8. NODEL design「バタフライテーブル S/M」
洗練された美しい佇まいのこちらのテーブル。けれど1番のポイントは、独自の折り畳み機構により、S・Mサイズ共に収納時の厚みが20mmと極薄な点です。しかも組み立て不要で、設置は脚を開くのみ。
出典:Instagram by@nodel_design
サイドのハンガーにはギアなど吊るせるほか、別売りキット「FB-bridge」を装着すれば、スノーピーク「フラットバーナー」のマウントもできるなど、拡張性の高さもポイントです。
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【審査員の評価】
2cmの厚みでフラットに収納できるアウトドア用テーブル。
簡単に設置や折り畳みができる天板と一体型の脚部の機構や2台のテーブルの間に専用のガスバーナーキットを取り付けられる左右の拡張ハンガーなど、機能やディテールへのこだわりを高い精度で実現していることが評価された。
クラフト的な魅力を感じさせる独自の世界観でシリーズ全体がトータルにデザインされ、アウトドアに限らず、日常のインテリアにも馴染み、多様なシーンでの使い方が想像できる。
▼NODEL design製品については、こちらの記事も参考に!
9. ノリノリプロジェクト「ゲートライフタキビダイ」
出典:ノリノリプロジェクト
出典:ノリノリプロジェクト
凹型のフォルムと、より細かく編んだメッシュにより、風で灰や火の粉が飛散しやすい・ゴトクなどを乗せにくく調理に不向きといった、メッシュタイプの焚き火台の弱点を克服。
別売りのゴトクを載せればダッチオーブン調理も可能というタフな構造ながら、収納時はW50×D25×H5cmと非常にコンパクト。メッシュから透ける炎の美しさも大きな魅力です。
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【審査員の評価】
コの字型の形状は燃焼効率と灰の舞い上がりを抑える構造としている。
非常にコンパクトであり、組み立ても非常に簡単である。リアルキャンパーならではの素晴らしい回答を評価した。
10. トヨトミ「宿営暖房I型(自衛隊仕様)」
出典:TOYOTOMI
約30年に渡り、防衛省陸上自衛隊に専用石油ストーブを納品しているトヨトミが、自衛隊仕様ののディティールを落とし込み、一般向けに開発したモデル。
本体と一体型の堅牢なケージや国防色のオリーブドラブカラーなど、無骨でカッコいいデザインもさることながら、最大20畳までカバーする高い暖房能力で、冬キャンプの強い味方になるストーブです。
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【審査員の評価】
暖房器具はインテリア空間に馴染むものが好まれるために、空間に合わせてすでに様々な製品がある。この「ストーブ」は自衛隊で使われている仕様を民生用に作り替えたということで、実績から来る信頼感やアウトドア、タフネスに対する親和性が高く、そのイメージをデザインで表現した。
機能に特化した、質実剛健なその佇まいは飽きることなく使うことができ、ガレージや屋外、パブリックの場だけでなく、室内でもタフなスタイルを好むユーザーのための新たな選択肢となったのではないか。
多様化するライフスタイルの中で、ありそうでなかったロングライフとなりうる選択肢を提供している点が評価された。
11. トヨトミ「ギアミッション RR-GER25」
出典:TOYOTOMI
トヨトミが展開するアウトドアブランド、「ギアミッション」の石油ストーブ最新モデル。
“灯り”としての機能も備えた旧モデル「RR-GE25」の白光炎式から、赤熱燃焼方式にチェンジし、側面の暖かさが段違いにアップ。より直接的に温かみを感じられる仕様になっています。
タンク部分も角ばったデザインに変更。無骨なサイトインテリアの主役になる存在感です。
トヨトミ ギアミッション RR-GER25
サイズ | 高さ480×幅388×奥行き388(mm) |
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重量 | 5.9kg |
暖房出力 | 2.54kW |
連続燃焼時間 | 20.2 |
【審査員の評価】
自然に対する関心の高まりとともに、アウトドアで過ごす時間を求める人々が増えている。
それらアウトドアライフを満喫しようとする人々の思いや潜在的なニーズを受けとめるべく開発された石油ストーブである。
赤熱燃焼様式の対流型石油ストープとして十分な暖かさを得られる機能であることに加えて、無駄を省きながらもタフさを表現した姿や深みのある2色のベースカラー、本体や操作部におけるシャープで堅牢性を感じさせる形状など、製品ユーザーを想定しての潔く明快な姿が探られている。
12. コロナ「小型対流形石油ストーブ SZ」シリーズ
高さ475×幅355×奥行355mmのコンパクトな石油ストーブ。キャンプに携行しやすい小型ながらも、3.19kWの最大暖房出力を実現し、木造住宅では9畳をカバーする暖房能力を誇ります。
タンク容量は3.8L、最大12.3時間の使用が可能で、1泊のキャンプなら十分なスペック。ランタンを模したデザインも魅力で、自宅でもキャンプでも温もりと癒やしを与えてくれる1台です。
【審査員の評価】
オートキャンプやソロキャンプ、アウトドアリビングといった趣味を満喫する環境での使用はもちろんのこと、災害時への備えとしても運搬しやすいコンパクトサイズの石油ストーブに対する期待に応えるデザインとなっている。
暖房器具としての高い性能を満たすと同時に製品の小型化が試みられており、ランタンを思わせる姿にも特色がある。
製品の堅牢性、信頼性が視覚的にも感じとれる安定感を備える姿は石油ストーブの開発を長く手がける企業の開発力が凝縮されたものであり、誠実なものづくりの実績が滲みでるという点でも評価された。
13. ハイコーキ「マルチクルーザー ツールボックス」
インパクトドライバーなどの電動工具で知られる、ハイコーキのモジュラー型ストレージシステム。MとLの2サイズの「ツールボックス」のほか、タイヤ付きボックスと伸縮式ハンドルが一体化した「キャリーボックス」の3種がラインナップ。
「キャリーボックス」の最大耐荷重は120kg、各ボックスはIP65の防塵耐水性能を持つ現場仕様でありつつ、ギミック感あるデザインがキャンプシーンにもマッチします。
ハイコーキ マルチクルーザー ツールボックス M
サイズ | 外寸:400×560×158mm 内寸:332×500×110mm |
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重量 | 4.5kg(アクセサリケース含む) |
耐荷重 | 30kg |
保護防水等級 | IP65 |
ハイコーキ マルチクルーザー ツールボックス L
サイズ | 外寸:400×560×315mm 内寸:332×480×268mm |
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重量 | 6.0kg(インナトレイ含む) |
耐荷重 | 40kg |
保護防水等級 | IP65 |
ハイコーキ マルチクルーザー キャリーボックス
サイズ | 外寸:480×560×678mm 内寸:332×480×372mm |
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重量 | 11.0kg(インナトレイ含む) |
耐荷重 | 120kg |
保護防水等級 | IP65 |
【審査員の評価】
過酷な環境下でも使用できる強度と運搬性能を備えた、魅力的なデザインに仕上がっている。ハンドルバーやフックなどの部品は剛性を高めるために櫛状に重ねられたヒンジ構成は、強度を確保しつつ、美しいデザインで表現されている。
ステンレスワイヤーを使うことで、上下の固定や周囲を密閉し、頑丈な工具箱としての魅力も引き立てられている。周辺の形状は、ツールの取り出しやすさに配慮された造形工夫が凝らされている。
さらに運搬を容易にするため、一番下のボックスには倒しやすい足がかりの凹みが設けられ、大きな車輪が取り付けられており、路面状況の悪い場所でも重い荷物を簡単に運ぶことができる。
どんな場所でもスムーズに移動し、ツールなどを効率的に運ぶための高い利便性とデザインを備えたツールボックスである。
14. ハイコーキ「コードレス冷温庫」
同じくハイコーキから、冷蔵・冷凍・保温機能を兼ね備えた「コードレス冷温庫」が受賞。
3サイズ展開で、10Lではで2部屋モードで冷蔵&冷凍を、25Lでは冷蔵&冷凍か冷蔵&保温、36Lでは3部屋モードで冷凍&冷蔵&保温を同時に行えるというスグレモノ。
ファミリーやグループでのキャンプでも、個々の細やかなニーズに対応できる秀逸なギアです。
ハイコーキ コードレス冷温庫 UL18DD
サイズ | 315×481×312mm |
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容量 | 10.5L |
重量 | 10.9kg(バッテリー含む) |
設定温度 | ー18℃およびー15〜60℃の5℃単位 |
ハイコーキ コードレス冷温庫 UL18DBA
サイズ | 340×653×450mm |
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容量 | 25L |
重量 | 16.7kg(バッテリー含む) |
設定温度 | ー18℃およびー15〜60℃の5℃単位 |
ハイコーキ コードレス冷温庫 UL18DE
サイズ | 340×829×450mm |
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容量 | 36L |
重量 | 21.1kg(バッテリー含む) |
設定温度 | ー18℃およびー15〜60℃の5℃単位 |
【審査員の評価】
現行の最大60度までの温度差を管理できる2室構成に、新たに78度の3室構成を持つ大型モデルと運びやすい小型モデルが追加され、サイズの違いによる使用シーンの拡張が図られている。
冷凍、冷蔵、保温といった3つの温度管理機能は、もはや冷蔵庫の枠を超越した素晴らしい機能であり、その外観はクーラーボックスのように持ち運びやすさを備え、所有したくなる道具箱の魅力を放っている。
さらに、サイズごとにハンドルの形状と角度が調整され、徹底的な使いやすさが実現されており、この開発の姿勢に感服する。
グッドデザイン賞・ベスト100入りの作品
最後は、審査委員会により特に高い評価を得て見事「ベスト100」入りを果たしたアイテムをご紹介します!
MAAGZ「 うんちの着火剤」
出典:MAAGZ
焚き火台「RAPCA(ラプカ)」が人気のMAAGZ(マーグズ)が開発した着火剤。こちら、なんと草食動物の糞が主原料! ですが、加熱処理後にペレット成形され、気になる匂いはありません。
パッケージデザインもおしゃれで、プレゼントにもおすすめ。売り上げの一部は野生動物の保護活動に役立てられるなど、SDGsへの貢献度も高いアイテムです。
MAAGZ うんちの着火剤 Mサイズ
サイズ | H113×φ50mm |
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内容量 | 10個 |
原材料 | 草食動物のうんち(長崎バイオパーク、盛岡市動物公園ZOOMO)、木屑(檜・杉)、パラフィン |
燃焼時間 | 約10分 |
種類 | ウシ、キリン、ラマ、バク、レッサーパンダ、シマウマ、ゾウ、カモシカ |
MAAGZ うんちの着火剤 Sサイズ
サイズ | H83×φ36mm |
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内容量 | 7個 |
原材料 | 草食動物のうんち(長崎バイオパーク、盛岡市動物公園ZOOMO)、木屑(檜・杉)、パラフィン |
燃焼時間 | 約6分 |
種類 | ウシ、キリン、ラマ、バク、レッサーパンダ |
【審査員の評価】
コロナ禍以降、アウトドアカルチャーが更に醸成されたことで昨今、多くのプロダクトが開発されている。うんちの着火剤は、燃料に着目し、商品がかたちづくられるプロセスや関係性自体が魅力になっているプロダクトだ。
動物の糞はカロリーが高いため、古くから農業では土壌改良に使われてきたが、動物園などの糞は量も少なく、その循環には入りにくかったように思う。この着火剤の強みは、少量であることを活かし、「着火剤」というプロダクトにすることで、ユーザーが出会える、買えるうんちにしたことだろう。
キリンやアライグマなどのうんちを手元に置き、燃料としても使えるようにした図鑑のようなパッケージも評価が集まった。
▼マーグス製品については、こちらの記事も参考に!
グッドデザインなハイテクでもっとアウトドアを快適に!
出典:JDP
テントや焚き火台などのいわゆる「THE・キャンプギア」ではない、ポータブルバッテリーや冷蔵庫などの、ハイテクを駆使したアイテムの受賞が目立った、グッドデザイン賞2023。
アウトドア用石油ストーブなどの受賞も多く、アウトドアでもより便利さや快適さを求めるキャンパーニーズが反映された結果と言えるのではないでしょうか。
あなたも、より“グッドデザイン”なハイテクギアで、もっとキャンプを楽しんでみては?