キャンプに「救われた人生」
アウトドアや旅が大好きな筆者。今はアウトドアショップに勤め、公私ともに充実した日々を過ごしていますが、20代後半の頃は仕事やプライベートがうまくいかず、そのストレスを発散できることもないなか、すべてを投げ出しそうになっていた日々がありました。
そんなある日、家のなかを整理をしていると昔使っていたキャンプギアが目についたので「久しぶりに自然のある場所でデイキャンプをしてみよう」、そう思い立ちました。
木々に囲まれ、聞こえるのは川の音色、小鳥のさえずり。なーんにもない場所で椅子とテーブルを出して座り、大きく広がる空を見上げると、考えていること、悩んでいることすべてがどうでもよく思えてきて。「これだ、これが自然の力なんだ」と、ハッとしたことを今も覚えています。
「ちいさなことに悩まないで、これからは思う存分、楽しいことをして生きていこう」。自然を通して、そう思えるようになっていきました。
そこから次第に自然と触れ合う機会が増え、その場を全力で楽しむことで沈んでいた気持ちはどんどん晴れていきました。
「サウナ」との出会いは突然に
キャンプのおかげで元気を取り戻していった筆者。ある日のキャンプ帰りに立ち寄った“温泉のサウナ”で、とある衝撃を受けることになります。
ここ数年、サウナブームということもあり、日頃よく聞いていた“ととのう”というワード。最初は「ととのうってなんだよ(笑)」といった気持ちでしたが、実は少し気になっていたのも事実で……。
そこで立ち寄った温泉のサウナで、“ととのう”ためのコツである「サウナ → 水風呂 → 外気浴」を3セット試してみることにしました。
すると、3セット後の外気浴中に異変が……。空を飛んでいる感じというのでしょうか。脳みそが空っぽになり、体の力が抜けてまるで天国にいるかのような、心地よい気分を味わうことができました。
サウナ後は体の疲労が取れ、頭で考えていたこともスッキリ。体と脳の洗浄をしたような気分です。
「サウナって身も心もこんなに綺麗になるんだ」と、初めて身をもって体験。これが噂の“ととのう”か……と。
それと同時に、以前落ち込んでいたときにしたキャンプで自然の魅力に気が付いた感覚に、どこか似ているようにも感じました。
そこから筆者はサウナの魅力に惹かれ、仕事終わりやキャンプ帰りなど、週3回サウナへ通うようになっていきました。
テントサウナは「自然」と「サウナ」の融合
キャンプもサウナも、体と心をリセットしてくれる。この繋がりを一緒にできないか……。
そんなことを考えていた矢先、湖畔に設置されている“テントサウナ”なるものを体験できる機会があり、普段の銭湯のサウナでは味わうことができない、“自然や人とつながるサウナ体験”をした筆者は思いました。
「この素晴らしい体験をもっと多くの人達に経験してほしい」。
でも、テントサウナのレンタル代は高いし、サウナイベントもタイミングというものがある。また、キャンプ場に常設されているテントサウナの利用料は1万円からが多く、これを毎回使うのは金銭的にアウトでしょ……。
そんなこんなで「だったら買うのは!?」と、思いもしなかったテントサウナの購入を次第に検討するようになったのです。
購入したのは、フィンランド生まれの「Savotta」
テントサウナの購入を意識するようになった筆者は、「自分のキャンプスタイルとマッチするのは何なのか?」を考え、各社のテントサウナの「デザイン性」「機能性」を比較しました。
テントサウナは、どうしてもキャンプのイメージからは少し離れた正方形のテントだったり、色使いがシンプルだったりするものが多く、自分が持っているテントと合わせたときに少しイメージが違うなと感じていました。
そんななか、表参道や鎌倉に店を構える「UPI OUTDOOR」で格好良いデザインのテントサウナを発見。それが「Savotta(サボッタ)」との出会いです。
「Savotta」は、北欧・フィンランドで1955年に誕生したブランドで、バックパックやネイチャーストーブ、サウナテントなどを展開しています。民間向け以外にも、軍や警察、赤十字社などと提携し、特殊用途の高機能な製品を製造している歴史あるブランドでした。
テントサウナの形も、今まで見たことのないようなワンポール型。デザインもミリタリー色が強く「自分のキャンプスタイルに合うな」と、ひと目惚れ。
筆者は友人や家族など、大人数でサウナ体験をしたいと考えていたので、四人用の「HIISI 4(ヒイシ4)」を購入しました。
コンパクトに収納できて、一人で背負って持ち運びができる。天高は高い場所で2mあり、180cm以上の筆者が窮屈感なくサウナをできるところも惹かれたポイントです。
また部屋の中に小窓が付いているので、サウナをしながら自然の風景を楽しむことができるのも、購入の決め手になりました。