「サバルパインドーム」誕生の背景は?開発担当者に直撃取材
今回は、サバティカルの開発担当である吉野さんと、テントをデザインした「ゼインアーツ」代表でもある小杉さんへの直撃インタビューも敢行!
「サバルパインドーム」誕生の背景や開発にかける思いなどを伺ってきました!
「サバティカル」と「ゼインアーツ」の意外な関係性
──2019年のブランド誕生以来、どんな4年間でしたか?
吉野さん:ホントに驚きの連続といいますか……。最初は、ここまで反響をいただけるとは想像してなかったので驚きましたね。ありがたいのと同時に
──そもそも、なぜ「サバティカル」を?
吉野さん:「サバティカル」の母体であるA&Fは、これまで世界中から既に有るものをセレクトして日本に紹介する企業として成長してきました。
ですが、そこからステップアップして、「自分たちが開発したプロダクトで、アウトドアを始めるきっかけを作っていきたい」と想うようになりました。
可能な限り手に取りやすい価格帯で、高機能なギアをお届けする、それを目指したのが「サバティカル」です
──開発には、ゼインアーツ代表の小杉さんも関わっています
吉野さん:はい、「サバティカル」のテントは、デザインや設計を全て小杉さんにお願いしています
小杉さん:「あ、そうか、だから似てるんだ」って言われる時はありますね。
でも特に隠していないですし、アウトドア業界を活性化するため、みなさんに喜んでいただくために、互いに協力し合ってこのブランドを作っています
ドームテントの開発は自然と
──開発者として、「サバティカル」と「ゼインアーツ」の棲み分けは?
小杉さん:以前は、サバティカルは日本のアウトドアシーンでの「ザ・スタンダード」を、ゼインアーツは「半歩先を目指す」。自分の中では、そういった棲み分けをしていました。
ただ最近は、いい意味でブランド自体が一人歩きを始め、各ブランドのキャラクターが自然と構築されてきたのを感じています。
開発者である我々が無理に、棲み分けを意識する必要はなくなったのでないかと。たとえ、同じプロダクトを作っても、ブランドが違えば、それは別モノとして成長していく。この4年間を通して、そう思いました
──今作の製作経緯は?
小杉さん:これに関しては、「サバティカル」というブランドを意識したときに、自然と次はドームテントだなと。
「ゼインアーツ」でもやってない分野ですし、設計者として、私もやってみたいっていうのもありましたし
──最近は、ドームテントがトレンドにもなっています
吉野さん:確かに、流行ってますよね。ただ、自分たちはトレンドを意識したわけではなく、会話を重ねていくなかで、「次はドームですよね」となりました。
ドームテントって見た目もカッコいいし、山岳テントとしての屈強なイメージに憧れを抱いていたのも大きいです。
そのイメージのまま、コスト面や設営性を高めた「サバティカルらしさ」を追求できたら最高だなと考えていました
盲点をついた独自のフレームワーク
──「サバルパインドーム」の開発で苦労した点は?
小杉さん:まず、大型ドームテントだけど価格を抑えなくていけない。これが大変でした。単純にポールの本数を減らせば安くなりますが、その分、耐風性も落ちていく。矛盾する課題を解決する必要がありました
──なるほど。
小杉さん:フレームを減らすは難しい。そこで目をつけたのが、フレームの「素材」です。
既存ドームテントは、山岳用としてベースキャンプに使われるものが多く、高価な7000番台のアルミ合金(※強度が高く航空機などに使用される素材)を使っていました。
だから最初は、当然のように同じ素材を使うこと考えていて。でもそこが盲点でした。一旦、固定観念を捨てて、より安価な6000番台のアルミ合金を思いついてからは、すぐに今回のフレームワークが組み上がりました
──フレームにどのような工夫が施されていますか?
小杉さん:安価な6000番台のアルミ合金の特徴に合わせてハブとベンド(曲げ加工)を取り入れることで、フレームを簡略化しつつも耐風性や強度をキープし、重量とコストも抑えています
ーデザイン面でこだわりは?
小杉さん:開放的に使えるという部分は、すごく意識しました。
ドアパネルを多く配置して、さらに、丸いフォルムを活かして地球を見渡すような感覚で、景色を360度眺められる室内空間を作りたいと思っていました
キャンプをもっとシンプルに
──どんな人に「サバルパインドーム」をおすすめしたいですか?
吉野さん:先にも触れましたが、ドームテントって、憧れがありつつもやっぱり高いので、なかなか手を出せない方が結構いらっしゃるかと思うんです。
けれど「サバルパインドーム」に関しては、そのなかでも手に取りやすい価格を実現できたので、「ドームテントがほしい!」と思っている方の選択肢になればいいなと思っています
今後、キャンプのトレンドはどこへ向かうと思いますか?
吉野さん:そうですね〜。個人的には、色々なギアを持ち出すというよりは、段々シンプルに、キャンプをより手軽に楽しむスタイルになっていくのかなと思いますね
小杉さん:いろんな楽しみ方があっていいと思うんですが、でも、私もトレンドがそういう風に向かっていくだろうというか……。
「サバティカル」や「ゼインアーツ」のブランドがそもそもライトに、物をあまり持たずにやっていきましょうという思想の下で開発しているので、吉野さんがおっしゃるような楽しみ方が、一つのジャンルとして成立していくといいなと思います
「サバルパインドーム」なら“憧れ”が現実に?!
日本のアウトドアシーンの「ザ・スタンダード」を目指す一方で、常に斬新なフレームワークで、むしろ「ネオ・スタンダード」とも言うべき存在となりつつあるサバティカル。
新作「サバルパインドーム」も、高い耐風性や居住性など、ドームテントに求められるスタンダードな機能は踏襲しつつも、設営のしやすさやコスパなどの課題を鮮やかにクリアした、革新的なテントとなっていましたね。
あなたもドームテントへの憧れを、「サバルパインドーム」で現実に変えてみませんか?
取材の全貌は動画からチェック!
今回の取材や、編集部動画チームメンバー「きむ23」によるインタビューの全貌は、YoutubeのCAMP HACKチャンネルでも公開中です。
もっと詳しく観たい人は、ぜひこちらもチェックしてみて下さいね。