バルブ式と比べるとどうなの?
さて空気を抜けるドライバッグといえば、バルブ式の製品もあります。そこでバルブ付きのドライバッグと空気の抜きやすさを比較してみました。
THE NORTH FACEのスーパーライトドライバッグ8L
用意したのはTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)の「スーパーライトドライバッグ8L」。今回の「Evacドライバッグ」と同サイズの売れ筋製品です。価格はEvacドライバッグより1,000円程度高く、なかなか値段が下がりませんでしたが、撮影時には3,000円台前半と同程度になっていました。
ディテールをざっと紹介します。
01.生地はコーティングされたリップストップナイロン
02.底の方の横っちょに回転式の開閉バルブ
03.縫い目のないウェルディング(接着)仕様
04.内容物を取り出すときにつかめるハンドル
……ということで、素材といい縫い目のない加工方法といい、防水性にこだわった製品です。
重量は公表されていないようですが、実測すると90g弱。バルブがある分、Evacドライバッグよりも少しだけ重いですね。
またEvacドライバッグと同じように丸めてコンパクトにできますが、生地が厚手でゴワゴワしているので、少々かさばる印象です。
バルブ付きの方が空気を抜きやすいかも……
それでは衣類を入れて、実際に空気を抜いてみましょう。バルブを緩めてロールを巻き込むと、ス~ッと空気が抜けていきました。手応えはEvacドライバッグよりもスムーズで、それほどトルクが必要なかったです。
ぺちゃんこにしたところでバルブを閉めました。空気の出入りがまったくないので、この状態のままキープされます。
バルブ開閉の手間を考慮しても、荷物を圧縮することに関してはバルブ式に軍配が上がると思いました。Evacドライバッグはバルブのようにグイグイ空気が抜けないし、透湿機能があるので圧縮後に空気が入り込み、どうしても圧縮具合が緩んでしまうんですよね。
透湿機能をどう捉えるか
こちらはEvacドライバッグを圧縮した直後(左)→10分後(右)の比較写真。若干膨らんでいることがわかります。ただしインフレーターマットのように積極的に膨らむわけじゃないし、圧縮が必要なのはパッキングするときなので、瞬間最小サイズこそが重要です。
透湿機能というレアスキルを考慮すれば気になるほどではないと思いますが、いかがでしょうか。
ということでバルブ式と比較した結果、それぞれにメリットがあると感じました。何を重視するかを考えて選べば、どちらでも後悔はないと思います。
ノースフェイス スーパーライトドライバッグ8L
容量 | 8L |
---|---|
重量 | 実測で89g |
【おまけ】VASTLANDの製品が面白い
バルブ付きのドライバッグを探していたときに、面白い製品を見つけたのでご報告します。こちらは「VASTLAND(ヴァストランド)」という日本ブランドのドライバッグ(10L)。ショルダーストラップ付きで2,000円ほどでした。
さきほどのノースフェイスと同じくバルブ式で、衣類やタオルを圧縮OK。ただし厚いターポリン製なので全体的にかさばり、そこはリーズナブルさと引き換えになっています。
しかしこの製品、面白い使い方を提案していました。それは……。
ウォータータンクとしての用途です。飲料NGとのことでジャグとして使うことはできませんが、厚いターポリンの防水性によってバケツのように水を汲んでおくことができ、バルブは蛇口になるんです。
筆者はこれ、子供たちが小さい頃に出会いたかったと思いました。夏の海遊びでは、シャワーが長蛇の列になったり、シャワーヘッドが高くて子供と一緒に使いにくかったりしたものでした。
しかしこれがあれば、砂まみれの子供のシャワーとして使えます。パパママキャンパーの皆さん、夏レジャーの装備としていかがでしょうか?
※10Lサイズは売り切れ中です(2023年7月22日現在)
ファブリックの機能性が魅力的すぎる!
だいぶ話が脱線しましたが、今回の主役はシートゥーサミットの「Evacドライバッグ」です。8Lサイズ、カラーはベルーガを購入し、いろいろと機能を試してみました。
アウトドア用品の世界では「防水透湿」とよく耳にしますが、よく考えると魔法のような機能ですよね。実際に水に沈めて空気を抜いたときには、ファブリックの機能美というか、存在そのもののかっこよさを強く感じました。
ドライバッグに防水性だけでなく通気性も求めたい場合、そして非カラフルなカラーが好みの場合、本製品は貴重な選択肢になると思います。