【ゼインアーツ新作テント】ブランド初の試みも。開発の裏側をいち早く取材してきました【小杉敬】（2ページ目）

2023/05/26 更新

ゼインアーツ代表小杉さんに聞く、開発の舞台裏

ゼインアーツ新作テント

独自の哲学が一貫しつつも、常に斬新な視点を失わず進化し続けるゼインアーツのテントたちですが、今回はその開発の舞台裏にも迫ります！

ここからは、ゼインアーツ代表の小杉さんに、新作3テント開発の背景など詳しく伺っていきますよ。

TCテントは出さないと言い続けてきた

ゼインアーツ新作テント

──正直、ゼインアーツがTCテントを出すのは意外でした

小杉さん：そうですね。創業当初から、TCモデルのご要望は非常に多くて。各展示会などでも、何度も「ゼクーのTC版出さないんですか？」と質問されたり……。
でも、その度に「出しません」って言い切ってきたんですよね笑

ゼインアーツ新作テント

ご存知の方もいると思いますが、私はA&Fさんのブランド「サバティカル」にも関わらせていただいていて、こちらでは「モーニンググローリー」「スカイパイロット」と、TCモデルを展開しています。
当初は、2つのブランドをうまく共存させていくために“棲み分け”を意識して、ゼインアーツの方ではTCは出さないと決めてきた訳なんです

──でも考えが変わってきたと？

小杉さん：はい。「ゼインアーツ」と「サバティカル」、どちらのブランドも創業から5年が経ち、自分の中でも変化がありました。
多くのユーザーさんにプロダクトを使っていただき、それぞれのブランドイメージがしっかりと構築されてきたように感じています。なので、我々が変に“棲み分け”を意識する必要はないのかなと

今後、TC版が増える可能性は？

ゼインアーツ新作テント

──従来品と今回のTC版で迷う方も多そうです。どんな方におすすめですか？

小杉さん：これからキャンプを始める方がファーストテントとして選ぶなら、迷わず化繊素材の従来品をおすすめします。
化繊が完全防水なのに比べて、TC素材はどうしても耐水性能が劣るし、水を含むと非常に重くなって撤収時や乾燥時などの取り扱いが大変です。
一方で、火の粉で穴が空きにくくなるなどTC素材ならではのメリットがあるので、秋冬のキャンプが好きで焚き火を楽しまれたい方などは、ぜひTC版を検討していただきたいですね

──今後、「ロロ」などの大型幕でもTC版は発売されますか？

小杉さん：TC版では重量が増え、フレームへの負担も高くなります。これにより、風による倒壊リスクが上がります。
なので、大きいサイズのモデル関しては、かなり慎重に考えています。
特に「ロロ」に関しては、TC素材にしても使い勝手が良くなるイメージがあまりなく、難しいと思ってます。「ギギ2」はまあアリかなっていうところですかね

ゼインアーツ新作テント

山からキャンプに。「ロガ」復刻の理由

ゼインアーツ新作テント

──「ロガ」をリニューアルした経緯は？

小杉さん：当初、開発した「ロガ4」は、アクティビティとキャンプの間を行き来するベース的なテントとして作ったモデルでした。
ですが、だんだん我々のフィールドが明確になっていく中で、「ロガ4」という存在が「ゼインアーツ」にマッチしていないのではと思うようになり。
実際サイズアップのご要望も非常に多く、いつか少しモデルチェンジしたいと考えていた経緯があります

ゼインアーツ新作テント

提供：ZANEARTS

従来の「ロガ4」は登山向けのサイズ感だったので、割とタイトな設定での4人用テントという位置付けだったんですね。前室はいわばオマケで、2ルームというよりは少し大きめのテント。
対して今回、リニューアルした「ロガ」は、本当にキャンプでゆったり使える2〜3人用の2ルームとして再開発しました

──「ロガ」は、何人くらいで使うのがいいでしょうか？

小杉さん：前室部分で、2〜3人がファニチャーを展開できるサイズ感を追求しています。
インナーテントは、4人がゆったり寝られるサイズですが、4人が2ルームとして使うには少し手狭なので、デュオや3人家族で使うのが良いかと思います。
3人のご家族なら、将来的にご夫婦2人で使うのも全然アリなサイズ。ロングタイム使えるのも魅力だと考えています