インフレーターマットで睡眠の質が変わる!
インフレーターマット(インフレータブルマット) とは、キャンプや登山、車中泊といったシーンで睡眠時に使うマットの一種です。ウレタンフォームなどのクッション材を空気でふくらませてから使用します。
家で使うことも可能ですが、使わないときには空気を抜き、コンパクトに丸めて収納できるため、アウトドアへの持ち運びに適しているのが特徴です。
キャンプで朝起きたら、体がバキバキになっていた……そんな経験はありませんか? 睡眠の質は翌日のパフォーマンスに直結するだけに、妥協したくないもの。
そこで、より良質な睡眠をとるためにおすすめしたいのが、インフレーターマットです。薄手の安い銀マット を使っていた人なら、寝心地の違いに驚くかもしれません。
また、エアーマット と比較しても、クッション材がある分断熱性に優れ、設営が簡単なのがメリット。インフレーターマットを使うことで、アウトドアでの快適な睡眠を実現しやすくなるでしょう。
キャンプマットの種類について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください!
インフレーターマットの選び方
インフレーターマットを選ぶときは、使用シーンに応じてマットの厚さと収納性のバランスを考えましょう。シングル・セミダブル・ダブルなどのサイズ選びや断熱性の高さも、寝心地に大きく関わるところ。また、設営するときに困らないよう、空気の入れ方も確かめておきましょう。
以下の5つの項目ごとに、具体的な商品の選び方を説明します。
1. 寝心地を左右する! マットの厚さをチェックしよう
マットの厚さは寝心地に直結する重要なポイント。一般的なインフレーターマットの厚さは5cm前後を中心に、薄手のタイプなら2〜3cmほど、厚手のタイプなら7〜8cmほど。中には10cm以上とかなり厚い商品もあります。
基本的には厚みがあるほど地面のでこぼこの影響を受けにくく、快適性が高まりますが、その分収納時のサイズが大きくなってしまいます。逆に、収納性を優先すると厚みが薄くなり、地面の隆起の影響を受けやすくなります。
また、厚みがあればあるほど地面から体までの距離が遠くなるので、その分底冷えの心配も少なくなるでしょう。
2. シングル? ダブル? 適切なサイズを選ぼう
インフレーターマットのサイズは、主にシングル、セミダブル、ダブルの3種類に分かれています。
シングルは幅60〜70cmほど、セミダブルは幅100cm前後、ダブルは幅120〜140cmほどの商品が多いようです。長さは200cm前後が主流になっています。
適切なマットの大きさは、ソロで使うのか、ファミリーで使うのかによっても異なります。1人で使用する場合は、自分の体型に合った長さや幅を選びましょう。
ファミリー使用の場合は、マット同士を連結できるタイプもおすすめ。マットとマットが離れることがなくなるので、特に小さな子供がいる場合は安心です。
3. 収納性がポイント! 使用シーンを考慮しよう
インフレーターマットを選ぶときに意識したいのが、使用シーン。前述のとおり、一般的には厚みのあるマットほど、コンパクトに収納するのは難しくなります。
その点を踏まえ、以下のシーンごとに選び方のポイントを紹介するので、参考にしてみてください。
登山・バイクツーリング
できるだけ荷物を軽く、コンパクトにする必要がある登山やバイクツーリングなどのシーンで使用する場合、収納性を重視して選ぶようにしましょう。
車中泊
車中泊では車内に荷物を詰め込めるため、収納性はそれほど意識しなくても問題ないケースが多いでしょう。倒したシートの上にマットを敷く場合、凹凸が気にならないように厚手のものを選ぶのがおすすめです。
キャンプ
キャンプはスタイルによって適したマットが異なるといえます。リュック などでギアを持ち運ぶのであれば収納性を意識する必要がありますが、オートキャンプのように車で荷物を運ぶ場合は寝心地重視で選んでも問題ないでしょう。
4. 暖かさの基準! 「R値」を見てみよう
メーカーによっては、インフレーターマットの「R値(熱抵抗値)」が明示されていることがあります。R値は断熱性の高さを表す指標で、数値が大きくなるほど地面からの冷気を遮断する性能が高いといえます。
商品選びの参考として、サーマレストのWebサイトでは、使用する季節ごとに必要とされるR値の目安を以下のように紹介しています。
サイズ | 使用シーン |
---|---|
夏 | 〜2.0 |
3シーズン | 2.0〜4.0 |
4シーズン | 4.0〜6.0 |
厳冬期 | 6.0〜 |
※参考:サーマレスト「What is R-Value? | Measuring Sleeping Pad R-Value」
5. 自動注入なら簡単! 空気の入れ方を確認しよう
インフレーターマットは使用前に空気を入れてふくらませる必要があり、空気が自動注入されるタイプと、手動で注入するタイプがあります。
自動で注入される商品でも、マットのふくらみが足りないときに手動で空気を入れられるタイプなら、調整がしやすいので便利です。専用の空気ポンプ や、空気入れとして使える収納ケース、枕 などが付属する商品もあります。
インフレーターマットのおすすめ20選
インフレーターマットのおすすめ20選を、以下の項目ごとに紹介していきます。コスパに優れた価格が安い商品から、寝心地や収納性にこだわった高性能モデルまで網羅しているので、自分がほしいタイプの項目を選び、ラインナップをチェックしてみましょう!
ソロキャンプに便利! 使いやすいシングルサイズ
コールマン キャンパーインフレーターマット シングルIII(厚さ:5cm)
コールマン のキャンパーインフレーターマット シングルIIIは自動膨張式ですが、ふくらみが足りないと感じたときは付属の収納ケースで空気を入れることができます。側面のスナップボタンで連結することも可能です。
コールマン キャンパーインフレーターマット シングルⅢ
●収納サイズ:約φ15×70cm
●重量:約1.8kg
サーマレスト プロライトプラス レギュラー(厚さ:3.8cm)
サーマレスト のプロライトプラスは、厚さ3.8cmながらR値3.2の断熱性を実現。重量650gと軽量なところもポイントです。サイズはレギュラーのほか、スモール、ラージも用意されています。
サーマレスト プロライトプラス レギュラー
●収納サイズ:約φ10×28cm
●重量:約650g
●R値:3.2
WAQ インフレータブル式マット(厚さ:8cm)
WAQ のインフレータブル式マットは、空気を入れるバルブを2つ搭載し、裏面には滑り止め加工を施すなど細部にこだわりながらも、比較的リーズナブルな価格で手に入るコスパに優れたモデルです。
スノーピーク キャンピングマット2.5w(厚さ:6.2cm)
スノーピーク のキャンピングマット2.5wは、セミダブルほどではないものの、幅77cmと寝返りをうっても落ちにくいワイドな仕様。厚さも6.2cmあり、快適な睡眠をサポートしてくれます。
スノーピーク キャンピングマット2.5w
●収納サイズ:約φ20×85cm
●重量:約1.9kg
モンベル U.L. コンフォートシステム キャンプパッド50 180(厚さ:5cm)
モンベル のU.L. コンフォートシステム キャンプパッド50は、軽量で良質なスポンジ素材を使用することで、持ち運びやすさと寝るときの快適さを両立。同社ならではの技術が活かされたマットになっています。
VASTLAND インフレーターマット(厚さ:8cm)
VASTLAND のインフレーターマットは自動膨張式で、2つのバルブを開けると約1分で使用可能な状態になるという手軽さが魅力。厚さは8cmあるので、車中泊にもおすすめのマットといえます。
VASTLAND インフレーターマット
●収納サイズ:約φ22×63cm
●重量:約2.7kg
フィールドア 枕付き車中泊マット Sサイズ(厚さ:5cm)
フィールドア の枕付き車中泊マットは、コスパ重視の人におすすめしたい枕付きモデルです。高密度のウレタンフォームを使用しており、コンパクトサイズながら寝心地はふかふか。収納袋の底に空気穴があり、マットを収納しやすいのもうれしいポイントです。
フィールドア 枕付き車中泊マット Sサイズ
●収納サイズ:約φ20×62cm
●重量:約1.6kg
スペース広々! 寝心地快適なセミダブルサイズ
ハイランダー スエードインフレーターマット 枕付きタイプ セミダブル(厚さ:5cm)
ハイランダー のスエードインフレーターマット 枕付きタイプは、独立気室になっている枕部分の空気量を調節することで、自分に合った高さに設定できます。スエード素材なので、触り心地も抜群です。
ハイランダー スエードインフレーターマット 枕付きタイプ セミダブル
●収納サイズ:約φ20×48cm
●重量:約2.7kg
クイックキャンプ 車中泊マット セミダブルサイズ(厚さ:5cm)
クイックキャンプ の車中泊マット セミダブルサイズは、プリウスやN-BOXプラスといった人気のSUV車・軽自動車にフィットしやすいサイズ感。ゴムバンドが2本ついているため、収納作業も楽にできるでしょう。
クイックキャンプ 車中泊マット セミダブルサイズ
●収納サイズ:約φ34×55cm
●重量:約3.2kg
ファミリー向き! 2人並んで寝られるダブルサイズ
コールマン キャンパーインフレーターマット ダブルセットII(厚さ:5cm)
コールマン のキャンパーインフレーターマット ダブルセットIIは、先に紹介したキャンパーインフレーターマット シングルIIIが2枚組になった仕様。カップルやファミリーキャンプに便利なサイズです。
コールマン キャンパーインフレーターマット ダブルセットII
●収納サイズ:約φ20×70cm
●重量:約3.5kg
ビジョンピークス インフレーターマット ツイン(厚さ:6cm)
ビジョンピークス のインフレーターマット ツインは、付属の連結用テープをはがせば別々に使用することも可能です。厚さは6cmあり、高いクッション性を実現しています。
ビジョンピークス インフレーターマット ツイン
●収納サイズ:約φ17×65cm
●重量:約2.5kg
登山やツーリングに使える! 厚さ2〜3cmのコンパクトタイプ
モンベル U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 180(厚さ:2.5cm)
モンベル U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 は、同社独自のマミー型の形状を採用。重量はスタッフバッグを含めて681g、収納サイズは直径16cm×長さ25cmと、登山のときにも携帯しやすい仕様になっています。
サーマレスト プロライト レギュラー(厚さ:2.5cm)
サーマレストのプロライトは、シリーズの中で最も軽量かつコンパクトなモデル。重量は510gしかありませんが、R値は2.4で、3シーズンに対応できる性能を持っています。
サーマレスト プロライト レギュラー
●収納サイズ:約φ10×28cm
●重量:約510kg
●R値:2.4
ニーモ オーラ ミディアムマミー(厚さ:2.5cm)
ニーモ のオーラ ミディアムマミーは、表面に軽量な30Dポリエステルを使用し、約500gという軽さを実現する一方、裏面には75Dポリエステルを採用して耐久性を確保。さらに、裏面の肩と腰にあたる位置にはシリコンで滑り止め加工が施されています。
ニーモ オーラ ミディアムマミー
●収納サイズ:約φ12×20cm
●重量:約500g
●R値:2.7
キャプテンスタッグ インフレーティングマット(厚さ:2.5cm)
キャプテンスタッグ のインフレーティングマットは、同社ならではのコスパの高さで人気を集めているモデル。「まずは安いマットを買って試してみたい!」という人にもおすすめです。生地にはPVC加工が施されており、防水性も確保しています。
キャプテンスタッグ インフレーティングマット
●収納サイズ:約φ12×59cm
●重量:約900g
キャプテンスタッグ ピロー付インフレーティングマット(厚さ:2.5cm)
キャプテンスタッグのピロー付インフレーティングマットは、良心的な価格で手に入れられる枕付きタイプです。枕部分は独立気室になっており、手動で空気を入れる仕組みです。
キャプテンスタッグ ピロー付インフレーティングマット
●収納サイズ:約φ16×30cm
●重量:約920g
車中泊に最適! 厚さ10cm以上の極厚タイプ
コールマン キャンパーインフレーターマットハイピーク シングル(厚さ:10cm)
コールマンのキャンパーインフレーターマットハイピークは、同社のキャンパーインフレーターマットと同様、収納袋が空気入れになる仕様です。シングルのほか、ダブルサイズも用意されています。
コールマン キャンパーインフレーターマットハイピーク シングル
●収納サイズ:約φ21×72cm
●重量:約2.7kg
WAQ リラクシングキャンプマット シングル(厚さ:10cm)
WAQのリラクシングキャンプマットのバルブ部分は、吸気モードと排気モードを切り替えられる仕様で、スムーズな設営・撤収が可能です。別売りのシーツを装着すれば、まるで自宅のベッドのような寝心地を体感できます。
ディーオーディー ソトネノキワミ M(厚さ:10cm)
ディーオーディー のソトネノキワミは、その名のとおり極上の寝心地を追求したモデル。空気ポンプとして使える枕が付属しています。S・M・Lと3種類のサイズが展開されているので、自分の体型や用途に合わせて選びましょう。
ディーオーディー ソトネノキワミ M
●収納サイズ:約φ30×60cm
●重量:約6.3kg
ロゴス 100セルフインフレートマット SOLO(厚さ:10cm)
ロゴス の100セルフインフレートマットは、同社のインフレートマットシリーズのなかでも最も厚いモデルです。カラーはリバーシブルになっているため、好みに合わせて使い分けることもできます。
ロゴス 100セルフインフレートマット
●収納サイズ:約φ20×60cm
●重量:約2.8kg
マットと一緒に買うと便利なアイテム
インフレーターマットと一緒に購入しておくと便利なアイテムとしては、空気入れ・空気抜きポンプや、マットカバー 、リペアキットなどが挙げられます。
空気入れ・空気抜きポンプ
空気入れ は製品に付属している場合もありますが、以下のような携帯式の空気入れ・空気抜きポンプ があれば、より簡単に空気量の調整や撤収作業を行うことができるでしょう。
FLEXTAILGEAR TINY PUMP 携帯式エアーポンプ 1300mAh
●連続使用可能時間:約15分
●充電時間:約2.5時間
マットカバー
インフレーターマットカバーは寝心地をアップさせるほか、洗濯できるので衛生的にマットを使いたい人におすすめ。使用しているマットと同メーカーの適合商品がないかチェックしてみましょう。
ロゴス 抗菌防臭 セルフインフレートマットカバー SOLO
●収納サイズ:約φ10×17cm
●対応マット:セルフインフレートマットシリーズ(厚さ:5.5cm / 7cm)
リペアキット
穴が空いてしまったときに備えて、以下のようなリペアキット を用意しておくと安心です。商品によっては、マット本体に簡単な修理キットが付属している場合もあります。
サーマレスト パーマネント ホームリペアキット
インフレーターマットの使い方のポイント
インフレーターマットを初めて使うにあたって、特に苦戦しがちなのが収納作業です。実際にキャンプや登山、車中泊で使用する前に、空気を抜きながらマットをたたむコツをつかむため、以下の記事を参考にして片付けの練習をしてみましょう。
購入したばかりのインフレーターマットは空気が入るまでに時間がかかる場合もあるので、一度マットを広げておくという意味でも役立ちます。アウトドアや車中泊、災害時の備えに使える!
インフレーターマットは、キャンプ・登山などのアウトドアシーンや車中泊で使用するほか、災害時の備えとして用意しておくのもおすすめです。記事内で紹介したように、さまざまなアウトドアメーカーから多種多様な商品が販売されているので、自分に合ったモデルを探してみましょう!