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南部鉄器の鉄皿・鉄鍋

“洗い物嫌い”の筆者が「南部鉄器」をメインクッカーにしたら、もう他には戻れなくなりました【私的神アイテム】

油汚れの付いたクッカーや食器を、洗剤で水洗いするのがとにかく嫌いな筆者。けれど2年前、「南部鉄器」との出会いが大きなターニングポイントに……!

今では「南部鉄器」をメインクッカーとして愛用する筆者の体験を元に、その意外な魅力とキャンプでのさらなるポテンシャルについて詳しくご紹介します!

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目次

記事中画像撮影:筆者

鉄製クッカーはマメな人向き…という大きな誤解?

アルミ製のクッカー

みなさん、キャンプのメインクッカーはどんな素材ですか? メインクッカーはアルミ、ステンレス、チタンという人が多いのではないでしょうか。

普段”地べたソロ”系のミニマム&無骨キャンプ楽しむ筆者のメインクッカーは、実は鉄製。しかも理由は「その方が楽だから」。

南部鉄器の鉄鍋で焚き火調理

鉄製クッカーは使用後すぐ洗って水分を飛ばし、毎回シーズニングしないとすぐ錆びて、むしろ扱いにくくて大変なんじゃ……? というイメージが強いかと思います。

「南部鉄器」との出会いがターニングポイント!

南部鉄器の鉄皿・鉄鍋での調理された料理

筆者も以前は同じ考えでしたが、ある時、ターニングポイントとなるアイテムとの出会いが! それが、現在愛用中の鉄鍋と鉄皿です。

実は、この2つの「南部鉄器」のおかげで、“洗い物嫌い”の筆者のストレスが一気に解消。

また、食材をびっくりするほど美味しく焼き上げ、シンプル調理ほどクオリティがUPするなど、キャンプとの相性抜群のクッカーだったので、詳しくご紹介します!

そもそも「南部鉄器」とは?

南部鉄瓶

出典:Instagram by@oigen1852

南部鉄器の各種製品

出典:Instagram by@oigen1852

筆者愛用の「南部鉄器」の鉄鍋と鉄皿の魅力をご紹介する前に、「南部鉄器」について簡単にご紹介します。

そもそも「南部鉄器」とは、主に岩手県の盛岡市と奥州市の水沢地域において伝統的な手法で製造される鉄製品。1975年に国から「伝統的工芸品」として第一号認定を受けた、日本を代表する工芸品の1つ、キングオブ伝統的工芸品です。

南部鉄器の鉄皿・鉄鍋

筆者が愛用する「鉄プレート(以下鉄皿)」は、奥州市で江戸時代から続く老舗『及源鋳造(おいげんちゅうぞう)』の製品。

「古里鍋深型(以下鉄鍋)」は盛岡市で明治時代から続く同じく老舗の『岩鋳(いわちゅう)』の製品です。

鉄皿は直径18cm、鉄鍋は口径16cmと、どちらもソロキャンプにちょうどいい小ぶりサイズ。

▼及源鋳造「鉄プレート 18cm」の詳細はこちら

岩鋳 古里鍋深型16cm(焼付)

サイズ19.5×17.5×H8cm
<内径>16.5×16.5×D6cm
熱源ガス直火対応 IH非対応(ガス・直火使用可)
重量約1.2kg
材質<本体>鋳鉄(シリコン焼付塗装)
<蓋>木製
<取手>鋳造鉄(塗装有り)

キャンプと相性抜群!「南部鉄器」の5つの魅力

1|洗剤&水洗いが不要!

アルミ製のクッカーを洗剤で洗う

そもそも、油で汚れたクッカーを炊事場まで持って行って洗剤と水で洗う行為が、とにかく面倒だった筆者。キャンプ場に洗剤とスポンジを持っていくのも避けたいレベル。

また、キャンプ後は保冷剤と電池以外は家に持ち帰らないスタイル=その他のギアは車に積みっぱなしの筆者は、クッカーを家に持ち帰って洗うのも嫌でした。

シーズニング後の鉄製品

ですが、南部鉄器を含めた鉄製クッカーは、洗剤で洗う必要がないんです。というか、洗剤で洗うのはNG。サビや焦げ付きを防ぐために、シーズニングによってコーティングした油膜が落ちてしまうからです。

南部鉄器の鉄鍋で水を加熱

なので使用後は、お湯で洗う→空焼きして乾燥→シーズニングや油で拭く、の3ステップ。お湯捨て以外ほぼサイトの中で完結するから、洗剤での水洗いを避けたい筆者にとっては、とにかく楽なんです。

特に、水が冷たく焚き火から離れたくない冬キャンプでは、長時間炊事場で水洗いしなくて済む恩恵を毎回痛感……!

2|独自の伝統製法がサビを防ぐ

南部鉄器の製造工程

出典:Instagram by@iwachu1902_official

南部鉄器の製法には「金気止め(かなけどめ)」という工程があります。


型の中で固まった鉄製品を、900℃程度の熱で焼くことで「四三酸化鉄の酸化被膜」をつけ、サビを防ぐ伝統的な製法です。

なんでも明治時代に盛岡で火事があり、焼け跡に残っていた鉄製品にはそれ以降サビが出なかったそう。そこからサビを防ぐ方法として、この技法を技術工程に盛り込んだんだとか。

南部鉄器の鉄鍋での調理(キムチ鍋)

筆者はこの2つの南部鉄器を、期間にして2年以上、回数では少なくとも20回以上使用。キムチ鍋のように塩分豊富な料理も数多く食べましたが、一度もサビは出ませんでした。

実は以前、南部鉄器ではない鉄鍋ではサビを出してしまったことが。その時から特に使い方を改善していないので、「南部鉄器はサビが出づらい」を実感しています。

3|食材が焦げ付きにくい

南部鉄器の鉄皿での調理(目玉焼き)

さらに、熱伝導性に優れるため熱が素早く均一に伝わり、火力が一点に集中しないので焦げづらいんです。びっくりする程焦げないです。

いや、正確にはずっと熱していると焦げはしますが、焦げ目がこびりつかず、「トゥルン」と離れます。くっつきがちな目玉焼きも、テフロン加工のフライパンのようにスルリ。

焚き火で加熱中の鉄鍋

鉄鍋は炊飯に使うこともあり、火力をミスって盛大に焦がしたことも。けれど、「どんなに洗っても焦げ付き汚れが落ちない!」といった大惨事には至らず、パリッパリのおこげがおいしかったという思い出にすり替わっています。

4|食材がおいしく調理できる

南部鉄器の鉄皿での調理(牛肉)

作る料理はふっくらジューシーに焼き上がり、とにかく旨い! 

これも高い熱伝導性のおかげで、加熱ムラが少なく素早く均等に加熱できることから、食材の旨みを損ねずこんがり焼き上げられるんです。

また、高い蓄熱性と鋳鉄による遠赤外線効果により、温度が下がらす食材にじっくりと火が通るため、水分も逃しにくいのもポイント。

5|調理後は保温性の高い器に

南部鉄器の鉄鍋で調理されたキムチ鍋とチタンマグで炊飯されたご飯

そして蓄熱性の高さは、調理後も長くほっかほかの料理を楽しめるメリットにもつながります。

筆者の場合、鉄鍋も鉄皿も小ぶりサイズをチョイスしたので、調理後もシェラカップなどに移さずそのまま器にできるから、保温性能がフルに発揮されるんです。

タンブラーなどの保温性能にこだわる人は多いですが、食器の保温性まで重視する人って意外と少ない気がします。

冷えた鍋を再加熱する必要がないのって、手間が減るだけでなく燃料の節約にもなり、冬キャンプの頻度が高い人にとっては相当エコですよ。

少々気になるのはこんなところ

筆者のメインクッカーとして大活躍の「南部鉄器」の鉄鍋&鉄皿なんですが、少し気になる点も。

どうしても重さはある

南部鉄器の鉄皿の計量

実際に使ってみて、やはり重いのは間違いないです。鉄皿は592g(実測値)で、ほぼ同サイズでアルミ製のソロ用マルチグリドルが330g、他の同サイズクッカーが200g前後なのと比べると明らかに重いです。

バックパックキャンプなど、ウルトラライトを極めたい人には不向きですが、筆者のように、軽装備が信条だけど、どちらかというとコンフォートライト志向のオートキャンパーなら、そこまで気にならないという印象です。

お手入れタイミングがシビア

使用後の南部鉄器の鉄皿

お手入れについては、毎回シーズニングが必要です。その代わり、毎回洗剤とスポンジで洗う手間がなくなって荷物も減らせたので、手間が純粋に増加した感覚はありません。

南部鉄器の鉄鍋の油ならし

メンテナンスとして、洗剤を使わずに水・お湯で洗う、その後「空焼き+油ならし」自体はそれほど手間ではないですが、タイミングがシビア。

焚き火をしながら南部鉄器で食事後、まだほんのり温かい南部鉄器を持って水場へ。少量の水を貯めて洗えば余熱でぬるま湯になり、洗いは終了。焚き火に戻って空焼きし、油を塗ってお手入れ終了。これが個人的に簡単な方法です。

南部鉄器の鉄鍋の空焼き

しかし、食後に汚れたまま放置して冷えてしまったり、熱源がない状態だったりすると、とたんに手間が。冷えた油汚れを冷たい水で洗い落とすのは難しく、お湯を別で用意、もしくは鉄皿の再加熱が必要になるんです。
また空焼きについても、焚き火がない時にはアルストに着火するなどの対応を要し、若干負担に。けれど、私のキャンプスタイルでは「焚き火がない」という事態が相当レアケースなので、あまり問題にはなりません。

こんな人に、ぜひおすすめしたい「南部鉄器」

南部鉄器の鉄鍋で調理されたすき焼き

いかがでしたでしょうか。鉄製クッカー、ひいては「南部鉄器」がメインクッカーとして機能するポテンシャルを少しでも感じてもらえたら幸いです! 

具体的には以下のような考え方のキャンパーに向いているかと。同じような考え方のキャンパーさんは、ぜひ、冬キャンプのメインクッカーに検討してみてくださいね。

南部鉄器はこんな人におすすめ

・焼くだけ・煮るだけのような、シンプルな調理工程で旨いキャンプ飯が好み
・長く1つのものを使い込み、自分だけのギアを育てたい
・ウルトラライトというよりはコンフォートライト志向
・派手なデザインよりも一見シンプル・無骨な美しさに惹かれる
・焚き火やアルスト等、火力調整が難しい熱源を利用している
・寒い時期もキャンプに行くので、冷めづらい食器が好き

▼及源鋳造「鉄プレート 18cm」の詳細はこちら

岩鋳 古里鍋深型16cm(焼付)

サイズ19.5×17.5×H8cm
<内径>16.5×16.5×D6cm
熱源ガス直火対応 IH非対応(ガス・直火使用可)
重量約1.2kg
材質<本体>鋳鉄(シリコン焼付塗装)
<蓋>木製
<取手>鋳造鉄(塗装有り)

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