシェードで日差しを遮り窓を開けて網戸(防虫ネット)で虫を防ぎつつ換気を確保しましょう。

筆者の愛車、スバル サンバーバン

筆者は、シェード&網戸をリアドア両サイドに、リアゲートには防虫ネット&ドアストッパーで換気をしています。

リアゲートは、ストッパーで半開きに。ロックを掛けられるので防犯面も安心です。

換気だけでは暑さをしのげないときは…

さらに快適さを求めるなら、筆者も愛用しているポータブルエアコンが頼りになります。たとえば「EcoFlow WAVE 3」は冷房・暖房の両対応で、ポータブル電源ないし専用バッテリーがあれば工事も車の電源も不要(連続運転時はバッテリー容量に注意)。

エコフロー WAVE3を使用。
吸気・排気は助手席側から。

エンジンを切ったまま、車内をしっかり冷やしたり暖めたりできます。スポット的な冷却グッズと違い、空間そのものを空調できるのが心強いですね。

冬は、寝袋やマットで底冷えを断ち、ポータブル電源+電気毛布で暖を取るのが安全かつ快適。ガソリンに頼らないぶん、CO中毒の不安からも解放されます。

いちばん大切なのは「無理をしない判断」

5〜10月で日中の気温が30℃を超えるような日は、夜になっても車内に熱がこもりやすく、熱中症のリスクが高まります

「今日はちょっと厳しいかも」と感じたら、宿泊施設に切り替える、思いきって車中泊そのものをやめる、という選択も立派な安全対策です。

(画像生成:ChatGPT)

エンジンに頼らない」「危ない日は場所や予定を変える」「寝る前に車の状態を確認する」。この3つを守るだけで、車中泊の安全性はぐっと高まりますよ。

なお、「そもそも車中泊に最適なのはエンジンを積まないBEV(電気自動車)だ」という意見もあります。筆者も実際にBEVのキャンピングカーで真冬に車中泊をしてみましたが、これがとても快適でした。

その様子はこちらの記事で紹介しているので、気になる方はあわせてどうぞ。